第二話 声
その感覚はまるで晴天だった…
バタッ
「らい…らい…らい!!!起きて!思い出して!!」
………………
「らい!!」
ハッ!
気づいたらベットに横たわっていた。
「良かった…起きたか」
ドロロン博士が心配そうに言った
「なんでそんな焦ってるんだ?ていうか俺は何を…」
頭にもやがかかったように何も思い出せない。
「なんでって…お前はあの雷の雨の中外で寝てたんだぞ!!」
え?そんなはずは…頭の中の曖昧な記憶をたどった。
「そうだ!おれ!雷の雨に打たれてみたんだ!そしたら…なんか、心地良くて…それで…」
「な!…はぁ…もういい。もう外には出るなよ。とにかく無事でよかった。」
胸をなでおろしながら言う
(なんだか博士の雰囲気がいつもと違うような……気のせいかな…こんな優しかったか?まぁとりあえず心配してくれているのか。でも、一体あれはなんだったんだ……って、あれ?そういえば女性の声が聞こえた気が…)
「博士!俺が起きる前ここに女の人居なかったか?!」
「女の人?そんな人ずっと居らんかったぞ。まだ寝ぼけておるな。ゆっくり休め」
(いや…でも…確かに聞こえた…あの声は一体…
思い出して…?何をだ?うっ…まただ…モヤモヤする…本当になんなんだ。)
この日は早く寝た。夢でまたあの女性に会える気がして。モヤモヤの正体に…関係している。何となくそんな気がした。
次の日
静かな部屋に目覚ましが鳴り響く。
「らいーーー!!!!起きろー!!!!」
博士の怒鳴り声だ
「っ……まだ…寝る……」
「今日は学校だろ!!」
(……今日はいつもの博士だ。昨日はやっぱり様子がおかしかったような。気のせいかな)
「はいはい……起きますよー」
「早く準備するんだぞー」
「…うん……zzz」
「こらー!!!!」
(はぁ……起きなきゃ。そういえば結局女の人は夢に出てこなかったな。何だったんだろう。)
「ねぇ博士」
「なんじゃ?早くベットから出なさい。」
「やっぱりさ、あの女の人が気になる」
……!?
…………
「もう……その話は忘れなさい。気のせいだろう。」
(気のせいだろうか。今一瞬博士は変な表情を見せたような…驚いてたというか焦ってるというか…)
「何か隠しているなら言ってよ」
「何を言っておる。隠し事なんてしておらん。本当に最近のらいは少しおかしいぞ…」
「おかしいのは…おかしいのは博士の方だ。どうかしている。」
こんなこと言うつもりは無かったのに気づいたら口に出ていた。。
「…ごめん、」
俺はすぐに謝った。
「……あぁ」
博士はまた何とも言えない表情を見せた。
(やっぱりおかしい……気がする…)
不信感が高まる
「………………zzz」
「こらー!!!!!」
この日は遅刻した。