誰も決められない ――主体を取り戻した代償
崩れゆく世界の中で、五界も、虚界も、そして人間たちも、
もはや自らの意思で未来を決めることはできなかった。
各勢力の状況
教団
統合を急ぐが、虚界の自律性により強制力は失われている。
彼らの思想は行動できず、ただ観測者として焦燥するのみ。
境界神
制御システムは完全停止。
過去の設計も、未来の介入も意味を失った。
ガーディアン
中立調停者としての判断権限を失う。
組織そのものが、ただ瓦礫のように存在している。
健太郎
世界を代行しないことを宣言する。
「俺たちが決める」の言葉は、今や空虚に響く。
美香
決定権は持たないが、世界の声を翻訳する立場にある。
世界が求める意思を代弁するだけ。
霧亜
事実しか示せない解析者。
可能性の予測はできても、選択はできない。
主体の不在
すべての力が停止し、残されたのは決定を下す主体の不在。
これこそが、本章最大の絶望である。
世界はもはや、**「誰も止められない流れ」**の中にある。
章末フック:カウントダウン
虚界側から最後の観測信号が届く。
境界完全崩壊までの残存時間が表示される数値は、確実に減少している。
健太郎は静かに呟く。
「……選ぶなって言われた世界で、
それでも選べってことか」
世界は止められない。
だが、まだ終わりではない――
生き残るため、そして救うための戦いは、ここからが本番。




