表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生魔王様の異世界漫遊記  作者: DP
Episode.3 赤毛の聖女は側にいたい
94/109

魔王様とゴミ掃除①


「というわけで、アヤネはシェリーと一緒にレゾという村に向かってもらえるかしら?」

「いや帰ってきてそうそうなんだ。シェリーとは誰だ。まずはそうなった経緯を説明してくれ」


ごもっとも。何の前情報もなしにいきなり結論話されても意味がわからないよね☆


国王との会談を終えた私とシェリーは、ひとまず別れる事にした。現時点ではあまり彼女と私が一緒にいる姿を見られるのは良くない事だからね。彼女は王都の中心部にある治安のいい地区の宿屋(お高め)に帰っていた。私もシエラ達ととまっている宿に戻ってきて、部屋に帰って開口一番口にしたのが先のセリフだ。うん、端折り過ぎだね。不戦協定の話自体はしてあったけど、もう一つの話はシエラにしかまだ話してなかったし。


ということで、概ね説明済みのシエラも含めて皆に城で話してきた内容を説明する。


「成程……パラディンから聖女殿を護衛するのか。……私で護衛となるのか?」


これから、シェリーは王国からの依頼()()()()()()()()王国の中では辺境といえる位置にあるレゾの村に向かう。この村では現在狂暴化した大型の獣の群れが(Not魔物)出現しており、国の方に支援要請が出ているようだ。当然そこにはすでに国のほうから兵が送り込まれているが、そこに支援に向かうのである。シェリーなら回復能力だけでも大きな支援になるしな。


勿論本来であれば国の危機レベルとはかけ離れているこの程度の案件を他国の使者としてやってきた人間

に依頼するなんてことはありえないことではあるが、そこはシェリーの方が話を聞きつけて自分から立候補した()()にしてある。ほら、聖女様だしね?


「……でもちょっと不自然すぎではありませんか? そういった役割で来たわけでもないのに、その程度の事に関与するのは」


そう口にしたのはユキだった。これも当然の疑問であるが、


「そこは大丈夫よ。元々シェリーはカルビアの街に次に向かう予定だったらしくてね、レゾの村ならその途中で向かってもおかしい位置ではないもの」


今回の件を王国に伝えた後、アーシェの次の目的地は隣国の辺境に位置する大き目の街であるカルビアとなっていた。カルビアの所属する隣国はうちではなくアージェの領土と隣接している場所なのでハイランドジアのように使者としていくわけではなく、どちらかというと視察? のようなものだったらしい。


そちらに関しては、すでに彼女の上司には中止の連絡は入れているらしいけど……あくまで上司にだけで、パノス聖王国向けにはカルビアへそのまま向かう予定になっている。


恐らくは、このカルビアへ向かう途中でアーシェを襲撃し、その後こちらの領土との境界線近くに移動した後そこで彼女の遺体を発見した体にして、こちらに罪をなすりつけようとしたのではないかと思う。カルビアは魔王領側に近い位置にあるからね。そしてレゾの村は直線ルートからは大きく外れるものの、一応位置としては中間地点にある。カルビア行きはハイランドジアのように急ぐ必要はないから生真面目な所があるシェリーが協力を申し出てもさして問題はないでしょう。


そう、私達がしようとしているのは聖騎士(ゴミ)掃除だ。いや、シェリーも聖騎士ではあるから聖騎士をゴミ呼ばわりはアレね。じゃあルビ振る感じじゃなくて単純にゴミね。これまで集めた情報と動きを見る限り奴等の目的は以前の私達が予想した通りっぽいから、ゴミ扱いでも充分でしょう。


レゾの村はカルビアよりも更に辺境より。更にとある理由をつけて、シェリー達はより領土の境界線に近い街道で移動してもらう。そうすれば、連中も動くでしょう。まぁ察せられて動かなかった場合は致し方ないけど。協定の理由付けが弱くなるからちょっと後々面倒毎が増えるくらい? まぁその時はいい作戦をまた皆に考えてもらいましょ。


で、まぁシェリーは察しの通り釣り餌ね。んで、当然いろいろと陰ながら彼女を護衛はするんだけど、近場に一人くらいはおいた方が良いとして、アヤネにお願いをする感じだ。今回、目的を考えると魔族である私やシエラが直接関与しているのがばれると言いがかりくらっちゃうからねー。そしてさすがにフレアやユキでは護衛は無理なので、ここはアヤネ一択である。これまでも彼女は護衛仕事とかはした事はあるみたいだしね。


「だが、聖王国の聖騎士を私で相手どれるか……?」

「単体相手なら問題ないわね」


今回の件に関わっている聖騎士の格はシェリーから聞いている。そもそも戦闘能力が特に高い連中は大体普通に敵対している"獣化"”幻惑"の所へ向かっているハズで、こちらに来ているの中堅どころがせいぜいだろう。ぶっちゃけアヤネは人としてはかなり強いし、それこそ聖王国と関わるような仕事をしていたらスカウトされていたレベルだろう。シェリーの支援も入る事が入れば間違いなく後れを取る事はない。


「5人相手にさせるつもりはないし、離れたところで護衛もつくから最悪シェリーを護りつつ数十秒の時間を稼ぐだけで平気よ」

「最悪は聖女殿を担いで距離を取るという手も使えるか。それなら……うむ、承知した」

「お姉さま! 私とユキはお留守番ですの?」


これまで黙って話を聞いていたフレアが上目遣いにこちらを伺ってそう聞いてくる。可愛いわね。


「いえ、ユキとフレアは私と一緒よ」

「本当ですの!? やりましたわ!」


それなりに移動に時間かかるし、護衛役のアヤネも離れるからおいていくわけにもいかないのよね。あとユキは場合によってはちょっと仕事してもらうことになるし……フレアはまだ実戦に出せないけど。正直もう戦える実力はついて来ていると思うのだけれど、さすがに初陣の相手が聖騎士はないでしょう。


喜ぶフレアの横、シエラがため息を吐く。


「やれやれ、今回は私だけ別行動となりますね」

「実質アヤネも別行動みたいなものだけどね。それとヘイゼル達の件もよろしくね」

「承知しました」


今回、領土の方から何人か人手を呼び寄せている。その辺の動きもシエラにお願いするから、完全裏方仕事だが今回シエラは忙しい。まぁちゃんと終わったら労って上げるから。マッサージとかね!


「さて、じゃあ皆でゴミ掃除よ! 明日には出発するから準備はしっかりね!」









日曜日に書き終わってたのに投稿忘れてたで御座る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ