表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/65

二十三話目。“黄色い弾丸”

 五体満足の彼氏を持つ女性諸君。


 絶対、

 真似しないように!!!


 それでもやってみたいのなら、

 きちんと安全を確認してから行うように。

 で、出たねー……。



 僕の目の前にたたずむ、

 巨大で邪悪なオーラに包まれた謎の箱。



 今、開かれる……。















 何段あんの……?















「ダーリンお待ちかねっ!


 わったしの作ったおべんとー!


 たーんと召し上がれ!!」




 こ、恐いので。


「ううん……」


 首を振ります振ります。




「ほーらっ!!


 謙遜しないで〜〜!!



 あっわかった!!」




 わかった?


 何がわかったと?



 白川さんの手によって、

 凶悪なる箱がくずされていく……。




 











 中から色取り取りの……。















 う、うまそうかも。















 白川さん、

 箸を手に取り、

 その中の一つの何やら黄色い塊を掴んだ。


 通称、‘卵焼き’ってやつ。




「ほら、

 あ〜〜〜〜〜〜〜〜ん」



 掴んだやつを僕の口に近付ける。


 きちんと左手を下に添えて、

 お上品に……

 ってなに言ってんのかね、

 ぼくは!!


 否定じゃ否定!!



「だ〜りん……。


 食べてくれないの……?」




 僕が食いそびれていると、

 何やら心配そうな眼差しをしてる。



 ぐぅ……。


 そんな目で見ないでくれぇ……。




「……たべる」




「きゃーーーーーーー!!!!!!


 <ぐえっ……>


 うれしーーーーーい!!!!!!


 ねえ!!!!?


 どう!?


 どう?どう?どう!!!??


 おいしい!!!??


 うまい!!!??


 デリシャス!!!??


 どれかな!!!??」



(絶対たる自信ですな……

 その問いは……)




 やむを得ないので、

 食べる、

 と言ってしまって、

 その瞬間に僕の口に卵焼きを

 ショッッッット!!!!

 して来た。


 僕の意思とは無関係に、

 卵焼き、

 バーストしてます。



 すべて、

 白川さんの、

 嵐の如き勢いのせい。




 ………。




 やば……。




 ツマッタ……。




<ばたっ……>




<ガチャ>

「カナりーん、

 犬岸くーん、

 お茶持って……

 きゃーーーー!!」




「みきやん!!!


 犬岸くん、

 私の卵焼きのあまりの美味しさに、

 卒倒しちゃった!!」




 薄れゆく意識の中、

 僕はこう思った。




 窒息のほうだったよ、

 金剛……。















 ああ……

 光輝く世界が僕を待ってる。














 ………。
















 あれは母さん……?















「ねえ!!?


 どーしよ!?


 みきやん!!?」




「と、とりあえず、

 喉に詰まらせただけだと思うから、

 それを取り除けば……」




「えーーーー?!!!



 じゃあ!!

 

 マウス・トゥー・マウスで吸い出してあげるしかないじゃない!!」




「いや、

 別に他にも……」




「あ〜〜〜

 ごめんね、

 ダーリン。



 こんな形で初キッスなんて……。



 でも迷ってられないわ!!!



 今すぐ助けだしてあげ……」




「ゴハッ……ゴホッゴホッゴホッ」



 良かった……。


 どうやら僕、

 まだ生きてていいらしいよ。



 ごめんね、

 母さん。



 

「な〜んだ……。


 ざんねん」




 ぬえ?!!


 なんで?!!


 いや、

 やっぱり!!?



 やっぱ、

 殺そうとしてたって事!!?
















 近いうち、

 また会いに行くと思うよ。


 母さん……。




 用意周到ですな。

 白川さん。

 なぜでしょな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ