三十話目だ。“<Another>寝込みに襲撃”
それは、
私が心地よい眠りに付いている頃だった。
「…………い!………き…………!」
なんだ?
騒がしい……。
「お……!……起き…………!」
起きろ、だと?
誰だ?
我の眠りを妨げる者は。
「おい!!金剛いい加減起きろ!!」
なっ!?
その声は、
もしや……。
いや、
だったら尚更起きるわけには、
<ビシッ!!>
「痛ぁーー!!」
「ふん、
ようやく起きたか」
くっ……
私の足を蹴飛ばした主はやはり、
「……蝉零か。
お前なんかお呼びでな……
痛ぁーーー!!」
またも太ももが、
痛みで悲鳴を上げる。
「ターゲットを野放しにして、
金剛はお昼寝か……。
今、
お前がどういう状況に、
置かれているのかわかってるのか」
「それはだな。
電じいが……
痛!!
踏むな!!
まだ何も話してないだろう!!」
「電髪天のせいにするとは、
最低だな。
………。
まあいい。
これからは私も、
この任務に参加することになったからな」
くっ……
とうとう来てしまったのか。
「お前なんか必要な……
ぶべッ!!」
蝉零の拳が私の頬に、
クリティカルヒットした。
「その先を言うならば、
この程度では済まさんぞ」
くそ……
だからこいつは嫌なんだ。
「さて、
金剛の様子も見れたことだし、
次は静絵さんの所でも行くかな」
ああ!!
とっとと行け!!
ふう、
やっと天敵がどっか行く……。
な、
止まった?
「……金剛も一緒に行かないか?」
「だ〜れが行くか馬鹿!!」
<ダダダダダ…………ズドン!!>
(ライダーキック、
炸裂でございやす)
ぐう……。
腰が痛む……。
さて、
起きてしまったことだし、
健太君の様子でも見に行くか。
「たしか、
あの部屋に居るはずだったな」
「もう、
ここには居らんぞ」
「何!?」
「今は静絵さんと一緒に居る筈だ。
ふふ……
どうだ行く気になったか」
「……任せた!!」
「この……
わからずや!!」
「ぐへえ……!!」
「ほら!!
来い!!!!」
……力ではとても敵わん。
大人しく行くか。
――――
金剛。
蝉零と共に静絵さんの元へ、
強制連行……。
電じいは……。
「……ぶ、ぶ……zzz……」
未だゴンの姿で熟睡中。
「あれ!?
ゴン今、
ぶ、って言った!?」
「……zzz」
「気のせいか……」
美樹もその場に居たのだが、
見えないため気付かないわけで……。