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新たなる夜明け
世界は、少しずつ再生し始めた。
荒れた大地に、草が芽吹き、
色を失っていた空に、七色の光が戻る。
町には、人々の笑い声が溢れていた。
リアとアリアと一緒に、僕は高台に立っていた。
オルディアが、静かに告げた。
「あなたは、この世界を救ったのです」
僕は首を振った。
「違う。
俺たち──みんなで、救ったんだ」
リアが、にっこり笑った。
「タクト、次はどんな物語を作ろうか!」
僕は、空を見上げた。
「そうだな──次は、もっと楽しい、みんなのための物語を」
アリアも、そっと手を伸ばした。
「私も……一緒に、紡ぎたいです」
三人で手を重ねる。
そして、僕たちは、また新たな物語へと、歩き出した。
──世界は、まだまだ、広いから。
ここに、新たな一文を記す。
「希望の物語は、永遠に紡がれる」