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歯科医院でいい子ぶる

作者: はやはや

 三ヶ月ごとに歯科医院に定期治療を受けに行っている。前回行った時は退職した翌月で、まだ新しい保険証が手元になかったので、受付でその旨を伝えた。

 担当の歯科衛生士さんから「お仕事辞められたんですねー。しばらくゆっくりされるんですか? 時間がある今のうちにフロスの頻度を増やすとか歯のケアにも力入れてみて下さいね」と言われた。

 私は適当に「はーい。わかりましたぁ」と返事し、自分が歯のケアに力を入れないだろうと思っていた。


 歯磨き以外で唯一しているフロス。(ビニール製みたいな糸を歯の間に入れて歯垢を掻き出す)面倒なので土曜日の夜にしかしない。歯科衛生士さんの言葉はなかったことにして、週一のフロスで過ごしていた。


 そして三ヶ月後。定期治療を受けに行った時、椅子を倒しながら歯科衛生士さんが「フロスの頻度は週一ですか?」と尋ねてきた。

『フロスの頻度を増やすとか歯のケアにも力入れてみて下さいね』

 三ヶ月前の言葉が蘇るもフロスの頻度は増やしていないから正直に「はい」と答えた。でも、歯科衛生士さんのアドバイスを無視した自分が急に恥ずかしくなって、

「今日、フロス買って帰ります」

 と言っていた。何をいい子ぶろうとしているのか……


 そもそも歯科衛生士さん自身、毎日いろんな患者さんに接するのだから、私に『フロスの頻度を増やすとか』って三ヶ月前に言ったことを覚えていないかもしれない。

 目元をタオルで隠されながら、ぼんやり自分の気の小ささを思いつつ「開けてくださーい」と言われてぱかっと口を開いた。

読んでいただき、ありがとうございました。

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