第7話「闇夜に響く叫び」
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回はカイとリリィが旅の中で初めての危機に直面します。
助けを求める声が、二人の絆をより強くし、カイの力が少しずつ覚醒していく様子を描きました。
ぜひお楽しみください。
夜の森は一層深く静まり返っていた。
カイとリリィは火を囲みながら、旅の計画を話し合っていた。
「北へ向かうつもりだ。そこに、かつて勇者が封じた古い遺跡がある」
リリィは地図を指差しながら言う。
「遺跡……?」
「魔王の力の源の一つと言われている場所。もし魔瘴の根源を断つなら、そこを目指すしかない」
カイは黙って頷いた。
「でも、俺たちだけで行けるのか?」
「一筋縄ではいかないわ。でもあなたには“リユニオンコード”がある。運命を変える力よ」
その言葉に勇気を得たカイは、眠りにつこうとした。
しかし、深夜。森の奥から悲鳴が響いた。
「誰か助けて!」
咄嗟に二人は火を消し、声の方へ走った。
薄暗い茂みの中、何かに襲われている少年がいた。
「待て!」
カイは声を張り上げ、リリィと共に魔物の影へ飛び込んだ。
鋭い爪と牙を持つ魔物が襲いかかる。
カイは自分の体に刻まれた力を感じた。
「(これは……リユニオンコードの力か?)」
魔物の一撃をかわしながら、カイは集中を高める。
彼の体から淡い光が放たれ、魔物の動きを鈍らせた。
リリィも素早く魔法を放ち、魔物を追い詰めていく。
やがて、二人の連携が功を奏し、魔物は森の奥へと逃げ去った。
少年は震えながら、二人を見上げた。
「ありがとう……助けてくれて」
カイは微笑み、手を差し伸べた。
「大丈夫か?」
少年は頷き、二人の後に続くと言った。
リリィはカイを見て微笑む。
「これからが本当の旅の始まりね」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
第7話では、カイが自分の力を実感し、仲間との絆を深める一歩となる場面を描きました。
これからの旅の中で、さらに成長していく彼らの姿にご期待ください。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。