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第一章 - 契約 -

僕はカトレア魔法学園に通う1年生、イベリス、16歳。

専攻は精霊魔法、現代ではエレメンタルフォースとも呼ばれている。

古代の精霊にまつわる「おとぎばなし」に興味を持ってカトレアを受験してみようと思った。


ここにはとても大きな図書館があり、それも目的のひとつだ。


この学園に入学するには四大精霊と契約する必要がある。

それが入学試験なんだけど・・


すなわち契約できなければ入学できない。


炎の精霊 サラマンダー

風の精霊 シルフィ

水の精霊 ウィンディーヌ

地の精霊 ノーム


精霊との契約には自分の持つエレメンタルマインドによって決まる。

エレメンタルマインドとは力の源であり、魔力、属性のようなもので契約前には知る術がない。

契約した精霊がサラマンダーなら炎の特性を「持っていた」ということになる。


契約した精霊は霊体化エレメンタルボディし、守護精霊ガーディアンと呼ばれ、契約者と共に成長してゆくようだ。


僕は風の精霊と契約しシルフィの加護を得た。


風の精霊シルフィと言っても姿は様々で、いわゆるピクシーの様な可愛らしい人型に羽根を持った姿もあれば動物、鳥や獣のようなガーディアンも存在する。


姿は契約者のエレメンタルマインドの性質で決まるらしい事は分かっているが、具体的には解明されていない。


僕はレアな獣型ガーディアンと無事、契約できた。



 【 校門前 】



カトレア魔法学園の校門には立派な石造があった。

入り口の両脇には、ややクセのある肩まで伸びた髪をした男性と、エルフだろうか。

特徴的な耳と腰まで伸びた長い髪をした女性の姿があった。


男性は魔導書のような本を開き持ち、女性は杖を掲げ持っていた。


「ん?あの指に光るのは指輪かな・・」

イベリスは女性の指に何やら光る指輪のようなモノを見つけ、不思議と惹きつけられたが、そのまま入学試験場へと足を運んで行った。






入学試験場は、白を基調に所々金色の装飾が品よくデザインされたお城のような校舎ではなく、

その裏手にある地下修練場だった。

その入り口は普段封印されているらしく、特別使用するときのみ解呪されるようだ。


イベリスはその地下修練場へ向かうため階段に足をかけると、一瞬空間がゆがむような現象が起きたが気にせず先に進んだ。


入学試験場には20名ほどの受験生がすでにいた。

学園教師とみられる人も数名、その内の1人が声をかけてきた。

「受験生はこちらへ」

「あ、はい。」

そう返事をし受験生たち方へ並んだ。

皆、緊張している様子はなかった。

それもそうか基本、書類選考で受かり、ここに来ている時点で素質が認められている。

精霊に拒否されることはほぼ無いと聞く。


地下修練場は意外と広く、50メートル四方はあるだろうか、もっとあるかもしれない。

真ん中には四大精霊の石造と魔法陣が書かれている。

修練場とは言っても今は召喚の儀式を行う場としてのみ使用しているらしい。



先ほどの女性教師が試験の説明を始め、そして試験が開始される。

「それでは最終試験を行います。イベリス君、前へ」


いきなり俺が呼ばれた、しょっぱな俺が1番かよしっ!

「ハイ!」

「イベリス君、召喚を開始してください。今回の召喚はこの四方の精霊像からの魔力供給により、術式は略式召喚で行います。」


いざ始めるとなると少し緊張するな、しかしやってやる!

「我が名はイベリス、精霊の加護を今ここに!!!」


そう告げると契約の魔法陣が、ボワっと鈍い白光を放ち、段々とそれは強く、光は緑色に変化していった。


魔法陣の強い光が、いくつも形成されながら頭上を越える高さまで浮かび上がり、次の瞬間!

光の柱となり、守護精霊を呼び出した。


「よし!!」


小さな獣のような姿だった。

狼のような姿ではあるが、炎が揺らめいているように毛足は長くモフモフだ。


カラダ全体は白を基調に毛先へ行くほど森のようなグリーンのグラデーションが綺麗だ。

そしてシッポがとてもフワフワで大きく可愛い!

契約と同時に名前を決める必要があった。

頭の中に直接問いかけるように、狼のような姿をした風の精霊シルフィはこう告げた。


「ワタシと契約したくば名を刻め」


「名前を付けなきゃいけないのか」

イベリスは困った様子で腕を組み、人差し指をトントンとたたきながら思案すると・・


「う~~~ん、、決めた!」

「ラナンキュラス、キミの名はラナンキュラスだ!」

花言葉で魅力を意味するラナンキュラス、モフモフで愛らしい姿にぴったりだ。


そう告げると目の前の精霊は閉じた瞳を静かに開き、僕を力強く見つめた。

その瞳は緑色からスッと黄金に変化していった・・。


「契約は完了です、ワタシの名はラナンキュラス」

今度は頭の中ではなく、その可愛らしくも力強い牙が見え隠れする口からの直接語られた。


そう伝えられると何かがスッと入り込む様な感覚と同時に、風のエレメンタルマインドが身体から溢れ出し、緑の風が渦巻きながら散った。


イベリスは今までは感じ取れていなかったエレメンタルマインド、魔力を今はしっかりと感じている。


「これは契約の力?」


ラナンキュラスはよく見る犬座りをし、こう答えた。

「そうです、ワタシと契約した事により魔力量が増えました。そしてお互いの魔力を共有し合うようになり感じ取れるいうになったのです。」


ラナンキュラスは続けてこう告げた。

「あなたが成長すれば、ワタシも成長し進化する事が出来ます。」

「進化?」

「ワタシたち精霊は契約者の成長と共にエンゲージレベルが上がります。エンゲージレベルとは契約の結びの強さと思ってください。」


「僕たちは一心同体と言うわけか、、、なるほど、うんうん!」


「よろしくラナンキュラス!」



こうしてイベリスは無事精霊と契約し、カトレア魔法学園での新たな生活が始まるのであった。



あったはず、なのだが・・・。



秋月らんです。


のんびりすぎる更新、申し訳ありません!

偶然目にしてくれて、ひと目読んでくれた方がいればそれだけで感謝です。

今回のお話はエルフの王国内のお話ではありません、ま!お約束の序章といった感じでしょうか。


この後は欲望に任せつつ書いていこうと思っています。

お見苦しい点も数多くあるかとは思いますが、今後ともよろしくお願い致します。


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