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Silent genes  作者: テクマ
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勇者

「低山の夏は暑い」


だが人はたくさん来る、体力モンスター、陰ながらそう呼んでいます。


「蘭子さんの修論どうなったんです」

「ああ、あれに決まったよ。教授が海外出張に行く直前にチラッと見せて許可とってやったわ、ワッハッハ。後は准教授に任せるとか言ったけどちゃんと弱みをにぎってあるから」

「なんですか、弱みって」

「事務室のお姉さんが、蘭ちゃんこの郵便物持って行って、って言うから秘書さん休みでしたっけ、って言ったら、早く持って行った方がいいと思って、って言ってニヤリと笑うからよく見てみると大人のお店から、また来てくださいね、ってハガキが来ていたのでそれを一番上にのせて目を見ながら渡したからとうぶん言いなりだよ、名刺おいてくるなってーの、キャハハハハッ。


あ、すまん、教育上わるかったな忘れてくれ。


しかし、奥さん優しそうな人だし子供もまだ小さくてかわいいのになあ。

なにやてんだか、アハハハハッ」


  なに言ってるか中学生には分からないので次の話題にうつった。


「カンナズキさんは勇者みつけたんでしょうかね」

「ああ見つけたみたいだよ、今特訓していると言ってたわ。年明けには魔王城に攻め込むらしいよ。うまくいくと唯たちの合格と一緒にお祝いできるといいね」

「結構簡単に勝てるんですか、とりあえず魔族ですよね」

「複数個のタンデムだから魔力とか6倍だから、ん、32倍だったかな。とにかくすごいらしいよ」


  ノリノリの蘭子ちゃんであったが秋には少し壊れていた。


「いやあまいったよ、そもそも質量がないかもしれないとかこっちの人類では測定できないじゃない、波なのかな、それならなんとか・・って思っても波形をとりに行くのめんどい。魔法ってなんだろうね遡及されても魔法だすとかなら反則だと思うんだよな」


  もんもんとする蘭子ちゃん、いとかわゆし。だがしばらくすると。


「いやあなんとかなるもんだ、TOF-MSでブランクと比較して何もないと思ってたけど、肩の部分に何かのってるからもしやと思ってイオン交換カラムつけたら隠れてやがったよ。これを同定して精製したのがインデューサーなら出来上がりだ」


  簡単に言うと、もうちょっとで修論書ける、だと思う。


そうこうしているうちに入試の季節になった。真紀さまは部活引退後の鬼の追い込みで余裕合格圏内に突入、試験後に買ってもらうゲームの物色をしている。みゅー姫は超余裕で東京の超進学校も受験して合格ゲット、このままそっち行くんじゃないかと皆思っている。

真打の私はなんとかギリギリ合格のところまで成績あげたのだが後はその日の体調次第であった。





特にドラマも無くヒロインの私も含めて全員合格した。みゅー姫も超進学校けってこっちにくるらしい。蘭子ちゃんは大はしゃぎで


「みゅー、って猫とかじゃなくてタイヤの摩擦係数なんだな」

「よく間違われるんですが、父親が車好きなのでつけたのですよ、響きがかわいいとかで」

「みゅーって他には比増殖速度ぐらいか、思ってたほどキラキラしてないな。真紀さまはゲーム買ってもらったんだっけ」

「今は昔のゲームのレベルあげしてますよ、来週でる異世界ファンタジーものが届くまでのつなぎですね」

「いいねえ、解放された気分は最高だろ。唯も毎日登山出来て最高だろ、お金もたまるし、なによりだいぶ痩せたみたいだし」

「私もゲームしたいんですが」

「まあそういうなよ、そろそろ向こうも仕掛けたみたいだし、さらにギフトもらえるかもしれない」


  異世界のことをなにも知らない真紀さまとみゅー姫は、ギフトって何ですか、と聞いてきた、どうも蘭子ちゃんは二人に話すつもりのようだ、が、突然の来訪者が


「おじゃまします、蘭子さんいらっしゃいますか、ゴホゴホ」

「あー、子供のころのアナキンスカイウオーカーの仮装か、よくできているけどうちは盆踊りでしか仮装やってないよ、隣の神社の間違いじゃないかな。今調べてあげるね」

「いや、仮装じゃありません、カンナズキ様よりここに行くように言われました、勇者のスサノオです」

「え?!」


  突如現れた茶坊主のような少年が勇者を名乗ったので全員意味が分からなくなっているとさらに2人の男女が入って来た。女性の方は私達のためぐらいで


「わたしは勇者パーティの剣士、アナスタシア、そしてこちらが武闘家のアーノルドです、お見知りおきを」

「あの、魔王城の攻略は終わったんでしたっけ、とりあえずこちらにお入りください」


  真紀さまとみゅー姫は


「ゲームの宣伝か何かですか、できればタイトルを教えてください」

「いや違うだろ、違うことは分かるのだが、ああ、処理能力がついて行かない、どうしてもまともな範囲で結論に導けない」

「みたら分かるじゃない、これは冒険系のロールプレイングに違いない」


  めんどくさくなった蘭子ちゃんは


「いや、現実にある異世界から来たんだよ、並行異世界の日本から」

  

  


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