それだけなのにね。
たとえば真っ暗な晩に 眠れなくて
一人で外に出てみたら
君も同じように夜の散歩に出ていたとして
以前の君だったら ちらりと視線をくれるばかりで
終わりだったというのに
近頃は何だか視線が柔らかくなったみたいだね
たとえば真夏日の日に 歩けなくて
ベンチでアイス食べてたら
君も同じように水を飲もうとしていたとして
以前の君だったら 水で顔を濡らすばかりで
見向きもしなかったというのに
近頃は何だか隣に座ってくれるようになったね
自分が石ころみたいだと言ったら
星屑みたいだと言われた
小さな頃から考えていた
自分が持つ気持ちの数々の意味を
分からない事は多すぎて いつしか考えるのを止めてしまったけれど
今では何だか分かる気がするんだ
でも 今では幼い頃の疑問を忘れてしまったけれど
そんな自分が なんだか酷く幼稚に思えて
年数を重ねた自分が なんだか薄情に思えて
出来る事を考えていたのに
いつの間にか出来ない事ばかり考えていた自分に気づいて
道端に転がる石ころみたいだと言ったら
星屑みたいだと言われた
流れていく星の途中
輝きはまだ半端なまま
どれくらい綺麗に輝けるかなんて知らないけれど
誰かの道を照らせたなら いつの日か誰かに微笑んでもらえるだろう
旅路を終えた思考は やがて目の前に座る君に戻る
たったひとつの反論 それだけ
それだけが今の支えだとしても
これからの未来 きっとそんな小さな支えが繋がっていくのだろう
そう思うとなんだかとても愛しくなって 嬉しくなって
久しぶりに君の目を真正面から見つめることができた