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Silent genes  作者: テクマ
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おおいなる実験

蘭子と愛の魔王は神社の事務所でお菓子を食べていたのだが。


「おるか?」

「えっ、はい、どちら様ですか?」

「お前が神か?」

「違います・・・けど」

「おう、じゃあワシが神でエエな」

「へっ、神ですか?こんにちは」

「あ、こんにちは」

「それで、何の神様ですか?」

「宇宙や」

「マジですか、それでぇ、どこから来ました?」

「柏や、千葉県の」

「関西弁ですよね」

「せやで、あかんか」

「いえ、そう言うわけではないのですが」

「そなな」


自称神様は上機嫌で帰って行った。


「今の人って」

「ただの変わった人だろう、最近暖かかったから」

「しかしビックリしましたね、異世界から来たって、そう言われたらどうしようかと思いましたよ、彼からはなにも気が感じなかったけど」

「そうなんだよ、私もそう思ったよ。

やっぱり気になってたけど異世界で雨後の竹の子のごとく神様や魔王が生まれてないかなぁと心配ではあったんだ」

「行ってみますか、ドラゴンも大きくなったし、番犬ぐらいにはなるかもだし」

「異世界の今の人が出てきたら面白いけど、そもそも神様と魔王が揃い踏みなら最強でしょ。異世界真紀さまとその愉快な仲間とも会わなきゃいけないし」


さっそく山の麓から異世界に入った。とはいえ連れて歩けないのでドラゴンは洞窟に置いてそとに出た。


「真紀さまの家はあっちと同じかな」

「感覚ではこっちですね」


しばらく歩くと、それらしい家があった。


「あ、すみません真紀さんいらっしゃいますか、高校の同窓生で蘭子です」

「真紀なら学校ですよ」

「あ、そうですが。帝国大でしたよね」

「はい医学部です。同窓会の話ですか?」

「そんなところですね、大学も同じなので」

「あらそうですか、ちゃんと単位とるように言ってくださいな、最近サボりがちで」

「はい、じゃあ学校で会ったときにでも」


大学にむかうことにした。


「大学か、しかも医学部とは。向こうの世界だと私とか唯が脚を引っ張っているのか」

「どうでしょうね、・・・彼氏じゃないですか」


どっと笑って、しばらく駅の方に向かって歩いていると、向こうの方から真紀さまが走ってきた。


「来たのが分かったので帰って来ましたよ」

「すごいね、分かるんだ」

「スマホに連絡あったので」

「ああ、それか。もう使ってるんだっけ。でも飛ばないんだね」

「飛ぶ?禁止されていますから。接触事故が多いから」

「そうなんだ、学校行こうか、お母さんから単位とるよう言ってれと指令を受けているから。

犯罪遺伝子はとっているんでしよ?」

「はい、とっています。授業サボるのは優先順位の問題で罪悪感ありませんから」

「そうなんだ」


などと話ながら大学についた。


「あんま変わんないな、こっちには私の居室が無いから授業まで食堂で話すか」

「いえいえ、ちゃんと部室がありますから」

「部室?なんかやっているんだっけ」

「エレガント神様部です」

「エレガント?神様部?」

「はい、エレガント。すでに神様部があるので」

「その神様部ってもしかしてイナザミ、イナザギとか祭ってるやつ?」

「顧問が神様で、そういう名前だったかな」

「じゃあそこ行くとイナザミ、イナザギと会えるんだ、なんだ簡単だね」


愛の魔王は困り顔で笑いながらうなずいた。


「今ではエレガント神様部の方が主流ですよ、あそこはもう邪教崇拝です」

「そんななっているんだ、それでエレガント神様部には唯とかいるわけ?」

「はい、先日異世界で見たメンツは全員勧誘しました」


そう言って胸を張る真紀さまに愛の魔王が。


「あれからなにか見えた?」

「私はどうやらヒール能力ですね、コールドスリープとか宇宙線による損傷の治療方法が浮かんできます。工学系だと留学生のステファニーさんがエンジニアだとおもいます、神様からイニシエーションして下さい、きっと悟りを開きますよ」

「いやいや、何かにおさまる気は無いけど、・・・まあ話してみるか異世界ステファニーさんと」


「真紀さまおるか」

「また来たか、山・神様部の人ですよ、神様というか仙人ですね」

「ワイが神様やエエか」

「今日はちょうどいい、神様を紹介します、神様はこの方です」

「なんやと、神様か、この人が。ふうん」

「しゃあ、ワイは神様の使徒になるわ」


蘭子は、それはうっとうしいと思った。


「いやぁ、あなたが神様だよ、どう考えても」

「ワイが神様かいな」

「そうそう、神様。間違いない」

「そうかあ、どっかで会ったか?」

「会っていません」

「しゃあないな、神様やるかぁ」

「じゃあ頑張って。

ところで何の神様?」

「宇宙船の神様やな」

「宇宙船、船?」

「せや、宇宙船や、線ちゃう船の方や」

「なんか見えてる?」

「見えとるで、色々とな、流体力学が専門やからな」

「船体の表面構造かいな」

「せやな、船の金属も専門になるけど船体の金属とか、でも金属はどうでもいいんや、その表面に流す魔力の性質が肝なんですわ」

「魔力か、人が流すのは限度あるんでっしゃろ」

「まあそこはやな・・・」


ニヤリとわらうと、蘭子もニヤリと笑って言った。


「うむ、私が神だ、よろしく」

「え?よろしくお願いします」

「私はね、君を試したんだ、どうやら最低限の知識を持っているようだね、これから私の使徒を名乗りなさい」

「おお、分かりました。これから使徒を名乗りますわ」

「うむ、で、どこから来たんだね、いや当ててみよう、千葉県の柏だろ」

「分かるんでっか?さすがやな。

ほなまた」


そう言うと帰って行った。

愛の魔王が。


「蘭子さんは犯罪遺伝子とってないんですね」

「どうだったかな」


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