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ある皇太子の逡巡  作者: ねぎまんぢう
第2章 14歳編
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第14話 ある令嬢の狩猟









「ふんふんふ~ん♪」



「空の上も慣れるといいもんですねー」



殿下の召喚獣であるシャチの背に乗り西側山脈を目指すこと5日。

もう山脈は目の前です!


でも私が上機嫌なのは目的地が近いからではありません。


私の後ろに乗るユーリカが勘違いしているような、空の旅が気に入ったからでもありません。




それは…。




ここのところ毎日殿下のにおいを嗅げているから!です!




野営の時は洗濯物の管理が甘くなっていて良いですね!

野営大好きです!



帝都にいる時は洗濯物は放置されることなく即座に洗濯室に送られてしまいますし、侍女たちの目も多くてなかなかありつけないんですけれど。



それに貴族令嬢の立場もありますから、毎回殿下のお忍びについて行くこともできませんでしたし…チャンスがあれば必ず殿下について行ってましたけどね。


殿下の後をつけ…じゃなくて、ついて行くことはだいぶ上達しました。

特殊部隊の長官様にもお墨付きをいただけるくらいに。




「ララ~♪ ラ~ラ~ラ~ララ~♪」


「カチカチッ♪ キュィ~ィ~♪ カチカチ♪」



私の楽しい気持ちが伝わったのか、騎乗しているシャチが鳴き声で合いの手を入れてくれます。

シャチって馬よりも頭がいいのかもしれません。

殿下が仰るにはシャチは遊び好きとのこと。この飛行もシャチにとっては楽しい遊びなのでしょうね。

…シャチに本気でじゃれられると人の手足なんか簡単に食いちぎられてしまうとも聞きましたけど。

































そして到着したのは西側山脈に一番近い集落で、ここを越えるともう人里は無いとのこと。



セシルさんの説明では、集落と言っても数名の猟師が小屋を建てて拠点としているだけらしい。



旧都で新しく隊員に加わったセシルさんは短い黒髪の若い騎士。

眠たそうにも見えるタレ目がちょっとセクシーですわね。

ま、殿下の足元にも及びませんけどね。




以前立ち寄った村と同じように実働班の隊員が猟師たちの顔役との面会の話をつけ、殿下と面会する運びとなりました。

まだ日は高いけど、今からでは西側山脈に着くころには夜になってしまうので、早めに野営をすることになったのです。













「あれまー!誰が尋ねてきたかと思えば貴族様かネー!こんな辺鄙なとこに貴族様がおいでになるなんてどういうことかネー」



現れたのは腰の曲がったかなり高齢に見えるお爺さん。

独特のイントネーションでお話になられるのね。


「この辺は貴族様が喜ぶようなとこないヨー?」



お爺さんの小屋は何人も入れるほどスペースがないそうなので、小屋の前での面会となりました。


「ちと理由があってな、西側山脈へ行くのだ。貴方はあのあたりでも狩猟したりするのかな?」


「うーン…ふもとまでなら若いころに何回か足を延ばしたことあるけどネー。あそこは強力な魔物いるネ。だから獲物になるような動物が寄り付かないネ。狩場としてのうまみは薄いヨ」


「ふむ、なるほど。ところで我々はこのあたりで野営をしたいのだが問題ないかな?」


「わしらは構わんヨ。水はここからチョト南に行ったところに小さな湖あるネ、そこ使うといいけど、あまり汚さないでネ」


「心得た。湖があるということは水鳥が飛来したりするのかな?少し狩ってもよろしいか?」


「あー、あすこはゲルグの息子ソルの狩場だネ。ここじゃ他人の狩場で狩りをするときは獲物の半分を納めるしきたりあるケド、それ守るなら良いヨ」


「おお、それはありがたい!そのしきたり、必ず守ると誓おう」











△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽


















「わー!素敵なところですわね!」


「水が綺麗さー!」


「うう…。淡水じゃなきゃ泳げたんですけど」


「僕もここまで来たのは初めてですが、なかなかに風光明媚ですね」




湖はとても水が綺麗で空気も澄んでいます。

野営の準備がなければ景色を見ながら野駆けに出たいくらいですわ。


湖に吹くさわやかな風、遠くに見える西側山脈…そこに佇む麗しき殿下。

ああ…、絵になりますわ!














「へぇ~ これがネルソン様の好物の干し海藻のスープですか」


「そうですわ。これをベースに具を入れて…」



炊き出しのスープをセシルさんと作っていると、殿下と一人の魔導師の方、そして見知らぬ子供?がやってきました。

魔導師の方が持っているカバン、アレってもしかして。




「セシル!野営の準備中にすまないが、訓練をしてもらうぞ。いい機会が巡ってきたのでな」


「は、はい!」



「まずは紹介しておこう。この魔導師は技術班長のロッペン。何度か顔は見ているだろう?」


「あ、はい。いつも技術談義をしてらっしゃる…」


ロッペンさんは普段は無口な方ですが、技術的な話になると饒舌になる方ですわね。

お父上のマルトル子爵とは社交界では顔見知りですけど、顔は似ておられるのに性格は真逆ですのね。マルトル子爵はおしゃべりな方ですから。

属性はたしか土でしたわ。


「そしてこちらはこの湖周辺を狩場としている猟師のソルだ」


「ゲルグの息子ソルだ。都会人が本当に狩りなんかできるのか?」



ちょっと生意気な物言いですが、まだ10歳くらいかしら?

獣から剥いだそのままの毛皮を外套にして羽織ってる。


殿下もあのくらいの年の頃は愛らしかったわぁ~♪

今の凛々しいお顔ももちろん大好きですけれどね。

もし殿下と私の間に子ができたら、きっとあの頃の殿下のように愛らしい子になるのかしら…あらいけない、ヨダレが。




「ずいぶんお若いようだけど、一端(いっぱし)の狩人なんですのよね?」


生意気な感じだったのでついちょっと意地悪な言い方をしてしまいましたわ。



「むー…。確かにこの湖の狩場は集落からも近いし水鳥がよく飛来するから、狩人見習いに当てられる狩場だけど…都会人よりはうまいぞ!」


まぁ、頬を膨らませてカワイイこと。

あの頃の殿下はいつも自信に満ちた微笑みをなさっていたからこういうお顔はされませんでしたわね。

あの頃の殿下がこんなお顔をなされていたらと想像すると…あらいけない、ヨダレが。





「先日のゴブリン退治で剣技を見せてもらってから思いついたことがあってな。ある兵器を試してもらう。適性があるようならこれをセシルの担当兵器にするので心してかかるように」



「はっ!」



「ではロッペン」


「はっ。では組み立てながら説明いたします。これは『ライフル』と呼ばれるタイプのジュウで、帝国式狙撃ジュウと呼称します」


そう言いながらロッペンさんはカバンから何本かの筒を取り出し、つなげてゆきました。


「ジュウ!?へぇぇ、これがジュウですか…飛んでいる召喚獣も攻撃できるという」


「なんだ、どこからか聞いていたのか。それも機密だから気を付けるように」


「は、はい。申し訳ありません!以後気を付けます」


一瞬全員の視線が唯一の部外者のソル君に注がれましたが、ソル君自身はキョトンとしていました。

ああ、このキョトン顔を殿下がしていたr(以下略)




「この撃鉄で弾の底部に取り付けられた火魔石を打ち砕き、爆発(エクスプロード)の魔法をわざと暴走させます。その爆発力と風魔石の圧縮空気、火魔石の火属性フィールドと合わせて弾が射出されます。そしてこの筒の内側に彫られた溝により射出された弾が回転して推進力、弾道安定、貫通力を得ます。そしてこれが弾です。これをマガジンに…」



ロッペンさんがジュウの説明をしながら組み立ててゆくと、ソル君の身長より少し短いくらいの長い筒になりました。




「こ、これもやはり書面に残すことを許されていないんですよね?」


「うむ。当然だな。少なくとも狙撃銃が騎士団に正式採用になるまではな」


セシルさんは笑顔をひきつらせながら質問しましたが、殿下にそう答えられてがっくり肩を落としました。


このジュウ…帝国式狙撃ジュウは魔導兵器の開発が始まった当初から基礎理論は出来上がっていたのですが、なかなか使いこなせる者がいなくて長い間そのままにされていた兵器です。


私も一度試してみたのですが、全く的を打ち抜けませんでした。

拳ジュウは結構いい線いってたと思うんですが、狙撃ジュウは全く勝手が違いましたし。




「ネルソン様!セシルさんが狙撃をするなら私、観測手やりますわ!」


遠くから殿下(ターゲット)を発見するのは得意ですもの!

それに、殿下にいいところを少しでも見せませんと!



「ユーリカ!料理当番交代なさい!」


「ふえっ!?」


ちょうど焚き木ひろいから戻ってきたユーリカが通りかかったことですし。









△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽














「なあなあ、水鳥を狩るんじゃなかったのか?」



準備に結構な時間を要したので、ソル君は飽きちゃったみたいですわね。



「銃床を肩にあてて…肩の上じゃなくて、そうそう」


観測手をかってでたらセシルさんに狙撃を教えることになってしまいました。

確かにロッペンさんは理論が先行してしまうから初めての方に説明するには向いてませんのですけど。


「なーなー、弓の用意しなくていいのか?日が暮れちまうぞ」


「もうちょっと待っててくださいな。セシルさん、そこの遠眼鏡(スコープ)を覗いて」


「…うわっ!なんですかこれ!変な感じ」


「それは遠くの景色が大きく見えているんです。ゆっくり左右に振って、遠眼鏡(スコープ)の十字をあの一番手前の木の幹に合わせて」


「えーっと…合わせました」


「では体を固定して、引き金を引いてください」





パスン!




「わっ!?」


セシルさんは衝撃に驚いたみたい。

でも、夏砦の訓練場で私が試験した時より発射音が小さいですわね?




「新型サイレンサー機構はうまく作動しているようだな」


「はい。複数の風魔石による多干渉フィールドを用いました。それと消炎器(フラッシュサプレッサー)に水魔石によるアンチフィールドを施しましたので、その影響もあるかと」



私たちの後ろで殿下とロッペンさんが話しているのが耳に入りました。

なるほど、使い手が見つからなくても改良は進んでいたのですね。





私専用の双眼鏡でセシルさんが狙撃した木を見てみましょう。

ちなみにこの双眼鏡、遠くからでも殿下のお顔を見られるようにユーリカに無理や…ゲフンゲフン、お願いして作ってもらった特注品ですの。

殿下をイメージした金細工とサファイアを…って、今は双眼鏡のことはいいんでしたわ。






「!!! あ、当たっていますわ!」


初めて撃ったのに命中するなんて!

これはもしかするともしかしますわね。



「セシルさん、もう一度遠眼鏡(スコープ)で木を見てください」


「はい。…あ、傷がついてる」


「その傷、セシルさんが狙ったところと同じ位置ですか?」


「えーと、いえ、もうちょっと上を狙いました」


「では遠眼鏡(スコープ)を微調整しましょう。ここのネジを回して…」












△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽











「準備できましたわ!」




って、ソル君うとうとしてますし。



「ソル君ソル君、狩りをしますわよ」



「ふぇ?やっとやるのか」








「ではセシルさん、いきますわよ。………風向き、左寄りの追い風。右方向、2時の方角、水辺に茶色い水鳥がいますわ」



「はい」





スパン!





「ヒット!次、そこからさらに右、3時方向」




バスン!




「ヒット!次、10時方向、湖対岸」





パスン!





「ミス!飛んで…」




スパン!




「嘘!?」





「どうした?フィーよ」


「飛んで逃げた鳥を撃ち落としましたわ!」


「何!?散弾でもないのにか!?」



「えっ?もしかして連続で撃ったらダメでしたか?」


セシルさんは撃った本人なのにこのすごさに気づきませんの!?

私と殿下、ロッペンさんは顔を見合わせてしまいました。



「いえ、それはいいんですのよ。…もうすこし狩りを続けましょうか」


















△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽














結局、飛んでいる雁を何羽か撃ち落としたことでまぐれではないことが証明されました。




「殿下、セシルさんは…」


「うむ…。まさかここまでとは…」


「えっ!?あれっ!?な、なにかダメでしたか?」



「ダメというか…ご都合主義すぎるというか…ちょっと引くレベルだな」


「ええ…私もこれはちょっと」


「論理的ではありませんが…」


「え?え?え?」






「狙撃の天才だな」「狙撃の天才ですわね」「狙撃の天才です」





「へっ?」







「何はともあれセシル、そなたの担当兵器は帝国式狙撃銃に決定した」



「あ、ありがとうございます?」



セシルさん自身はまだ展開についていけていないようですけど、おそらくこれから狙撃の訓練を重ねるうちに狙撃がどれだけ特殊な技能かわかることでしょう。




あ、そういえば狩りの獲物の半分はソル君に納めるんでしたわね。


「ソルく…」


「すっげーーーーーーーーーーーーー!」



ひゃあ!驚きましたわ!


「なあなあ!なんで弓も矢も使わずに鳥が落とせるんだ!?なあ!」



「え?いやあの、僕もよくわかってなくて…フィ、フィリア殿!」



ソル君に取りすがられて困惑するセシルさん。

でも私に水を向けないでいただきたいわ。

私も技術的な話には自信がないし、ソル君に分かりやすく説明なんてできませんし、それ以前に機密ですし。



「ソルよ。この銃、猟に使えそうか?」


「何言ってんだ!現に水鳥を何羽も仕留めてるじゃないか!」


「ふむ、では銃を持ってみてくれ。セシル」


「あ、はい」


殿下に指示され、セシルさんがジュウをソル君に渡しました。

兵器を子供に持たせてしまっていいのかしら?




「お、重いんだな意外と。くぬっ!ただの筒じゃないのか」


「ではこのスリングを肩にかけて背負ってみてくれ」


「ここか?んしょ…こうか?これなら運びやすいな。矢筒よりちょっと長いけど…俺ももっと背が伸びるからな!伸びたらもっとちゃんと背負えるぞ!」


「この状態で山野を駆け回れそうか?」


「平気だな!できるぞ!」


「そうかそうか」



「なあなあ!俺も撃ってみていいか?」


「ん?うーむ、やめといたほうがいいぞ」


「なんでだよ!いいじゃんか!」






「なぜなら…それ、弾1発金貨1枚するからな」




「ブフッ!?1発で、き、金貨1枚!?」



驚いて声を上げたのはセシルさんのほうでした。



「き、金貨かよ。俺、金貨なんて生まれてから一度も見たことないよ…」


ソル君のほうはしょんぼりと肩を落としてしまいました。




「銃弾には火魔石が使われているからな。威力を得られるほどの純度を求めるとどうしてもな」



「残念だな…。そんなお金ないもん…」





「そんなに気を落とさないでソル君。ほら、早く獲物を回収しないと獣に横取りされてしまいますわよ!」




「あ!そうだった!俺とってくる!はい!」





よかった。私にジュウを渡してソル君は元気に走ってゆきました。




「ネルソン様?ソル君にジュウを持たせたりしてよかったんですの?」




「…………コストダウンは急務だな、ロッペン」


「はっ。しかし現在の魔石鉱山の産出量では限界があります」




無視!?無視いただきましたわコレ!?


くぅぅ!し、心臓がわしづかみにされちゃう!





「…………」



セシルさんがものすごく悲しげに私を見てくるのはなぜかしら?










△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽










「タシギが3羽、雁が4羽、鴨が6羽の合計13羽だ!ジュウってすごいんだな!こんなに狩れるなら父ちゃんから犬借りてくれば良かった」


本当にすごいのはセシルさんなんですけど。

でもあんなに遠くまで走って獲物を回収しに行くソル君もなかなかすごいですわね。


「13羽じゃ半分に割れないですわね。こういう場合はどうするんですの?」


「さばいて肉にしてから分けるよ。でもジュウを見せてもらったから半端分はそっちにやるよ!」



「いや、ここはこうしよう」


そういうと殿下は懐から銀貨を2枚取り出してソル君に握らせました。


「これ、銀貨か?」


「うむ。タシギを1羽、買い取ろう。そうすれば半分にできるだろう?その金は大事に貯めるのだ。いつか銃を買えるようにな」



「本当か!?じゃあそうする!がんばって狩りしてお金貯めてジュウを買うよ!」


パッと笑顔を咲かせるソル君。

八重歯がカワイイ子供らしい笑顔ですわね!















「うむ。今日は狩場を貸してくれて感謝する」



「うん!じゃあな!」


獲物を入れた麻袋を担いで手を振りながら走り去るソル君。

周りはもう夕暮れが終わりかけて夜になりつつあります。






「ネルソン様、先ほどソル君に言っていた話ですけど、ジュウは一般に販売するおつもりですの?」


ソル君が帰った後、ネルソン様に尋ねてみました。



「ゆくゆくはな。ただし狩猟目的限定でだ」



「タシギ1羽銀貨2枚だとすると、ジュウ1丁買うのにタシギ3万羽、弾1発で50羽狩る必要がありますが」


ロッペンさんが現実的な注釈を入れてきましたけど。

弾1発で50羽狩らないとならないんじゃ採算も何もあったものじゃないですわね。






「…えっと、銀貨100枚で金貨1枚だから…ジュウ1丁金貨600枚!?」





ふらっ




「セシルさん?」


振り向くとセシルさんが地面にへたり込んでいました。


「どうなさったの?大丈夫?」


「い、いえ。ちょっと一瞬目の前が真っ暗になっただけですので」


「それはいけませんわね。きっと慣れない遠眼鏡(スコープ)を長時間覗いていたせいですわ」



「それはいかん。セシル、そなた今日は早めに休むがよい。ロッペン、哨戒のシフトを組み替えるように」


「はっ、承知いたしました」




「いえそんな!……お言葉に甘えさせていただきます。ご配慮頂きありがとうございます」



「そうそう、無理はいけませんわ。セシルさんの分の哨戒当番は私が代わりましょう」




ハンターチャァァァァァァァンス!!


今まではなんだかんだで侯爵令嬢だからと哨戒当番からは外されていたんですのよね。

これはまたとないチャンス!

洗濯籠の中をじっくり哨戒しなくては!




「フィー、哨戒を買って出るとは…少し見直したぞ」



!!!!!!!


で、殿下が私を褒めてくださるなんて!

ふわぁ~!天にも昇る気持ちですわ~!

















△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
























旅って最高ですわ~!




殿下に罵っていただけるし、褒めていただけるし、毎晩お宝にありつけますし!

移動はほぼ召喚獣に騎乗しているから疲れないし、言うことなしですわ。


昨夜はなんと!靴下までゲットしましたのよ!







「6日で旧都から西側山脈に到着するなんて…馬車なら2週間はかかりますから」


「召喚獣なら地形の影響を受けないからな」



そう、殿下とセシルさんの話している通り、私たちは6日目にして西側山脈のすそ野の森に到着していました。


いまは山脈へのアタック前のミーティングを行っています。

メンバーは殿下、フィン様、私、ユーリカ、実働班長、技術班長、兵站班長、セシルさんです。



「あのう…何故新人の僕が会議に呼ばれているのでしょう?」


セシルさんは少し萎縮しておられるようね。



「理由はあるからそう固くなることもあるまい。皆、この冊子を見てほしい」


殿下がそういうと、技術班長のロッペンさんが全員に小冊子を配りました。

ぱらぱらと中をめくると…植物のスケッチが描かれているようですわね。

スケッチの周りには『白い花、紫の花弁』『細長い実』『つる草、這うように生える』『黄色く小さな花、浮き上がった根』と、細かな注釈が添えられています。


スケッチの下には…ロッペン・Mとサインが入っていますね。



「このスケッチ、ロッペンが描いたのでありますか!?」


「ほほー、ロッペンにこんな特技があったのか」


実働班長と兵站班長は感心しきりですわね。

かくいう私も驚いています。


「コホン」


ロッペンさんは軽く咳払いをしましたが、ちょっと頬に赤みがさしておられますわね。


「ネルソン様の御指示通りに描いただけです」













「セシル、これらの植物を自由騎士の依頼中に見かけたことは無いか?」


「ええと…これ、トマトですよね?あとこれはトウモロコシ。これ以外のものは見たことがありません」


確かにトマトとトウモロコシは帝国ではごく普通のお野菜ですしね。



「ふむ、そうか。では皆、西側山脈を往く道中でこれらの植物を見かけたら報告せよ。隊員にも各班長から通達しておくように」


「「「はっ!」」」



「ネルソン様、いったい何の植物なんさー?」


「作物になる植物だ。…なんだ、信じられんのか?」


ユーリカは不遜にも半眼で殿下を見つめている。




「ネルソン様のことだからまた金儲けにつながるものなのかなー、って」





「クックック!そうかそうか、ユーリカとしては気になるよなぁ?なんたって半分がユーリカの儲けになるんだからなぁ!…安心しろ、ちゃぁぁんと儲かるから!」



「ぎひぃぃぃぃ!やっぱり!」



「まあまあ!ユーリカさん落ち着いて!」


フィン様が髪をかきむしるユーリカを必死になだめました。

まったく、そのうち禿げてしまいますわよ。



「そうですわユーリカ。今や貴女は大貴族も無視できない、帝国一の大金持ちなんですからね。もうちょっと落ち着きというモノを持ちなさい」



「ガクッ…」



「フィリア様!それトドメ!トドメですから!」


あれ?何か失敗したかしら?








「撃沈したユーリカはさておき、ミーティングの続きだ。ここから先は強力な魔物がいるそうなので、各班警戒を怠るな」



「「「「「はっ!」」」」」



「この先は森林の上、斜面のためジンベエサメでの移動には向かない。隊員には徒歩で移動してもらう。しかし兵站は引き続き召喚獣で運搬する」



召喚獣?次はどのような召喚獣なのかしら?



「ナムダイシヘンジョウコンゴウ!」






ヌゥゥゥゥン…






既に馴染みとなった殿下の水面のような召喚陣から現れたのは…




















「カニですの!?」




それは人の2倍半くらいの長ーい足を持つ巨大なカニでした。

私の知っているカニより足が異常に長いです!

しかも甲羅の大きさに比べて足の比率がおかしい!


そんなアンバランスな巨大ガニが2体あらわれました。


「うむ。こやつは『ダイオウタカアシガニ』。どうも深海生物は巨大になる傾向があるようだ。おそらく海底に何か秘密があるのだろう。兵站班!」


「はっ!」


兵站班長が敬礼して答えました。



「ミーティングの間に一方のカニに兵站の荷車を括り付けさせておくように」


「はっ!」

















△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽










ズゥゥゥゥン…     ズゥゥゥゥン…






殿下を乗せたダイオウタカアシガニが山林の中を進みます。

動作はゆっくりですが、逆にそれが山を歩く人間と同じペースを作り出しています。


行軍の編成は先頭から、飛行して斥候も務めるフィン様、カニに乗る殿下とその周りに6名の実働班、技術班、荷車を積んだカニと兵站班、しんがりの実働班5名です。


セシルさんは担当兵器が決まったので正式に実働班に編入され、殿下の周りを固めるメンバーに入っています。







ズゥゥゥゥン…     ズゥゥゥゥン…








荷ガニが一歩一歩進むたび、荷の上に括り付けられたユーリカの手足がぶらんぶらんと揺れていますわね。


…結局、撃沈したユーリカは復活せず、荷に括り付けられて運ばれることになりました。



「ううーん… お金(じん)が… お金(じん)来る(ちゅーん)さぁ…」





ちなみに私は技術班と兵站班の間にいます。


この位置なら、この角度なら見えるんです。

勿論殿下がです。


背を覆う黄金の滝がカニが歩くごとにサラ…サラ…と煌めいて私の目を悦ばせてくれます。


はぁ~…カニの背に乗り山道を往く殿下も絵になりますわ~。


今は。今はあの御髪を梳くのはフィン様の役目ですが、いつかは私があの御髪を梳く大役を勝ち取って見せます…!









「!  総員停止してください!」


私が怨嗟の目でフィン様を見ていたら、突然フィン様が行軍を停止しました。

まさか私の視線に反応したわけじゃありませんわよね?




全員が立ち止り、何事かと様子をうかがっていると。







カラカラカラ…


カラカラカラカラ…





確かに妙な音がしますわね。




「前方!木の上に何かいます!」


フィン様が手にした槍で示した先には木の枝にからみついた蛇が!




蛇が!





大きい…というか太い!?



フィン様の胴回りぐらいの太さの薄茶色の大蛇がどでん!と鎮座している!





「シャァァァァァ!」ガラガラガラガラ!


こちらが気付いたことが分かったのか、大蛇は威嚇音を出してきました!



「実働班!全員抜剣!」


実働班長の号令で実働班の剣が抜かれました。






「あの尾!?ガラガラヘビにしてはでかすぎる!ということは魔物か!」


殿下がそう叫ばれたので、尾を見てみると…尾の先だけが濃い茶色で、それを振るわせて音を出しているようでした。






ガラガラガラガラ!





「セシル!この魔物、知っているか?」


「い、いえ!見たことありません」



「では魔物名、以降ラトルスネークと呼称する!技術班!記録開始せよ!兵站班!物資を守れ!総員、毒に警戒せよ!」


殿下が矢継ぎ早に指示を出します。



「シュウ!」



大蛇、ラトルスネークが体をバネにするように飛び出してきた!




「グ!」


「シリウス先輩!?」




前に出ていた隊員が噛みつかれそうになりましたが、なんとか剣で防ぎました!


「くっ!風よ!」


ビュオオオォォ!



風魔導師の隊員が突風を放ってラトルスネークを下がらせます。



「シリウス!?毒は!?」


「心配ねぇ!防護服が防いだ!」






「やあっ!」


別の隊員がラトルスネークに斬りかかりますが…。



「シャッ!」


早い!体をくねらせて避けられました!



ガッ!


しかも振りぬいた剣が木に食い込んでしまいました!


「チィッ!」



隊員は舌打ちと共に剣を放棄しました。

流石精鋭の隊員、正しい判断です。




「僕が行きます!せあっ!」


剣を失った隊員と(たい)を入れ替え、セシルさんが鋭い刺突を放ちました!

確かに木の乱立するこの場所では、範囲の広い斬撃は不利です。




ぐっ!ぐっ!ぐっ!



連続して刺突を放ちます。

しかし、なかなかうろこを貫けずにぬめる様に剣筋をそらされてしまいます。



「くそっ!僕にもっと膂力があれば!」




それでもめげずに刺突を放ち続けますが、有効打には至りません。

ラトルスネークも傷はついているのでしょうが…。



「シャァァァァ!」


危ない!

刺突した剣を戻す隙を突かれ、ラトルスネークがセシルさんに噛みつこうとしてる!



(つぶて)よ!」


ゴッ!


土魔導師が放った砂が一瞬にして凝結し、(つぶて)となってラトルスネークの横っ面を強かに打ち付けました!


しかしラトルスネークはひるんで噛みつきを中断したはいいものの、体を縮ませて元の位置に戻ってしまいました。


ゴブリンだったら今の一撃で頭蓋を割られて、人間でも脳震盪を超すほどの威力があるのに。



「セシルくん!冷静になるのです!頭に血が上っているのであります!」


「はぁ、はぁ、すいません班長!」



ガラガラガラガラ!



樹上ではラトルスネークが威嚇であろう奇妙な踊りをくねくねと舞っている。

あんなにぶっといのになんてなめらかな動きなの!?



「攻撃が通らないのはヤツの体がしなるからであります!殿下!『カクテル』の使用許可を!」



「よかろう、許可する!」



「はっ!投擲兵器組、カクテル用意!前へ!」


「「はっ!」」



投擲兵器組の一人が腰のサブザックからガラス瓶を取り出し、もう一人が火魔石を使ってガラス瓶の口に点火しました。



「投擲!」



実働班長の掛け声とともにガラス瓶が投げられました!


狙うは…ラトルスネークの陣取る枝!




ガチャン!ボゥワッ!





「シューァァー!」



カクテルの火にあぶられ、ラトルスネークが悶えます!




「あ、あれは!?なぜ生木(なまき)があんなに燃えるのですか!?」


セシルさんは驚いていますが、カクテルはナフサが入っているのです!

火炎放射器もそうですが、火魔法と兵器の炎の違いはその持続力にあります。







ドサァ!


炎に耐えられなくなったラトルスネークはついに木から落ちました!



「今であります!たあっ!」



実働班長が軽く飛び上がり、そのまま体重を利用してラトルスネークの頭に剣を突きたてました!

そのまま貫通させて地面に縫い付けます。



それでもなおラトルスネークは体をうねらせて(はりつけ)から逃れようとしています。



「いけない!皆!ヤツの首をおとすのであります!」




ガッ!ガガッ!ザン!



実働班長の指示通り、剣を持つ残り4人の隊員たちは寄ってたかってラトルスネークの首に剣を叩きつけました。

遠くから見るとなんだか袋叩きにしているようですが。











「ふぅー、やっと落とせましたね…」


何度も切りつけてラトルスネークの首を落とすと、セシルさんは安堵のため息をこぼしました。



「ふむ、これだけ丈夫なら蛇革として利用できるのではないか?」


「ここまで硬いと加工がしにくいのでは?」



カニから降りてきた殿下はロッペンさんと死骸の検分に入っています。







「あーーーーーーーっ!で、殿下!じゃなかったネルソン様!」



「うぉう!なな、なんだどうした!?」



「コレ!この実!ネルソン様が探していたものではありませんか?」



それはさっき隊員が剣をくいこませてしまった木に生っていました。

剣を回収しようとして発見したようです。




「おおおおをををを!これぞまさしく『カカオの実』!でかしたぞ!」



それは両手でなければ持てないほどの大きさで楕円形の緑色をした実でした。

殿下は作物になるって仰ってたけど…あまりおいしそうに見えませんわね。



「ネルソン様?この実って食べられますの?」


「ん?食べられないぞ」



ずるっ。




「ああいや、このままでは食べられんということだ。皮をむいて1週間ほど発酵させて、種を取り出し、その種を煎ってすりつぶして練って漉してまた練って砂糖を加えて固めるとお菓子ができるのだ」


「よ、よくわからないけどとても手間がかかるんですね」


フィン様も少し引いているけどそこまで手間をかけるほど美味しいのかしら?



「古代では通貨としても使われ、奴隷と交換することもできたそうだ」


ええっ!?そこまでの価値がありますの!?






「クックック!これは幸先がいいぞ!この調子でどんどん行こう!」














△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽












ブブブブブブブブブ!


バババババババババ!




「ほらぁ!ネルソン様がどんどん(ばんない)行こう(いちゅんて)なんて言う(ゆん)からどんどん(ばんない)来ちゃったさー!」


「しっ!うるさいですわよユーリカ!」


復活したユーリカが文句を垂れやがります。

…あのまま静かにしていればよかったのに。




今私たちは新手の魔物に遭遇していますが、なんとか気付かれずに身を潜めています。


その魔物は…ハチです。



でもやはり大きい!私の顔より大きいですわ!


巨大バチはこれまた巨大なクモに襲いかかっているようですわね。

クモはヒツジぐらいの大きさがあります…。


3匹のハチが1匹のクモにたかるように攻撃しています。




ババババババババババ!




あっ!

ハチがクモの足を噛み千切りましたわ!

クモも必死に抵抗しているみたいだけど、ハチはヒット&アウェイでクモの反撃をかわしてしまいます。



「…このままやり過ごしてしまいたいが」


殿下がそう漏らしますが…そう、ハチとクモが争っているその向こう。


「『バニラ』があそこに見えているんだが…排除せねばならんか」



殿下がお探しになっている実が木にぶら下がっているのです。

やたら細長い黒っぽい実が。



「どちらかが倒れるまで待って排除しましょう」


そう進言するロッペンさんはクモとハチを紙に細い木炭でスケッチしているようです。

すごい速さでしかもすごく詳細!



「では、とりあえずハチをタランチュラホーク、クモをバードイーターと命名する」




そうこうしているうちにクモは一本、また一本と足を噛み千切られてゆきます。

ついに最後の足が噛み千切られると…。



「うげぇぇぇ~ 卵産み(なすん)付けてるさー」


動けなくなったクモの体にハチたちが次々に卵を産み付けています。

なるほど、クモはこのまま幼虫の餌になるんですのね。



「しかしどうしたものか。この森の中であのすばしこいハチを相手にするのはホネだぞ」


「確かに剣では不利であります。魔法も詠唱や集中がネックになってしまいます。ジュウを使うのはいかがでありましょう?」


「ふむ、そうだな。セシル!」


「はっ!」


「これを使ってみるのだ。引き金を引くと弾が出るのは同じ、サイトはここ、この出っ張りを左右と合わせて」



「は、はい」



セシルさんが殿下から拳ジュウを受け取り、構えました。

拳ジュウの名称は帝国式キューミリ拳ジュウ。

ドワーフの技術と帝都の最新魔導具理論の結晶であるジュウの中でも最も小型化に成功した逸品ですわ。



「ネルソン様、このジュウの弾も金貨1枚するのですか…?」


「いや、これは中・近距離用だから銀貨75枚くらいだな」



なぜかそれを聞いたセシルさんは顔をひきつらせていますけど、銀貨75枚だったらそんなに気にすることありませんのに。



「ではハチが産卵に集中している間に撃ち落としてしまえ」



「はっ!」




パァン!




「あっ!」


あら、外してしまいました。



パァン!パァン!


「あ、あれっ?」



狙撃ジュウではあれだけの命中率を誇ったセシルさんですが、やはり拳ジュウは勝手が違うようで全く当たりません。



ブブブブブブブブ!




ついにハチが飛び立ち、こちらへ向かってきました!



「わっ!わっ!?」



ババババババババババババ!


パァン!パァン!パァン!





セシルさんはなおも撃ち続けますが1発として当たりません。





カチッ!カチカチ!



っ!弾切れ!


「セシルさん!貸して!」



思わずとっさにセシルさんから拳ジュウを奪い取りました!



「ほれ、フィー」


すかさず殿下がマガジンを手渡してくれます!




あっ…。





今一瞬殿下と指が触れあっちゃった…♪















フオォォォォォォ!殿下の愛さえあれば私は無敵!



ガシャッ!


パン!パン!パン!




「っしゃあああ!」


全弾命中!ですわ!






ビビ、ブ、ビビビ…


ん?1匹ハラワタぶちまけてるくせにまだ動いてますわね。




ぐしゃ




「あら、鉄靴(サバトン)が汚れてしまいましたわ」






「…………」


ふふっ、セシルさんたら私の拳ジュウさばきに驚いて声も出ないようですわね!




「あああ…10発外したから銀貨750枚、金貨にして7枚半の損…自由騎士時代の4か月分の収入が…豚串焼き1本が銅貨3枚だから2500本分…」







…ちょっと違ったようですわ。












△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽









「うむ!間違いない、『バニラ』だ!」



殿下は黒くて細長い実を手にして上機嫌です。




「ネルソン様?今度こそ食べられるものですの?」




「いや、食べられんぞ」




「また加工に手間のかかる作物なのですか?」


フィン様が殿下の手の中を覗き込んで問いかけました。



「うむ、干して寝かせて干して寝かせて干して寝かせて干して…半年くらいだな」



「半年!?また気の長い話ですのね…」



「しかし、それで極上の香料が出来上がるのだ。栽培が軌道に乗るまではムチャクチャ高価になるのは避けられんだろうがな」



「香料?…スンスン。あんし匂いしないさ?」


ユーリカが新たに木からもいで実を嗅ぎますが、あまりピンと来ていない様子。




「さ、兵站班が実と苗木の採集を終えたようだ。出発の準備をしよう」









もはや死を待つだけのクモが悲しげに見送っていました。


























金貨1枚10万円くらいです。

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