ファイナルカウントダウン
「はい、そうですかと帰せるか」
「いや、帰してくださいよ、私達にはもう用はないので」
「なんだと」
蘭子と異世界蘭子が口喧嘩をはじめた。
「ちゃんと説明してもらおうか、私達も情報が欲しいんだ」
「なんと言うか、差し上げられる情報が無いと言うか、もう進んじゃってるから後戻りすると困るんじゃないかなって思って」
「おい、もっと効率のいい方法見つけたんだろ?
え、どうなんだ」
「いや、とにかく序列がおかしくなるから帰るね。
また今度」
「おい、異世界蘭子、お前、神だな、そうだろ」
「いやまあそうだけど、分かります?」
「なら、私が私の、いや私があなたの世界に行っても序列が変わらないだろ」
「えーっと、そうなるの?」
「そうなる、じゃあ一緒に帰るぞ、じゃなく行くぞ」
真紀さまは異世界真紀さま2に見とれていた。
「異世界真紀さま2も私にそっくりだな」
「ホントだ私にそっくり」
異世界真紀さま1も見とれていた。
「私からしたらあなた達が異世界真紀さま1、2でしょうに」
「じゃあ、私達が神様の真紀さまの家に泊まっても影響無いんだね?」
「え?そうなるか、そっちは蘭子さんが神様なんだっけ。
でも家はどうかなー、私が神様になってから親が信徒になってしまって居心地わるいかも」
「あぁ、それね、それなら大丈夫」
「え?根拠は」
「無い」
「私らしいなぁ」
「じゃあ、行くか。
蘭子さん、私達の世界の蘭子さん、私達は泊って行くから明日迎えに来てね」
蘭子はしぶしぶうなづいて神様達と異世界蘭子を連れて自分の世界に帰った。
「しかし異世界蘭子は2つの異世界を統一したのか、最強だな私」
「たまたまだよ、もう一方が分かれたばかりの異世界で魔王が統治しそうなところで偶然戦うことになってこっちの戦力が強かったみたいな」
「私は魔王戦やって勝ったのか?!
すげえな私」
「今では魔王も私の友達みたいな使徒だよ」
「そっ、それって、魔王を従わせているのか」
「普通のきのいい女の子だからね、愛の魔王。
愛の魔王に会っても戦おうとしないでね」
「うむ、そうしよう。そもそも勝てるとも思わんし。
で、どんな技で勝ったんだ?」
「ドラゴンの炎ですね、ドラゴン、いるでしょこっちんも?」
「ドラゴンなんていないよ」
「ハワイにいるから探してみたら。それにコールドブレス吐くドラゴンがシベリアにいるみたいだし。
でさ、どうやって宇宙船内部の暖房とか冷房なんかの調節するつもりだったの?」
「そっちはドラゴンにやらせるんだ。こっちは専任の使徒がやる予定」
「人道的に問題ないの?」
「いや別に、だって神様のためなら何でもしたい人がたくさんいるから。ドラゴン探そうとかいう発想がなかったよ」
「ふーん、では、コールドスリープとかは?」
「神様の真紀さまの会話で分かるでしょ、おきて行くんだよずっと。そのためにDVD集めてたけどHDになって今ではアマプラを通信で送ったりと大騒ぎさ」
「ああ、まあいいか」
大学についたのでホスト氏に座標を教えてもらうことにしたのだが。
「おい私、いくつだよ」
「29だけど」
「私は大学の教員になるのか」
「あんたいくつだよ」
「私は21だ」
「学生かよ、えらそうにして、まったく。
しかしさ、教員になれるかどうかは分からんよ。その時のめぐりあわせだ」
ホスト氏が話し合いに割って入った。
「先生、達、いいすか。
どっちがどっちかはなんとなく分かったんですけど。
異世界蘭子先生に座標の設定の仕方教えてもらえばいいんですね。
はいどうぞ」
「お前いくつだ」
「24ですが」
「そうですか、ではよろしくお願いします」
異世界蘭子はホスト氏に座標決定のルールを教えた。
「ホスト氏はむこうの異世界にはいないんだ。自分が自分とこの学生にぺこぺこしてるのはどうも・・・」
「しかしどうやら時間がはやく進んでるのかなここは。
時間軸が別れたのは異世界真紀さま1のところよりは遅いような感じがするけど」
「もっと前に別れたけどたまたま同じような進化したのかもしれないぞ」
「あれ、堤はいるんだ」
「ああ、そっちにもいるんだな」
「やっぱり彼氏なの」
「・・・はあ?」
「まあ隠してるのか、むこうと違ってなんかこう肉肉しいと言うか。マッチョだからな」
「異次元に影響与えること言っちゃダメだよ」
「そっちがうちらの世界に来たんだろ。
船みせろよ私」
「船は別の異世界だよ」
「ああ、分かるよ。ホワイトホールのエネルギーを使うとき月が吹っ飛んだもんな、ここはさっき見たけどまだあるし、異世界に頻繁に行き来してるから」
「うちは人のいない異世界作って、一瞬で地球を吹き飛ばしたよ」
「なるほどな、私が神様やってるから。
とりあえずやってみる、って精神だもんな私」
「真紀さまは慎重なんだ」
「だって真紀さまだからね。
理由は特に無いらしい」
「真紀さまらしいな」
異世界蘭子は唯を珍しそうに見て。
「こっちだと健在なんだな唯、私にこき使われると早死にするぞ」
「変なこと言うなよ、そっちではどうなんだ」
「言ったとおりだ。・・・へんなこと言ってしまったな、無限大にある異世界でどこかではそうなるし、どこかでは神様やってるよ」
異世界蘭子はイナザミ達につれられて自分の世界に帰って行った。唯は異世界蘭子の言ったことが気になったが気に留めないことにした。でも蘭子は、
「私は口が軽いな。
だが、こっちのことは聞かないで帰った。
変に自分に自信があるのも私だな。
唯は疲れたら帰れよ、私が今後どうするのか知らんが」




