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Silent genes  作者: テクマ
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実践

「それではこの映像から分かることをコメントしてください」

「はい、生放送ではないのですね」

「それは無理でしょう、私達もどう扱っていいのか分からないですし、帰ってきてから嫌がる自衛隊に専門家をやっと紹介してもらったんですから」

「わかりました」


「ではこの鯨を補食しょうとしている映像ですが」

「これは遊んでいますね、こんなにデカイ鯨は食べられませんから、鯨の方ももぐって逃げられるのに潮を吹いているからそれに答えているんだと思います。両方とも知能が高いので」

「では次の」


草むらに入ると卵があり幾つか孵っていた。蘭子は腰が抜けるほど驚いたが平静をよそおって。


「あ、ここで繁殖していますね。スズキとか食べているのかな、ブラックバスに似てるから」

「次の映像にあります」


マグロを口にくわえて巣に帰ってくる映像があった。


「あぁ、へー、グルメですね、こんなに沢山の餌があるから子育てにむいているんでしょうね」

「先生、ここからなんですよ」


マグロを自衛隊と米軍の兵士に渡してかわりに鶏肉をもらっていた。


「あ、あー、鶏肉が好きなんだ。へー、へー、自衛隊の人達は大型のトカゲがいるぐらいに思っているんでしょうね、へー」

「我々も戦没者追悼で行っていたクルーがたまたまとったんですが、何ですかこれは」

「どうなってるんですかね、マグロと鶏肉を物々交換している兵士に直接聞けば良かったのでは」

「そんなことして我々が帰ってこれないと困るじゃないですか、国家機密レベルですよ」

「そうですよね、まだ知られてない動物がいるんでしょうかね」


蘭子は全力で適当に相手をして帰ってもらった。部屋のすみで姿を消していた学生があやしいので話しかけた。


「あれってなんでマグロとっているんだ」

「ホスト氏が夜中にマグロの刺身与えていたからだと思います」


ホスト氏はしょうがないので


「チュールみたいに食いつくかと思っていたけど、それほど旨そうでは無かったんですよ。でもこっちが旨そうに食っているのを観察されていたみたいですね、やられたなぁ」

「他にはなにやった?」

「クジラですかね、堤くんが飲みすぎてやらかした時に外に出していたんですよ。そう言えば楽しそうに堤くんのまわりを飛び回っていたな」

「なにやってンだ、だがそんなことはどうでもいい。逃がして確保することが困難だから放置したのもいいとしてなんであんなだだっ広いところで巣を作っているんだ、普通なら火山地帯で岩を自分の炎で焼いて身を隠すんだぞ。洞窟でもまわりじゅうを黒こげにしたのに」

「自分よりも強い存在がいないから安心しているのか、あるいは、仲間に存在をアピールしているのかも」

「この世界にもドラゴンがいるんですかね」

「いるじゃないか洞窟に、あいつらが危ないぞ、後を追って行くかもしれない」

「あそこは硫黄島のおりよりも何倍も丈夫ですよ」

「奥にもう1個扉があるんだ、奥多摩の鍾乳洞につながっているから、そこも鉄格子で閉めたが、神社側よりも弱い」

「空いても奥多摩まですごい距離があるから出られませんよ」

「鍾乳石が龍のいるダンジョンになるだろ、もう回収出来なくなる」


鉄格子の様子を見に行くことにした。山の空洞の入り口には何事もなく扉から入るとドラゴンが集まってきた。ドラゴンが蘭子にホホをよせてじゃれついてくると


「我が子供達よ」

「完全に虜になっていますね、しょっちゅう来てたでしよ」

「しょうがないだろ可愛いんだから。まあいい、鍾乳洞への入り口は左側を行けばいい」

「んん、ドラゴン達、左に行くのを邪魔してませんか?」

「お前らー道を開けろ!」


ドラゴンは道を開けた。しばらく歩くと鉄格子があった。ドラゴンも後を歩いて来た。


「鉄格子は破られていますね」

「ブレスで炭化させて柔らかくなったところを体当たりで壊してるな」

「どこまで行ったかな」

「お前ら点呼するぞ並べ」


ドラゴンは並ぶと蘭子は数を数えた。小さいのが三匹いなかった。


「逃げたな、お前らも共謀したか、いい根性だ、当分喉に刺さるブルーギルしか与えん」

「それはひどい、せめて草ガメにしてあげてください」

「そんなことはどうでもいい、お前らはここに残るんだな?」


全員うなずいた。

蘭子は日原の鍾乳洞のあたりに行くと入り口から何かがすりでるような音がしたので行ってみると、ちっさいドラゴンが二匹まさに這いずりでて来るところであった。


「あと一匹は」

「上です」


空にせんかいしている個体がいたので呼び掛けたが返事もなく二匹も飛び立って合流すると南の方角に飛び去っていった。


「あー、あいつら小さいから餌を回してやったのに恩をあだで返しやがって。しかし、まあいいか、今からなら夜になるからまっすぐ島まで行けばばれないだろう」

「まあ、まっすぐ行けばいいんですけど」

「他のも行けばいいんだよな、穴の中よりも島の方が健康的だよ」


だが他の個体は外に出ていこうとしなかった。


「録画を見せてやろうか、島の華麗な生活を。そうすればきが変わるかもしれない」

「憧れますかね、ハワイの観光ビデオみたいに魅力的とも思えませんが」


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