八話目です。“どー足掻いたって母上です。”
その後こうなった経緯を重三さんに話してもらいました。
(が!
話の内容がこの序盤にじぇ〜んじぇんアワナ〜イため
「省!」
「略!」
しやす)
僕には全然理解できなかった。
ただ金剛は崖っぷちらしい。
(火サス、火サス〜)
「……しげっちの話じゃ難しすぎるわよね〜。
よ〜するにゴンちゃんがうまくやってくれれば、
こんちゃんはどっか別の世界に飛ばされずにすむってこ〜と」
簡潔にまとめてくれてありがとうございます。
静絵さん。
ああ……
にこやかなあなたは、
ほんっと女神さまみたいだ。
…………つーか本物か。
そういえば、
…………あのぉ……
ずっと聞きたかったことがあるんですけど……。
「ほう。
何かな?」
僕、
ずっとこの姿ですか?
やっぱり……?
「そうなれば我々としても楽なのだが、
犬としてのそなたが居なくなれば悲しむ者もおろう。
大変かもしれんが、
人と犬。
ふたつをかけもちしてもらいたい」
…………無理っしょ。
「もちろん、
我々は出来る限り、
そなたの生活を支援する。
心おきなく任務を全うしてもらいたい」
「そうそう。
私たち三人がいればできないことはないんだから。
……できれば白紗音にも来てもらいたかったけどね。」
ハクサネ?
…
………それって食べ物?
「残念ながらゴンちゃんはずれ〜。
白紗音はね、
こんちゃんのお姉さんなの。
なんかいろいろ忙しいみたいでね〜。
私も行きたい!
行きたい〜!
って言ってたけど……
多分、
来るの無理かな」
金剛の姉……
ということは静絵さんの娘。
……妙な違和感が…………。
「それはね。
‘しずちゃんの娘’じゃなくって、
‘しずちゃんの妹’が正し……」
違います。
断じて、
違います。
もう嘘はいいですから。
「あ〜〜〜ん!
ゴンちゃんがいじめた〜〜〜!
しげっち〜〜〜!」
あ……
重三さんにすがり付いた……。
いや、
僕がいじめたって………。
ほんとだろうに…………。
「母さんや。
やっぱり無理があったのだよ」
(バシンッ)
うわ……
平手うち炸裂…………。
「こぉんのくずがっ!
(ひえ〜〜〜!)
…………あ〜〜〜ん!
もう私の味方はこんちゃんだけ〜〜〜!」
静絵さんは奥の部屋へと行きました。
……静絵さん、
コワっ!
「………………。」
(重三さん。今のちょっと効いたっぽい)
だ、
大丈夫ですか……?
「ま、
まあ何とか……。
それよりゴンよ。
違和感とはなにか?」
へっ?
あっあぁ〜〜〜。
……はくさね…………
そうだよ。
静絵さん。
その白紗音さんには普通に呼ぶんですね。
「そうだな。
むかしはさねちゃんと呼んでいたが、
白紗音がそれを嫌がってな」
だから普通に呼ぶようになった、
と。
「そうだ。
まあよくあることだ」
ふぅ〜ん。
「ゴン。
話を元に戻すが、
とりあえずそなたのこの先は心配しなくていい。
……が、
人である時ゴンの名だとまずい。
そこで
‘健太’と呼ばせてもらう。
異論はないな」
重三さん。
その提案、
突然すぎます。
僕はゴンのままでも別に……。
「人となり、
生活するとなるとな、
今のままでは様々な不都合が起きてしまう。
なるべく最小限に抑えておきたい。
そのために用意する必要があるのだ。
そなたの人としての名前やら家族やらそれ以外にも色々な」
不都合って何?
「うむ。
今のこの世界だと犬が人になる、
なぞ有り得ぬ。
あってはならぬことだ。
世界の大部分をにぎる
‘人間’たちに知られたら、
恐らく混乱とよぶくらいの程度では済まなくなる。
そんなことが起こらぬよう、
そなたにはできる限り人に近い環境の中過ごしてもらう」
んなめんどいことやらなきゃいいのに……。
「私たちもここまでの不条理はしたくはない。
だがな。
仕事なのだ。
先ほど理由も説明したであろう」
すみません。
全然理解できませんでした。
こーしがどーとか。
さっぱり。
ただやらなきゃ金剛がやばいってぐらいで……。
「うぅむ……。
やはり少し難しかったか。
……いずれ理解できる日が来ようぞ」
……神にも事情があるんですね。
「そうだ。
大変なのだよ。
…………で、
どうかね。
健太でいいかな?
それとも別の名のほうがいいかね」
いえ。
健太でいいです。
なんかシンプルで。
「そうかそうか。
よし、
次は姓なのだが、
今思いついた。
‘犬岸’でどうかね」
いいですね〜。
なんとなく。
「そうだろうそうだろう。
そなたとギリギリの金剛。
健やかに根太く生き、
過ごせるようにと。
ぴったりではないか」
無理やり感は否めないけど…………
“犬岸 健太”
…………悪くないと思う。
僕の名前が決まったところでシメを告げる音が。
(バシーン)
金剛も食らっちゃたみたいだね。
あの平手打ち。
「こぉんのくそがっ!……あ〜〜〜ん!もうさねちゃんのとこ帰る!」
静絵さん怖い……。