お前ら全員可愛いくせに!!
ここは、ハーフマサラ村。
見渡す限りの青空と白い雲。
住んでる奴らは、みんな優しくていい奴が多い。
誰か知らんが、すげー頭良い奴がキシャというものを作ってからというもの、隣町に行くのも便利になって、行こうと思えばメインタウンまで行ける。
キシャのおかげで、過疎化してた村も、今ではすっかりにぎわっていて、いつもこどもたちの笑い声が聞こえてくる。
俺は、この村で科学者ってのをやってる。
科学者って言っても自称になっちゃってるけどなw
世界には、不思議なことがたくさんあって、その不思議の謎を解いて少しでも世界の構造を知りたいって思ってる。
思ってるんだけど、俺の村はそこまで学がある奴がいねーし、図書館の本も数が少ねーから、独学ってやつだな。毎日、毎日失敗繰り返して、たまに家が大惨事になることもある。だから、村の人からは変な目で見られてるけど、そんなこと知ったこっちゃねー。
科学者ってのは、そういうもんだ。
って、思うことにしている。
だって、
だって、俺が科学者をやってる本当の理由は
「やっほー!護!研究の方は調子どう??」
こいつがいるからだ。
こいつの名前は愛奈。
俺の幼馴染で、家が近いもんだからしょっちゅうこんな感じで遊びに来る。
「調子どう?って、見りゃわかんだろ。」じろりと愛奈の方を見てやると
「はははー。今日も進展なし!っと…」苦笑いを浮かべて、愛奈は頭を掻いていた。
愛奈は、こういっちゃあなんだが、この村で一番と言っていい程可愛い。
身長は、小さく華奢であるのにも関わらず、大事な部位はしっかり出てらっしゃる。
薄い桜色の髪を肩下まで伸ばしていて、愛嬌も良い。
当然、村の若い男達は愛奈にメロメロで、ファンクラブまであるって噂だ。
そんな、美少女の愛奈様が、自分で言うのも癪だが、変わり者の俺の所に最近毎日来るもんだから
家の外に出ると、そこら中から殺気を感じる…俺、長生きしたいなあ…
でも、愛奈が俺のところに毎日来るのはちゃんと理由あってのことなんだ。
それを村の男共に言ってやりたいが、言えねぇんだよなあ…言った瞬間、俺の寿命はこの美少女の手によって絶たれるのだから。
「ってか、その…身体の調子はどうだ?少しは慣れたか?」いつの間にか散らかっている部屋の片付けを始めていた愛奈に聞いてみると
「んー。まだ違和感があるけど最初よりはちょっとだけ慣れたかなー? あ!護が教えてくれた通りにしたらだいぶ動かなくなって楽になったよ!ありがとね☆」
「そりゃあ、よかったな。まあ普通女にはわからねーかんな笑」そうやって俺が言うと、愛奈が顔を真っ赤にして、「護の馬鹿!!意識しないようにしてるんだから、そういうこと言わないで!」と言いながら、空になった瓶が顔面目掛けて飛んできた。…うん。気をつけよう。
そろそろ、お気づきの方もいるのではないだろうか?
愛奈の身体に何が起こっているのか。
ってことで、事件の発端は1週間前の、それはそれは良い天気に恵まれた日のことでした。