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1.間違いというものは


 人間は間違える生き物だ。


 誰かからそんな台詞を聞いたことがある。なにか失敗してしまった時の慰めの言葉だったか、ミスを戒める時の言葉だったか。忘れてしまったが、この言葉の正当性は自分自身の経験を鑑みることで保証されるだろう。


 人間は考える(あし)である。


 この言葉も聞いたことがある。確か哲学者のパスカルが著書『パンセ』の中で謳っていた筈だ。人間は葦、つまり植物のように弱いが「考える」という能力があることによって偉大な価値を持っているという意味だ。


 この二つの言葉から考えるに、そして経験から考察するに、人間という考える葦は、その考える過程で何らかの間違いをしてしまうという事象が起こるという結論に達するのではないだろうか。思考回路の中でのバグ、ミス、パニック。それらが引き起こす、問題解決能力の一時的障害。


 つまり何が言いたいのかというと、人間が何らかのミスをするということは珍しくもなんともなく、ただそれは日常の中のちょっとしたアクシデントに過ぎないわけだ――しかしそれは、あくまで「日常では」である。


 じゃあ、《《「非日常」なら》》――?


 ましてや「その世界に住む全員が謎の『命を懸けた』早押しクイズゲームに参加させられて、正解し続けないと生きられないというルールの異世界」なら――?


 そこでの人間の間違いは日常の中のちょっとしたアクシデントどころではなく、生死を分けるだいぶビッグな分水嶺になってしまうわけだ。


 これは、そんな馬鹿みたいなルールに縛られた謎の異世界に転移した俺が、絶対に間違えられない早押しクイズで間違えてしまったその瞬間から始まる物語。


 さて、考える準備は出来た?


 よし、それじゃあ出発だ。

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