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ガーディアン・リヴァース:境界を駆ける者たち  作者: 南蛇井


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決戦前夜 ――再集結 ガーディアン側の動き

4-2:決戦前夜 ――再集結

ガーディアン側の動き


夜宮、重傷から指揮限定復帰


本部瓦解後の暫定統合作戦


対象は「世界構造への直接干渉者」


役割分担(明確化)


夜宮:戦域統制・判断


霧亜:幻操・認識撹乱の完全解析


美香:精霊界由来干渉の遮断・翻訳


健太郎:前線固定・零化展開


→ 全員が

**「世界の代行者」ではなく

 「人間として介入する立場」**で揃う。 小説化

4-2:決戦前夜 ――再集結


瓦解したはずの本部施設、その地下に残された一室だけが、かろうじて“人の意志”を保っていた。

照明は最低限。通信は遮断。地図は更新されていない。


だが、そこに集まった者たちは、もう地図を必要としていなかった。


夜宮は簡易椅子に座ったまま、全員を見渡していた。

身体はまだ完全ではない。包帯の下で痛みが脈打っている。

それでも彼は立たなかった。立つ必要がないからだ。


「――これより、暫定統合作戦を開始する」


声は低く、静かだった。

かつての“本部指揮官”のそれではない。


「対象は五界でも、教団でもない」

「世界構造そのものに、直接干渉しようとする存在だ」


誰も言葉を挟まない。

その“存在”が、誰を指すのかは明白だった。


篠原サクヤ。


夜宮は続ける。


「我々は、世界の代表ではない」

「調停者でも、管理者でもない」


一瞬、間を置く。


「――ただの人間として介入する」


その言葉が、場の空気を決定的に変えた。


かつてガーディアンが背負ってきた役割。

秩序の代理人。境界の監視者。

それらを、ここで明確に切り離す宣言だった。


「役割を確認する」


夜宮は視線を霧亜に向ける。


「霧亜。幻操と認識撹乱の解析は?」


霧亜は短く頷いた。

完全復帰とは言えないが、眼は冴えている。


「篠原の幻操は、もはや“欺く”ためのものじゃない」

「境界そのものを誤認させる構造です」

「……ですが、解析は終わりました。破れます」


夜宮は次に、美香を見る。


彼女の立ち姿は以前と変わらない。

だが、周囲の空気の“意味”が、彼女に向かって静かに流れていた。


「精霊界由来の干渉は、私が遮断します」

「完全に止めることはできない。でも――」

美香は一度、息を吸う。

「歪めずに、伝えます。どの界の声も」


それは防御でも、支配でもない。

ただ、翻訳するという立場の宣言だった。


最後に、全員の視線が健太郎へ集まる。


彼は一歩前に出る。

特務科の装備は簡略化され、余計な機構は外されている。


「俺は前線を固定する」

「篠原の“ゼロ地点”が展開されたら――」


言葉を選ばず、言い切った。


「零化する」


五界の魔力も、虚界の干渉も。

意味を持つ前に、無効化する力。


夜宮はそれを否定しなかった。


「健太郎。お前は世界を止めるな」

「人間として、踏みとどまれ」


健太郎は、短く頷く。


ここに集まった全員が理解していた。

誰も、正解を持っていない。

誰も、世界を代表していない。


それでも行く。


統合でも、分断でもない。

救済でも、破壊でもない。


「選ばない」という思想そのものを否定するために。


夜宮は最後に、静かに告げた。


「これは戦争じゃない」

「――意志の衝突だ」


決戦は、まだ始まっていない。

だが、この瞬間、彼らは再集結した。


世界の代行者ではなく、

選び続ける人間として。

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