表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生魔王様の異世界漫遊記  作者: DP
Episode.1 お嬢様はモフりたい
13/106

魔王様は臭いがちょっと気になる①

この世界の人口密度は、私が元いた世界で住んでいた国より全然少ない。


勿論街に行けば人はいっぱいいるけど、その街と街の間の距離が遠い。


まぁ人間の国の中心部あたりならマシ。一日も歩けば別の大きな街に大抵は辿り着く。


中心部から離れても大丈夫、徒歩では無理でも馬車を使えば1日前後でつくし、大きな街がなくてもちょっとした農村くらいは存在するからね。


だけど、中心部から遠く離れた辺境になってくると話が変わってくる。一日歩けばどころか、2~3日歩いても次の街や村に着かないなんて所もざらだ。


更に言えばこの辺境、独立した小規模の都市国家みたいなものが多く、他の街とのつながりが薄い場所も多い。少数部族とかがあまり他と交流せず暮らしている場合もあって、文化とか風習もバラバラだったりする。


そういう所は大抵でかい所に飲み込まれるんじゃないのって思うんだけど、交通とか戦略上の要所であったり、特殊な資源が豊富でもない限りあまりそういうこともないみたい。まぁ土地なんていっぱい余ってるし、辺境だっていうくらいだからくっそ遠かったり行きずらい場所だったりするからネ。そんな場所を領土にしてもめんどくさいって事だけ。うんうん同じように領土を持つものとしてよくわかるよー。


で、今私達がいる場所もそんな場所だった。


「今日中には着くんだっけ? ハルファシって街」

「そうですね、今日の夕方になる前には到着する見込みです」

「そっか。いやー遠かったねぇ! しんどいしんどい!」

「こっち方面に来たいって言ったのはリン様ですけどね……!」


うん、言い出したのは私だ。

さっきも言った通り、この辺りは辺境。メインの街道ルートからはかけ離れている。そして別に自分の館への近道ルートというわけでもない。むしろ思いっきり迂回ルートだ。更に言えば山越えも入ってるので距離以上に時間もかかっている。


じゃぁなんでそんなルートを選んだかというと。


「だって仕方ないじゃなーい。普通に活動してたらこんなところまずこないもの」

「来る必要がないからですね」

「そういったところにこそ掘り出し物な子がいるんだって何度もいってるでしょ~」

「いるといいですね。確率はかなり低いと思いますけど」


反応ははちょっときつめだが、シエラの表情は別にこちらを責めてるようなものではなく、なんなら本人は隠してるつもりだと思うんだけどちょっと楽しそうだ。全くこのツンデレめ(体感:デレ多め)……!


ちなみに今私が言った事は別にでまかせとかではなくて本当の事。


これは辺境に才能がある人間が多いとかそういう話じゃなくて、辺境の方がそういう才能が発見されにくいという話。


才能といってもいろいろあるけど、私が探している才能は魔王を倒す、ようするに戦闘に関する才能。そしてこの世界において戦闘に関する才能に一番影響が多いのはやはり魔力だ。


私達魔族の場合はそれぞれの魔力がユニーク化しており、その特性によっては魔力量が少なくなっても強かったりするんだけど、それに対して人間の魔力は均一化されている。力の量が、ではなくて力の質がだ。人間はある程度得意不得意の差があるにせよ、私達魔族のように能力の大部分が特化されているようなことはあまりなく、系統化され整備された術式を覚え行使することで魔術を使用する。


すなわち私達魔族の魔力を用いて使うのは先天的な能力。

それに対して人間達が魔力を用いて使うのは後天的な技術。


簡単にいえばこんな認識でいいと思う。だから人間の中で将来性が強い人間を探すなら、とにかく魔力が高い人間を探せばいい。


そこで登場するのが私の能力の一つである強力な魔力感知だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ