積算
蘭子の研究室は珍しく居酒屋に集合して飲んでいた。教室で飲むのに飽きたのだ。
「何が手に技術だ、現代のロゼッタストーンなんだぞ、面白くないはずがないだろ、まったく今時の若者と来たら」
「蘭子先生とばしていますね、刺身の舟盛り頼みますね、うちらは手に技術つけたよな」
「そんなことより、堤くん、ホスト氏、オートチューンうまくできているか」
「できてるか?と聞かれたらうまくいってますな、出来てないか?と聞かれたら出来てないですよ、ホッケの焼いたのもたのみますね、やっぱりファクターを増やさないと、もっといろんなことが出来るはずですわ」
「今でも最適条件なら人を炭に出来るぐらい出力上がるんだからいいだろ、じゅうぶんだろ」
「熱核分裂出来そうなんですよ、レッドアイたのみますね、プラズマこえたいでしょ、普通」
「期待していたほど核分裂している物と人との距離がとれないんだよ、私に熱燗たのんで、お前らさ中性子浴びちゃうの怖がれよ」
「そこなんですよ、おにぎりたのみますね、ヒールでなんとかならないかと」
「人体実験出来ないよ、でも出来そうな気はするけどね、おにぎりとかお前らもう帰るのかよ、宇宙線を浴び続けても治せてるっぽいもんな」
「宇宙線って、またどこかで実験進めてるでしょ、おにぎりやめて焼そばにします、それ興味あるわあ、ディスクローズしてくださいよ」
「楽しい実験結果をホイホイ教えられるか、私の焼そばも頼んでくれ、教えない方が公共の利益になることが山ほどあるんだよ」
すみで飲んでいたティファニーさんと先生が話にわって入ってきた。
「まあまあ、ああいいながらもちゃんとやってるじゃないか。それで宇宙船の素材で何か言ってなかったか」
「数ミリ秒存在できる新規原子を核にして塩を作る。ここまでだ、残念だな」
「そんなはずは無いだろ、でももうちょっと魔王への段階を進めないと出て来ないんだろうな」
「進めると出てくるが、それだと飛び立つときに破壊されるだろうな。自前で作る、少なくとも作った風にするのがいいのだ、だからヒントはもらうがあくまでも自分達が考えるんだ」
「しかし加速機で作る程度の微量物質で宇宙船は作れないからな、そこら辺に飛躍があるよ、どうするつもりなんだろうな」
「そりゃそうだろう、飛躍だらけだ。でも愛の魔王は無限の時を持っているが実際に作る普通の人は普通の人生だからな、普通の人に教えて作れる範囲だよ、数十年の科学的な発展で実用に耐えうるものが作れると考えるのが普通だ、それプラス、彼女達が指導して教えられる魔法を触媒にしているんだろ」
「魔法か、まさか自分もそっちに手を出さないとダメとわな」
「諦めろよ、これが近道なんだよ」
「まあまあ、私も今色々と思い出してますから」
「愛の魔王はさ、お酒減ってないじゃん、今はリアタイで見えてないの?」
「そうなんですよ、ウオッカなんでチビチビやってます、少し後退したみたいですね、そこら辺の感覚が分からないんですよ」
「やっぱりイケイケじゃないとダメなんだ、酒強いんだ、ちょっとイケイケになってみてよ」
「どうかな、酒はほどほどですねアナスタシアさんに教わったんで今はウオッカですけど、まあお酒では誘導されないのは確かだな、悪の心か神のような心を持たないとダメかも」
「なんだろうな、私もウオッカ、唯もいくだろ」
「私はカルピスサワー専門です、専門がカルピスサワーです」
「なにいいなおしてるんだよ」
急にバタンと蘭子は倒れた、愛の魔王とみゅー姫が心配して近付いて、ヒールをかけようとしたが皆は余裕で、
「せっかく飲んだアルコール消したらもったいないよ」
と、ステファニーさんの先生が言った。続けて
「堤くん、カードある?」
「あずかってます!」
「よし、研究報告会後の懇親会の2部に行くぞ、その前に全部たいらげろ」
「はい!」
翌日
愛の魔王のイントロンをあらかた調べて、データベース上のイントロンを片っ端から検索をかけていった。数字が多く記載されているあたりを設計図あるいは素材のデータがあると考えて重点的に解析を行った。
蘭子は頭痛のする頭でカルピスサワーが専門の唯と話していた。
「参ったな、桁が経験したことのない〇の数だ、わかっている範囲でも積算すると大きすぎるよ、プラチナは今時点で人類が発掘している量の30%が必要、産業分野がすべて製作にまわらなければ成立しない。昔のってきたとか言う宇宙船のプラチナはどこ行ったんだよ」
「行方不明です、つまり今時点ではほぼ不可能ですよね、笑ってしまいますよ」
「そして、地殻だけではなくマントルからも資源を集めろと来たね。
大魔法かよ、天変地異を引き起こせるような大魔法ですいとるのか。
まあいい、ここでつまってもしょうがない、実際に宇宙船を作らなくてもいいんだから、全部解明するんだ」
「錬金術の手法があるかもしれませんね」
「だとしたら可能性は上がるが、どうなんだよ金を山ほど作ったらえらいことになる、まあ市場に出さなけりゃいいんだけどさ」




