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〝揺らいだ世界の群青〟
量子の海の中に
僕は揺らいだ世界の群青を見た
それは長い旅路の果ての結末で
幻のような光だった
変わることのない世界は退屈で
惰性で生きるような毎日だ
授業をサボって屋上にいた僕は
飲み干したラムネの瓶を使って
空をすかしてみた
潮風の匂いがした
量子の海の中に
僕は揺らいだ世界の群青を見た
それは長い旅路の果ての結末で
幻のような光だった
パスカル色に澄んだ夕焼けの空に
鳥たちが優雅にたゆたっている
軋んだブランコのたてる音が
忘れられたノスタルジーのように
僕の寂しさを具現化していた
夜がふけていく
量子の海の中に
僕は揺らいだ世界の群青を見た
それは長い旅路の果ての結末で
幻のような光だった