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TS転生魔王様の異世界漫遊記  作者: DP
Episode.3 赤毛の聖女は側にいたい
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魔王様とちょっとフリーなお時間


そういや、私がすでに領土に戻ったっていう情報を流すのも一つの手だったかなぁ、なんてことをフレアに手を引かれ街を歩きながら考える。


ウチの領土に襲撃をかけてくる可能性がある連中は聞く限りへっぽこなので、私が領土に戻ったと聞いたらその情報をきちんと精査せずに襲撃を取りやめるのではないか? という気がする。ただそれをアーシェが勧めてこなかったのは、その暴走連中の情報網がアホで、そもそもその情報を流してもそもそもその情報を聞くこともなく止まらないような連中という可能性もあるのかなって。


後、ちょっと気になる事もあるからなぁ。余計な懸念をするくらいなら、自分の目の付くところで処理したいところではある。勿論、ぶつかる事になれば聖王国とちょっと面倒な事になる可能性があるから簡単には手を出せないけれど。──場合によってはこちらの領域に引き込んでから仕掛ける必要がある。


人の領土に勝手に侵入してきてからなら、文句をつけて来たとしても聖王国の味方に回る国はそこまで多くないだろうからね。逆にこっちから人間の領域で仕掛けたら向こうにいい口実与えちゃう可能性があるから手を出せない。バックにでかいものがついていると面倒だねぇ。


なので、とにかく情報待ちだ。


もしこのセルドランの近郊にいるなら、自分の領域の方まで後退して迎撃準備。


だがセルドラン近郊ではなく別の場所にいるのなら、このまましばらく待機だ。セルドラン、ウチと人間の国の境界部分のちょうど真ん中あたりにあるから、別のルートからウチの領域にやって来た場合に駆けつけやすいのでここにいた方が都合がよい。


さて、私の予想だと後者なんだけど、どうくるかな? 


「お姉さま?」

「ん?」


声が掛けられ気が付くと、フレアが私に身を寄せていた。さっきまでは手を引いていただけなのに、今はその胸に私の手を抱き込んでいる。柔らかい感触が腕に押し付けられて、なかなかに良い心地である。


「どうしたの?」

「お姉さま、さっきから上の空ですわ! 何度か話しかけても答えて頂けませんし」

「あー、ごめんごめん」


ぷぅ、と頬を膨らますフレアに私は謝罪の言葉を返す。

どうやら考え込みすぎて気もそぞろになってしまっていたらしい。


フレアとあって旅に出てから、これまでほぼずっと一緒に行動していたからね。昨日みたいに昼間に半日ほど離れているってこともなかったせいか、「今日は絶対にお姉さまと街を回りますの!」って懇願されちゃったのよね。


可愛いフレアにそこまで言われちゃあ、仕方ないわよねぇ。


ってまぁ、元々数日間はフレア達に付き合うつもりだったんだけどね。


情報屋の報告は、ひとまず4日後にある予定だ。逆に言うとそれまでは特にする事がない。本当はその期間の間にフレアに魔術の訓練をさせたい所ではあったんだけど、こういった大きな街にいる間はさすがに無理。街を離れて距離を取るのも時間がかかりすぎるし、街の側で訓練した場合暴発が怖いからねぇ……まだフレアは魔術を練習し始めたばっかりだからそのリスクが非常に大きい。それで彼女の魔力量で暴発すると……うん。


まぁ私たち自身はユキの魔力無効化空間に居れば安全なんだけど、大騒ぎになっちゃうからねぇ……なので実践訓練はしばらくお休みだ。領地の方に戻ってからだね。


なので、数日間はすることないので、みんなとおデートだ。


私自身はまぁそれほど目新しさを感じる場所はないんだけど、なにせフレアのおめめがキラッキラッしてるからね。それにユキやアヤネもセルドランほど大きな街は初めてらしく、フレアほどではないものの目を輝かせている。


気分的にはちょっと保護者の気分に近くなっちゃうけど。


アーシェの情報通りに過激派の連中がこっちに来ている場合、ウチの領土に仕掛けてくるにしてもそれ以外の事をこの近辺で企んでいるにしても、忙しくなりそうだからね。こうやって開いてる時間でちゃんと家族サービスしておかないとね?


まぁこんな事いうと領地の皆にこっちへのサービスはないんですか? 完全に放置されているんですけど? とか言われちゃいそうだけど……


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