思考少女は床の上 “家族”
家族だから許せること。家族だから許せないこと。家族という共同体って不思議だよね。生まれたときから既に存在し、いつの間にか一員となっている。恐ろしいのは望もうが望まなかろうが、家族という共同体に強制加入している。そして、滅多なことでは出られない。
家族だからこそ話せることも、家族だからこそ許せない返答がくる。自ら話しかけたのに、身勝手だと思われるかもしれない。でも、私はいやだ。だから私は家族ということを考えないようにした。よく顔を会わせ、よくしゃべる、同居人。他人。これで家族だからと気を許して話すことも無くなった。これで安心。
でもなんでだろう。なにか心に穴が開いたよう。家がとても息苦しくてたまらない。たまらなくなってたまらなくなって、また話しかけちゃう。そしてまた悲しくなっちゃう。私はまた家族を他人にした。そして、またさみしい。布団はこんなにも温かいのに。夏で気温も高いのに。なぜだかお腹のなかが冷えているよう。
いつかこの悲しみがまた膨れ、私はまた。それは明日か明後日か。また今日の繰り返し。私は家族になれていない。