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TS転生魔王様の異世界漫遊記  作者: DP
Episode.3 赤毛の聖女は側にいたい
90/110

魔王様と 王都ハイランディア⑥


俺の最後のセリフにその顔を真っ赤に染めたアーシェだが、さすがにその勢いでそのまま頷いてはくれずとにかく一度上司に連絡を取りたいとのことだった。


一度聖王国に戻るとなると状況的にあまり戻したくはない訳だが、どうやら秘密の連絡方法があるそうで、即時とはいかないまでもこちらにいたまま連絡を取る方法があるらしい。まぁ魔術技巧(マギテクノ)のアイテムかね。


そういう事ならという事で一度俺達は別れる事にした。こちらの掴んでいる情報では他の聖騎士達はまだこの王都までやってきてはいないし、やってきていたとしてもさすがに王都の中で事を起こすような事はしないだろう。こちらに罪を押し付けづらいし、発覚した場合に大問題になる可能性も高いからな。


アーシェにはこちらへの連絡方法だけ伝え、結果がどうなろうとしても連絡はくれるように伝えた。


後は彼女の判断次第だ。この話の結果彼女がそれでも聖王国に戻るとするなら、こちらが止める事はない。こちら側に罪をかぶせるようなことをさせる気はないが、パノス聖王国の内部闘争に深入りする気もないので。アーシェに対する行動は俺の我儘でしかないので、俺が彼女の事を諦めればすべては終わる話しだ。


とりあえず数日中には回答するとのことなので、こちらとしてはフレア達と街を観光でもしながら過ごしますかね。


◆◇


「それで、奴らはどうやって消しますか?」


上手く街を観光していたフレア達と合流して王都を散策し。


夜、宿に戻って今後の作戦会議を始めた直後、開口一番シエラが口にしたのがその言葉だった。


「いやいやいや、消さないからね?」


とりあえずそのシエラの意見は即座に否定しておく。

あ、ちなみに私はいつものリンの姿に戻ってるわよ? 後フレア達はお風呂に行かせて、ここにいるのは私とシエラだけ。


「倒すのは問題ないと思うけど、その後間違いなく面倒な事になるからね」


正直な所、聖騎士達を抹殺するとしたら戦力的には問題ない。聖騎士とかいっても私達魔王に対抗できるクラスの実力者は殆どいない。個人で私達に匹敵するとなると5人もないだろう。そしてそういった連中は代々派閥の主だからこんな隠密のような任務にこないだろうし、まぁ来たとしてもここはウチの領土の近くだ。戦力を集めれば何ら問題はない。


ただ、ウチの領土内で事を起こしたならともかく、領土外でこちらから仕掛けるのは面倒な事になりそうなのよね。遠方のパノス聖王国はともかく近隣の国家といざこざは起こしたくないのよね、面倒なので。


だから今回は直接潰す事はしない。一人だけならともかく複数いるとなると証拠なしに消すのは難しいでしょう。


「では、どうしますか?」

「んー、まぁアーシェの返答次第ではあるんだけど」


魔王領と人間の国との不戦協定に関してはアーシェが最終的にNOって答えをしても進める意味がないわけじゃない。ただ聖騎士達への対応はアーシェが同意しなければ無意味な準備になるんだよねぇ。ただ、回答を待ってから動き出しだと遅くなっちゃうんだよね。


ふむぅ。


「まぁ、先行して動きますか」


半分くらいは無駄な動きになる可能性があるけど、駄目になった場合は私が皆に謝ればいいでしょ。一応私は一番偉い人なんだからね。


「シエラ、とりあえず本拠のオルバンに通達。アージェに仲介を依頼して、カルパドゥーラから経由でハイランドジアへコンタクトをお願い」

「少々面倒なルートですね」

「ウチに直接の伝手がないからね、仕方ないわ」


先代の時代は無法時代だったし、私の代に変わってからはまださほど立っていない上に、これまで人間側との接触はほとんどしてなかったからね。面倒なので。


その点ハイランドジアの隣国カルパドゥーラとアージェは友好的な関係で、交流もあるらしい。そしてカルパドゥーラはハイランドジアと友好関係にある。ここでハイランドジアが魔族側に悪感情を持っていればアレだけど、そもそもそんな状態だったらアーシェにあんな提案をしていないしね。


……いや、名前ややこしいな。アージェは本名だけどアーシェは愛称だから呼び名変えようか。アーシャ……はあまり変わらないから意味ないな。シェリー? リカちゃん? まぁシンプルにシェリーでいいか。いきなりこの呼び方で呼んだら驚かせちゃいそうだけど、その辺はその辺で。


「リン様が直接会うのですか?」

「オルバンでもいい気はするけど……まぁ私が行きましょうか。後、本拠からヘイゼルとルーナ、カイラムを呼び寄せておいて」

「ハイランディアにですか?」

「うん」


本拠から役にたつ能力持ちを呼んでおく。私が姿をよく借りるヘイゼルは"元"人間だし、ルーナとカイラムは完全な人型あるいは人型をとれるので人間の街に入るのは問題ないだろう。まあハイランディアだと面倒な奴に気づかれる可能性もあるので、ひとまずは近隣の街で待機かしらね。


「後は聖騎士達の位置関係確認かしらね?」

「そちらは情報屋から順次連携しています」

「おっけー。とりあえずすぐ動く必要があるのはそれくらいかな。後は細部を調整していきましょうか」


その後、シエラと二人でこの先の方針を話し合い整理した。現時点ではフレア達は動いてもらう事はないからしばらくは観光していてもらいますかね。後はアーシェ、じゃなかった、シェリーの回答次第!


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