十一話目だ。“ゴッドねーちゃん”
さっすがGW。時間が有り余りやす。
(日にちはまた三話目と同じになり、
一月十一日の水曜日やん)
僕と金剛はぽぽぽんに着いて、
もうずいぶん経つのだが……。
「もう昼過ぎか……」
金剛は時計を見て、
ポツリと呟く。
ポテチを片手に、
肘を着きながら、
テレビを観賞……
その格好はご主人さまの母上がよくする体勢だ。
向かいに座る静絵さんは両肘をテーブルにつき、
顔を手にのせ、
流し目っぽい感じでテレビを一緒に見てた。
「こんちゃん。……いつまでその姿なの?」
(第二話参照の事)
ようやく金剛のダッさい服装につっ込んだ。
普通、
見た瞬間言いたくなるよね。
「ああ、これ。
最近の流行、
最先端」
(…なわけあるかあーー!)
そして、
静絵さん真に受ける訳で……
「へえ〜。
じゃあわたしも明日、
この格好で行こうかしら?
ね。
けんちゃん」
絶対拒否、
断固拒否。
無限拒否!!
そして僕は一生懸命、
否定を示すため、
顔をハイスピードでブンブン横に振った。
「ん〜。
やっぱりわたしには似合わないかぁ……」
……ん?
明日?
……そうだよ!!
こんな事してる場合じゃない!!
なあ!
本当にあれだけでいいの?!
「何度言えばわかる。
心配ない。
それだけで十分だ。
だったら今練習してみるか?」
僕と金剛・静絵コンビの間には物凄い温度差があった。
「じゃ〜こんちゃん!
3・2・1・キュー!」
カウントする際、
手振りまで付けて。
「……ど…うも………いぬぎ……しゅ……です」
「バッチリ!!」「バッチリ!!」
二人、
息ピッタリ、
グーのタイミングもバッチシ!
さすがは親子だね〜……
……ってちっが〜〜う!!
「ん?
なんでだ?
昨日より全然いいじゃないか」
静絵さんも頷いて、
「そうだよ〜!
あっでも厳しく言えば、
‘し’のとこ。
イマイチかな〜」
そーゆー問題じゃなくて!
僕これだけしか練習してないよ!
まだ全然喋れないじゃん!!
いいの!?
ほんとに!?
「急ぐ必要はない。
大丈夫。
心配するな。
私のいう通り、
動けばよい」
「そうそう。
問題ない。ない」
ここで金剛が時計をみて、
そろそろ僕が帰るべき時刻であることに気付く。
(さっきとそんな経ってないじゃん。
シビアだね〜〜)
「おっ!
もうこんな時間か!
もう戻らねばな!
ねーちゃん、
ぽてちありがとう!」
更に一言。
「明日はよろしく!」
静絵さんは胸をポーンっと一回叩き、
「任せなさいって!!」
……ハア……
……恐いなぁ……。
「ほら!
行くぞ!
健太君!」
(バシッ)
帰り際、金剛が僕の頭をはたく。
ぬああぁぁ……
……ってもう慣れたよ。
人から犬へ変身完了……。
いつもだったら怒るんだけど、
ダメだ。
完全、
気が滅入ってる。
「しゃきっとしろ!
健太よ!
ははははは!!」
どんどん調子をこいてく……。
めんどいけど…………。
…………噛むか。
(ガブッ)
「ぎゃああああ!!
すいません!
すいませんーーー!」
明日か……。
“学校”……。
ハア……。
(次回!
決戦の地!
滝水中で波乱の幕開け!?)
「うふ。
明日は何着て行こっかな〜〜。
こんちゃんのもアリよね〜」
(……静絵さん。
ボススタイルは止めて下さい)
「えっ?
ダメ?
これにしよ〜と思ってたのに……」
(なぬっ!?)
(……危なかった。)