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Silent genes  作者: テクマ
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修正

蘭子は宇宙服を着ると大気圏内に転移してそのまま降下して行った。


「よしよし、大気も安定しているし魔法も使える。酸素も空気も窒素も地球と変わらんぞ」


地上に降り立った蘭子は旗を立てた。


「一番のりー!」


みんなあきれて見ていたがとりあえず拍手した。そこで愛の魔王がぼそりと言った。


「でもここは実験用の異世界だからもう一回現実世界でやらないとダメですよ」


みんな笑ったが蘭子は冷静に返した。


「分かってないな、私は旗を二本持っている、つまり・・・」


皆が、あ、っと言った次の瞬間蘭子は自分の世界に飛んだ。


「はっはーー!これが本当の一番乗りだ。

後は自分の世界にもどってあらためて地球から転移すればいい」


上機嫌でまわりの観察をはじめた蘭子は愕然とした。


「えっ、私?」

「やあ、蘭子さん、遅いじゃないか」


優越感に浸っている蘭子がいた。


「私に違和感がないと言うことは、異世界蘭子」

「そうだよ、私から見た異世界蘭子よ」

「どうやって」

「宇宙服を着てここまで飛んだだけだ。もちろん異世界の、そしてここに次元を越えて転移して私をまっていたのさ」

「頭がこんがらがるんだが。

よくそんな危険なことしたな、わたしならやらないから私はやらないはずだろ」

「よく考えて私、私は座標を司る使徒なんだ、君たちの私、つまりあなたよりもより正確に惑星の場所を特定できるのだよ」

「あぁ、そうだった、うかつだったよ、一番乗りをとられたか」

「まあそう悲観しなさんな、一番乗りは私なんだから、ねえ私、ハハハハッ!」

「キーッ、悔しい!

ってならないね」

「なんで?」

「うちは他の惑星にもツバつけてるから、それ全取りするから」

「そんなことできるはず無いだろ」

「まあ、すべてに旗立てたら教えてやるよ私」

「キーッ、何て憎たらしいんだ私。

だが、新しい惑星に降り立つと次の惑星の位置が分かるんだ、私がそこを総どりしてやる」

「おぉっと、私が神様だということを忘れたか」

「何・・・あっ」

「長い時間おしゃべりがすぎましたな。

その惑星の場所をここに書きなさい」

「くっ、まだ真紀さまへの信仰心が残っているぞ」


異世界蘭子はいくつかの座標を書いてもとの世界に転移して帰った。


「やり過ぎたかな、だが私達の世界の惑星を先にとるとは私はやりすぎだ、これでいい」


とりあえず実験用の異世界に帰って皆に話した。愛の魔王は大人なので。


「子供ですね、いっそのことすべて見つけてもらって蘭子さん同士で回って全惑星マーキングすればどうです?」

「新規発見とか業績はどうでもいいのは分かってるよ、この場合のライバルは私自身なんだから。だが研究者としてやるだけやるんだ、血がたぎるんだよ」

「あぁ、魔王化してませんか?」

「安心しろ、私は冷静だ」


そういって、鉛筆でもあれば折りかねない勢いで手を握りしめた。

しかし、いちおうの成果があったので意気揚々自分達の世界にもどって唯に魔力探知機の開発を急がせた。


「どうしても誤差は出ますよ地球上の観測地点使って三点測量してもとにかく遠いから」

「帰ってくるときにJAXA君とも話したけど、もう1つ惑星を見つけて地球と今回見つけた星を合わせると精度があがる。それに異世界蘭子はまだ全部見えていない。本来新惑星に到着後から探査船の製作までの長期間に徐々に見えてくるものだ」

「じゃあ、ニ三の候補があるからこれまでと同じ方法で行ってもらえますか・・・でもいきなり降下はやめてくださいね」


意図せず自分との発見競争になった蘭子は絶対に年下の自分には負けられないと思っていた。


「測量担当の使徒はホスト氏なんだよね?」

「分かりませんね、異世界のホスト氏はまだ使徒ってだけだし、こっちのホスト氏は研究としてやってる状態で、段階を踏まずに無理やり星に到達したから何が何やら」

「そこら辺の融通がきかないんだよなサイレント遺伝子様は。

神様パワーで念ずると来ないかな?」

「あまりそっちの力使うといずれ文明破壊するかもとの懸念がありますよね」

「あっちはどうなんだろう、あっちの世界の私が惑星に行ったけど何か破壊起きてるのかな?」


真紀さまに聞いたのだが。


「どうですかね、2番目の私がいるところですよね。

なんともないんじゃないかな、そもそも神様業が成り立たなくなって家でアベマ見てるって言ってましたね。

あれ、Huluだったかな?まあどっちでもいいか」

「悪いけど今度聞いてきてくれないかな?」

「あ、いいですよ、今行ってきますかすぐだから」


数分たつと・・・


「行って来ました、連れてきました暇してたので」

「やあどうも異世界から来ました真紀さまです、よろしくお願いします」

「ダメじゃん神様連れて来ちゃ」

「それがですね、一人で惑星に行けるようになったので、人を統括する必要が無くなったみたいで・・・私は神様では無くなったみたいで、ハハハハッ」

「じゃあ今、神様不在?」

「どちらかというと蘭子さんかな」

「ええ?私が神様ならどうなるんだ」

「ってわけなんで私はこっちに来れるんですよ」

「それはいいことだ、気軽に会える妹分が増えたのか、おめでとう真紀さま・・・たち」


「蘭子さんの勝ち気な性格で使徒は続かないと思っていましたよ。さあ、手打にしましょう、争ってもしょうがないでしょう。

向こうの異世界は惑星間の行き来は政府関係者や登録した研究者に限定していますが公開する予定ですし、そこから異世界、こっちの世界に飛べばなんのリスクもなく行き来が出きるようになりますって」

「どこまでやった?」

「え?」

「まだすべての惑星の一部だろ?」

「はあ、まだ見えていない部分が多いと言ってますね」

「それなら続けるしかない」


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