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TS転生魔王様の異世界漫遊記  作者: DP
Episode.3.1 閑話
103/106

魔王様の帰省④


「とりあえず皆そこに並んで頂戴。ほら、ゼダも」

「はっ」


ゼダは素早い動きで私が指し示した場所に移動して直立し、その横に他の3人も並んでいく。その対面にもシェリー達が並んだので、私はまずシェリー達の方をやってきた4人に説明した。


とはいっても能力や立場に関してはそれぞれ説明済みではあるので、外見と名前を一致させるだけとなるけど。それは逆も同様。


「この4人がオルバン、シエラ、エリス以外の今ここにいる幹部よ。右からゼダ、ユーリック、カレンティア、ヘイゼル。フレアとユキはカレンディアとユーリックとは顔合わせ済みね」


基本感づかれると面倒なことになるので出来るだけ私の配下とシェリー達は直接顔を合せてはいなけど、クーリアとザナックは私やフレア、ユキと一緒にあの森に先行して潜んでいたので顔合わせが済んでいる。ただシェリーやアヤネはまだなのでこの二人に挨拶を促すと、まずは長身細身で深青色の髪色をし眼鏡をかけた男性が前に進みボウアンドスクレープのような形で一礼すた。


「ユーリックだ。宜しく頼む」


彼の能力は"ディスアピア"。音や熱などの気配だけはなく、その姿までも隠す事が出来る彼はその能力を生かして、普段はウチの勢力の諜報に関する部分を取り仕切っている。ちなみに一見冷静で落ち着いた雰囲気に見えるが、先ほどの挨拶の仕方のようにどこか恰好をつけた態度を取るところがある。


「カレンディアですぅ。カレンと呼んでくださいなぁ」


続けて濃緑色の髪をした、間延びした話し方をする女性が挨拶した。


彼女、カレンは正確にいえば私の部下ではない。私のいる領土は前やその前の魔王が領土の発展に全く興味がなかったらしく、また元々土地が良くないせいか荒れ果てていて食料問題がそこかしこで発生していたのよね。私が魔王になった後はオルバンを主体にして流通などを整理し飢えとかの問題は大分減ったけど、それでも豊かになったとまでは言えない。なので植物や大地に関する能力を持つ部下が多い樹海の王ドリアネにお願いして派遣してもらったのがカレンなの。土壌の改善やウチの土地で育ちやすい植物の検証や品種改良の為にね。ようするに出向社員のようなものね。或いは農業指導員? おっとり……というかのんびりした雰囲気を持つ彼女だが、植物を操る能力で様々な効果を起こす事ができるわ。


「ゼダです! リン様の忠実な犬です! よろしく!」


シェリーをドン引きさせる挨拶をしたのは先ほどから騒がしいゼダ。どんなキャラクターかは見た感じとして、彼の能力は単純でとにかく早い速度で動く事が出来る。そして持久力も非常に高く単純な力も強い。とにかく身体能力に特化したタイプかな。なので彼はその能力を活かし、情報などの伝達や貴重品の輸送、それに外交の一部を担っている。……さっきの言動で外交とか大丈夫なのかと思われそうだけど、ゼダは私が直接かかわらなければ割とまともな言動をできるわよね。


そして、最後の一人。今回の紹介では()()となる最後の一人が前に出た。


「ヘイゼル。よろしく」


そっけない言葉で挨拶をしたのは、ヘイゼル。栗色のふわふわした肩まである髪に豊かな胸を携えたまだ幼さの残る少女。私が勇者(に育てようとしていた)パーティーに潜入していた時にその姿を借りていた娘だ。


ちなみにそっけない態度をしているのは偏屈だとかコミュ障だとかそういうわけではない。魔術技巧(マギテクノ)の技術者である彼女は研究や開発に意識が行っていると他の行動が雑になるのよ。恐らく呼び出した時も、研究・開発に関する何かをしていたのでしょうね。


でも困るわねぇ。彼女は特にシェリー達とは仲良くしてもらわないといけないんだけど。まぁそれはおいおいでいいか。


私は移動すると、ヘイゼルの横に回ってその肩を抱く。……相変わらず立派な胸をしているわね。後で……いやそれは本当に後にして、今は、と。


「何ですか、リン様?」


こちらを怪訝そうにして見上げてくるヘイゼルの視線は無視して、私は正面に立つシェリー達に告げる。


「これから各魔王領を回るにあたり、このヘイゼルは一緒に旅をすることになるから特によろしく頼むわね?」

「はぁ!?」


すぐ隣で驚きの声が上がった。





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