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ガーディアン・リヴァース:境界を駆ける者たち  作者: 南蛇井


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29/111

悪魔族グループ“ハルマ・サーク”侵入

神流市中心部。半異界化した街は、もはや「日常」の皮をかぶった異常空間だった。

道路はわずかに波打ち、建物の輪郭が二重に揺れ、光源は濁った残光を引きずる。空気は鉛のように重く、魔力濃度が限界目前まで膨張していた。


その上空に、乾いた破砕音が走る。


空間の裂け目が、まるで獣の口のようにぱっくりと開いた。

そこから、黒い影が雨のように落下してくる。


「……来たわよ。“ハルマ・サーク”」

霧亜が低く構えながら呟く。


最初に降り立ったのは、異様に長い角と鎧のような皮膚を持つ男。

輪郭がゆらぎ、体から黒炎の残滓が立ちのぼる。


悪魔族ヴィルゼル。ハルマ・サークの団長。


続いて、白銀の刃翼を持つ女悪魔メルカ

そして中位悪魔の群れが、地面に影のように溶けては立ち上がる。


街に悲鳴が走った。

市民は異界化した景色の中で逃げ場を見失い、混乱が連鎖する。


「霧亜先輩、来ます!」

健太郎は前衛へ駆け出し、霧亜と肩を並べるように構えた。

手に汗が滲むが、体の奥底で何かが脈打っていた。


一方、美香は後方に展開した即席の結界陣の中心でタブレットを睨む。

「魔力濃度、街区単位で上がってる……っ、制御……重い……!」


異界化した空気の圧で、美香の魔力制御にノイズが走る。

結界の光が一瞬、点滅する。


ヴィルゼルの視線がふと健太郎に向いた。

その眼が笑ったように細まる。


「……匂うな。境界の気配だ。お前、“あちら側”の……」


霧亜が即座に前へ出る。

「こっちを見るな。標的は私よ、悪魔族」


だが悪魔たちは霧亜にではなく、健太郎へ一直線に向かってくる。

獲物を求めるように、境界の反応を追う獣の動きで。


美香は歯を噛む。

「やっぱり……健ちゃん、狙われてる……!」


街の揺らぎはさらに加速し、影は濃く、光は歪む。

異界の重圧が、確実に地上へ浸透している。


戦闘の火ぶたが、完全に切って落とされた。

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