とびきりの驚きを、
実のところ 種明かしをしてしまえば
何もニュースはないのです
ただ 近くの草原に
綺麗な花が咲いていたのだとか
あそこの丘から見える
遠くの星空と 山にかかる月が綺麗だとか
くねくね曲がった路地裏の先に
可愛らしい子猫が生まれたのだとか
そんな些細な事でさえ
あなたに報告してみたら
それはそれは 嬉しそうに笑ってくれるものだから
いつしか自分で“安いよねえ”などと
ふざけたあなたの笑顔が 忘れられなくなりました
ただ 青い天井を
清々しそうに見上げるときに
まぶしそうに目を細め
昼間の月を見つけ 私にも知らせてくれるときに
すれ違いざまにとても無邪気に
手をふりながら挨拶してくれるときに
そんな些細な事でさえ
私の目には綺麗で
それはそれは とても心惹かれるものだから
いつしか見事に“愛している”などと
思いかけない大切な気持ちが 育っていました
実のところ 種明かしをしてしまえば
何も変わりはないのです
ただ 近くの草原に
咲く花を一緒に見たいのだとか
あそこの丘から見える
星空と月の 美しさを語り合いたいのだとか
くねくね曲がった路地裏の先に
生まれた子猫を抱っこさせたいのだとか
そんな些細な事でさえ
あなたとできるなら
それはそれは 素晴らしい日々になると思うから
是非に私と“生を共に”と願えば
驚きながらも嬉しそうに頷いたあなたを
また忘れられなくなるでしょう
共に流した涙も 嬉しい証
些細な事でさえ笑う
これからも 見目変わっても喜ばしいあなたであれ
些細な事に輝き見る
これからも 心惹かれる私であれ