負けるとしても果敢に挑もうとするアツジ
勉強もひと段落ついて、僕と菜々子さんは付き合ったことを図書館の女神様事、光さんに報告をしに図書館に向かった。
図書館の窓から光さんは図書館の司書を賢明に勤めている。
僕と菜々子さんが手を振ると、図書館の女神様事、光さんは笑顔で僕たちを歓迎してくれた。
図書館の中に入り、僕と菜々子さんは光さんの元へと駆け寄った。
「光さん」
「どうしたの二人そろって、私に会いに来るなんて」
「実は光さんに報告がありまして」
「菜々子ちゃんとアツジ君が付き合った事を報告しに来たんでしょ」
そこで菜々子さんは「よく分かりましたね」
「だって、菜々子ちゃんアツジ君に一目惚れしていたからそうなるんじゃないかな~って思っていたから」
「そんな一目惚れなんて・・・」
菜々子さんは視線を泳がしている。
ここで大きな発見が生まれた。
菜々子さんは嘘をつくとき視線を泳がせる事を。
「アツジ君、菜々子ちゃんをお願いね。もし菜々子ちゃんを泣かせるような事をしたら私が許さないからね」
「ごもっともです」
「よろしい。そろそろ私もお昼休みだから、いつものパンでも食べながら語り合わない?」
「「喜んで」」
僕と菜々子さんの言葉がハモった。
菜々子さんを見ると、威圧的な視線を僕に一瞬送り、すぐに笑ってくれた。
菜々子さんの素敵な笑顔を見ると、なぜか幸せな気分になってしまう。
いつものようにパン屋で働く敬子さんの店に行き、失敗したパンをもらいに行く。
「いつも悪いね敬子」
「まあ、あんたには借りがあるからね」
借りって何だろう?気になるが、ふれてはいけないものだと感じてあえて聞かなかった。
図書館に隣接する公園のベンチの上で、僕たちは陽気な日差しを浴びながら敬子さんから貰ったパンを食べた。
ベンチでは菜々子さんを挟んで語り合いながら、パンを食した。
「まあ、私はこうなる事は分かっていたよ。菜々子ちゃんがあっ君と出会った時から」
「どうしてそんな事が分かるんです?」
「菜々子ちゃんがあっ君を見たときに目がハートマークになっていたからね」
「なっていませんよ」
「またまた照れちゃって」
「だいたい光さんのたとえが気味悪いんですよ」
「そうかな?」
「そうですよ」
そんなささやかで平和な会話をしている時だった。
「おー木之元じゃないかよ。何女連れてはしゃいでいるんだよ」
早速最悪な奴が現れた。
学校で僕をいじめる連中だ。三人いる。
情けないことに僕は何も言い返せずに、黙っていた。
「おい、木之元、学校休んで女の子とデートかよ」
僕は最大限の勇気を振り絞って、「お前等には関係ないことだろ」
すると小柳は僕の顔面を殴りつけて来た。
「女の前だからってカッコつけるなよ」
そこで光さんは「ちょっとあなた達、弱い者いじめはやめなさいよ」
すると小柳は光さんの頬を思い切り叩いた。
「女だからって手加減してもらえるとでも思ったのかよ。アンパンマンより甘い女だよな」
「てめえ、小柳」
僕は光さんがやられたことにいてもたっても入られずに、果敢に立ち向かったが、相手は三人で僕はそのままリンチされてしまった。
そこで菜々子さんが「ちょっとやめなさいよあなた達」と訴えたが、「お前もこの女の用になりたいか?」「舐めないでよね」と菜々子さんも果敢に立ち向かった。しかし女の力ではとうていかなわず、菜々子さんに顔面にパンチを喰らってしまった。
許せない。もっと僕に力があれば・・・。
薄れ行く意識の中で僕は思った。
僕に暴力を振るうのはかまわないがか弱い女性である光さんや菜々子さんに暴力を振るうなんて、最低な輩だと思った。
こいつら人間じゃないよ。
弱いものいじめがそんなに楽しいか?
人が傷ついているのに、天使のような微笑みを浮かべながら、僕を罵倒して・・・。
すると小柳が「こいつら犯さない?」
「それはまずいんじゃないですか小柳さん」
「良いんだよ、俺たちに逆らった罰を与えなくてはな」
「やめろーーー」
と僕は叫んだ。
すると小柳は倒れ込んだ僕の鳩尾に思い切りけりを喰らわせた。
「女の前だからってカッコつけるのはやめろよ。木之元君よ」
鳩尾にもだえて立つことも喋ることも出来なかった。
小柳が「おう、女達を公衆便所に運べ」
そこで菜々子さんと光さんが反撃に出たが、二人に腹部を殴られて、気絶してしまった。
これは悪夢か?
すると通り係の警察が僕達の前に現れた。
「何をしているのかね君達は」
僕達の前まで駆け寄るお巡りさん。
そこで小柳が「この人達、気分が悪そうなのでトイレに行かせようとしていました」と嘘をつく。
「嘘をつけ、三人係で女男を含めた三人に暴行を加えていたのだろう!」
「俺たちは何もしていませんよ。こいつらが気分悪そうなのでトイレに行かせようとしたんですよ」
それでも嘘をつく小柳に「お巡りさん。そいつの言っていることは嘘です。僕達を暴行して、その人達をトイレにつれて犯そうとしていたんですよ」
「嘘つくんじゃねえよ」
と倒れた僕にけりを加える小柳。
「君署まで同行して貰おうか!」
「俺は何もしていないよ。信じてくださいよお巡りさん」
「言い訳だったら署で聞く」
と小柳の腕を掴む。
「お巡りさん、俺を信じてくれないととんでもないことになりますよ」
そうだった。こいつの父親は市議会委員の権力者だった。今まで無茶してもすべての事件をもみ消して来たのだった。
このままだと僕達に暴力を加えて襲いそうにしたのをもみ消されてしまう。
どうすれば良いんだ。
とりあえず気絶した光さんと菜々子さんを病院に連れていき。僕は真実を伝えようと警察署まで小柳達と行くことになった。
僕と小柳とその他の二人はそろって別々の部屋に連れて行かれて、僕は証言する。
「僕達はあの三人に暴力を喰らい、さらに光さんと菜々子さんをレイプしようとしたんです」
「あの様子だと。そんな感じがしたな」
「信じてください。そしてあの三人に法の裁きを与えて下さい」
「任せて置きなさい。我々は警察官だ。君の証言を信じるよ」
僕はそれを聞いてほっとした。
「それよりも君そのコメカミの傷はどうしたの?」
「あいつ等に殴られました」
「後は我々警察官に任せて、君も病院に行きなさい」
「はい」
と話はここまでだった。
僕の怪我は大したことはないが、二人は大けがをしている。早く病院に行って二人が命に別状はないことを祈りながら、僕は病院へと走っていった。
「光さん菜々子さん待っていて。僕には何も出来ないけれど、僕は二人の安否を確かめることしか出来ないけれど、待っていて」
僕は病院まで走って向かった。
病院にたどり着くと、光さんと菜々子さんは大した怪我ではなく、意識もちゃんとしている。
「光さん。菜々子さん。良かった」
二人を抱きしめる。
そこで光さんが「私達を守ろうとしてくれたあっ君カッコ良かったね菜々子ちゃん」
「うん。自分の危険も省みずに、立ち向かっていったあっ君はカッコ良かったよ」
「カッコ良くなんかないよ。僕はぼろ雑巾のようにやられて、それに二人を守ることが出来なかった。僕は最低な人間だ」
「そんな事はないよ」
と菜々子さんが立ち上がり、僕のおでこにキスをした。
「私あの時のあっ君を見たときほれぼれしちゃったよ」
と光さんも僕のおでこにキスをした。
「ちょっと光さん。あっ君は私の彼氏なんですけれど」
「分かっているよ。これは私からのささやかなプレゼントだと思って、やり過ごしてくれたらと思って」
あんな暴力を加えられながらも元気そうな二人を見て、僕は安心した。




