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6月1日(10円玉を探して)

かなり遅れていますがきちんと更新はします;

・・・10円足りない。


学校の帰りにジュースでも買おうと自販機に近づいて気付いた。

昼飯にちょっと奮発してハンバーグ定食(B)を買ったからだ。いつもはきつねうどん(大盛り)なのに、友達があまりおいしそうに食べるから釣られて買った。予定より500円も高くついた。

その所為でたかが150円のコーラも買えなくなってしまった。しかも、財布の中にあったのは今月のおこずかい全てだった。・・・次の支給日まで一週間もある・・・仮に今、コーラを買わなくても、一週間後まで残金は140円だ。もし、これで母親が「あっらー。ごめんっ。寝坊したから学食にして?」なんていわれたら俺は確実に死ぬ!!食べ盛りの学生には昼飯抜きは死活問題なのです!!なんて、心の中で講義しても仕方ない。・・・本当に言われたらどうしよう。


・・・漁ろう。自販機の下を。この前の学校行事の【町内クリーンキャンペーン】では必ずと言っていいほど十円玉が自販機の下に落ちていたものだ。

人目なんて気にしていられるか!!

と、俺は自販機の前にうつ伏せに寝転び、ジュースのために10円を探すことにした。

―――・・・俺の能力が強かったら寝転ばなくても自販機の下を風を通して10玉が出てくるのを待つだけなんだけど、生憎、俺にはそんなことができるはずが無い。

俺は意を決して自販機の下に手を伸ばした。

お? 自販機の下に伸ばしていた手に何かが当たった。10円玉か??

でも柔らかい。、、、?

「・・・っ!?」

にぎぎぎっ

その柔らかいものが俺の手をかなりきつく絞め始めた。やばい、こんな日常のど真ん中でいきなり死亡フラグとかやめてくれよ。てか、このまま行くと手の血管がー・・・


「あ゛ーもうっ。何だよっ!!」


真っ青になりながらも俺は、本気で伸ばしていた腕を引き戻した。

       

          ゴンッ


・・・ゴンッ??何だよ。本当に。もう勘弁してくれ。俺の一番嫌いなものはグロテスクとホラーだ。間違ってもこの握っていた物がバラバラ死体の腕とかやめてくれよ。

せめて動物とかにしてくれ。。それもそれで何かイヤだけど。


一番最悪なケースで無いことを祈りながら掴まれていた自分の腕を見る・・




そこには、人の手形があった。







このチキンの俺がこういうときにパニックにならないのには驚いた。まだ心拍数が上がったままだが、きちんと状況の整理ができる。

まず、第一にこんな所で死体なんてあるはずがない。その死体が俺の腕を掴むはずが無い。それに最初の方にも書いてあるが、ここらはつい最近(と言うか前日)まで何も無かったし、そんなニュースなんて流れてもいない。

そこでまず俺はケイタイに電話番号の【11】までを入力してそれを片手に持ちながら

自販機の下を覗いた・・・・・


手が見えた。

危うくそれが見えただけで残りの【0】を押しそうになったがその時、もう少し先も見えた。

もし見えた手から先が無かったとしたら間違いなく電話をかけているだろう。だがしかし。

奇跡的にも手は、自販機の後ろにある塀に開いた腕が簡単に通る位の穴から伸びていた。

ここまで来るとその人が無事なのかが心配になってきた。

俺の腕を掴んでいたところで死んでいないのは確かだろう。でも、なんでこんな所で(おそらく)倒れているのかが気になって仕方が無い。

そこで、ちょっと塀の中にお邪魔して、腕の主に会いに行こうという事に脳内会議で決まった。


塀は2メートル前後。少しジャンプしたらあまり苦労せずに登れるな。

「よっと・・・」

塀に登って・・

「うわっ」

驚愕した。塀の中は何かの研究所の廃墟だった。

窓ガラスは全て持ち去られているか割れているかしていて、廃墟の中は丸見えだった。

この調子だと床もガラスだらけかな?

外壁にはツタが少し這い始めていた。この研究所が廃墟になったのは5年ぐらい前だろうか。


「っと。」

俺は塀からコンクリートの床に下りた。案の定、床にガラスが散らばっていた。


 研究所の中には人が入れるぐらいの巨大なビーカーや円柱状のガラスが転がっていた。

機械類はさすがに無かったが。

もっと研究所の中を見たかったが、今は腕の主に会うことが目的だ。

探しに行・・

く前に見つけてしまった。


塀に開いた穴に片手を突っ込みながら倒れている、淡い空色をした腰まである髪をもった少女を。

あまりっていうか本当に能力が出てきません。

どうしましょう・・

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