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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:H】

傾国

作者: 日浦海里

どうして容易く信じるのでしょう

信頼に足り得るような事など

何一つとして与えてないのに


心にそっと囁くだけ

耳もと残る言葉を置くだけ

瞳を僅かに見つめ逸らすだけ


たったそれだけのことなのに

手のひら見せれば膝をつく

なんの面白味もない遊び


瞳を見れば

仕草を見れば

どこを向きたいか

何が知りたいか

どう在りたいか

何を望むか

自ずと全て見えてくるもの


このまま私が手を振り上げて

目前目掛けて振り下ろしたなら

これらはみんな一様にして

ただまっすぐに進むのかしら


それは少し興味深くて

それは少し面白そうで

けれど先は見えてしまうから

この手を振ることはないでしょう


あぁ、でも、そうね

どうせなら

この手を掲げて落ちないものを

堕とすために振り下ろすなら

少しは楽しめるかもしれない


そんな相手がいればいいわね

好奇心は猫をも

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルでイメージしたその女性が、たおやかに語る言葉が伝わってくるようでした。 あとがきがまた、すごく良いですね。言葉が多くないのに、インパクト抜群で。 国を傾けてしまう程の、その魅力はきっ…
[一言] タイトルに引っ張られて読むと ああ、容易くもこんなカルト教祖みたいな女に靡いて国は滅ぶのか…… と、妙なリアルさに今日の日本を重ねて哀しくも思えてきます。 読みに託け警告の意を込めて置きたい…
[一言]  人心を読むことができるからこそ掴むことができる。  同時に、読むことができるからこそ掴んだものは既知のものでしかなく。  満たされない憧れが垣間見えるような気がしました。
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