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〝もしもこの痛みを青春と呼ぶのなら〟
音の外れたピアノの旋律が
音楽室から聞こえてきた
放課後の校舎裏
タバコの煙がまるで入道雲のように
どうしようもない現実を濡らしていた
窓からはみ出した夜のカケラが
今日もまた世界をただよっている
寂れた廃墟のなかに
行き場のない者たちの言葉が
六月の雨のように降り注いでいた
もしも僕らが感じるこの痛みを成長と呼ぶのなら
僕らはいらない、そんなもの
だけど
もしも僕らが感じるこの痛みを青春と呼ぶのなら
僕らは忘れない、その痛みを
音の外れたピアノの旋律が
音楽室から聞こえてきた
窓からはみ出した夜のカケラが
今日もまた世界をただよっている
もしも僕らが感じるこの痛みを成長と呼ぶのなら
僕らはいらない、そんなもの
だけど
もしも僕らが感じるこの痛みを青春と呼ぶのなら
僕らは忘れない、その痛みを