表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷の音  作者: ゆーん
1/3

第一話 晴天

胸騒ぎ…モヤモヤ…自分の心拍数が上がっているのが分かる…「誰かが俺を呼んでいるのか?」

………


〜6月3日〜

今日は数十年に一回起こると言われている雷の雨が降る日だ。雷雨じゃない。雷の雨だ。この雨が降る原因も性質も何一つ分かっていない。云わば謎っていう奴だ。


小さな雷の粒が無数に振りそそいでいる。


「ほんとに降ってる……」


窓を眺めながら言った。噂には聞いていたけど実際見てみると、まるで異世界にでも来たかのように、なんだか不思議な気分だ。

「うおーーー!!!!!!」

静寂を切り裂く叫び声。…博士だ。

「らい!!見てみろ!!凄いぞ!雷の雨だ!!本当に降ってる!!!!!すごいすごーい!!」

この人はドロロン博士。俺の育ての親だ。昔俺が捨てられていたのを拾ってくれたらしい。もちろん感謝しているし間違いなく恩人だ。ただ…

「……うるさい」

「なぬっ!?…らい!もっと興奮せんか!!こんな景色、もう二度と見れないかもしれないんだぞ!数十年に1回なんだぞ!」

博士の興奮は冷めない


「でも、博士はべつに初めてじゃないんだろ?なんたってそんなに興奮するんだよ。」

呆れながら言った


「そうは言っても人生で2回だぞ!落ち着いてる方がおかしいぞ!」

…確かにそうかもな。俺は心の中で頷いた。でも、なんだかワクワク出来ない、なんでだろうか。

モヤモヤ…俺はこの時から、いやずっと前から自分の中の胸騒ぎを確かに感じとっていた。

「ちょっと外に出てくる」

俺はドアに向かって歩き出した

「何を考えてる!外は雷の雨だと言っているだろ!ピリッとするんだぞー痛いぞー」

博士は脅すように言った。

「あぁ分かってる。少しだけだから」

「待て!ぁぁ、本当に少しだけだからな!」


…俺はドアを開けた。窓越しで見るよりも凄い。

玄関から外を眺める。

なんだろう…やっぱりモヤモヤする…

胸騒ぎ……モヤモヤ…自分の心拍数が上がっているのが分かる。「誰かが俺を呼んでいるのか?」

思わず外に出た。思ったよりも痛くない。というより…心地良い……

「なんだ、これ…」

ずっとここにいたいと思うような、心地良さ。雷が俺を暖かく包み込んでくれる、そんな気がした。

その感覚はまるで晴天だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ