らいじん
「ダレも来ないな」
「は?」
「彼以外ダレも研究室の志望者がいないんだよ」
「なんででしょうね?」
「あれかな、名前じゃないですか、オカルトとかつけるから」
「それかな、それだよな。今から変えるか。何がいい」
「異世界とか魔法遺伝子とか」
「若干良くなるかな」
「サイレント遺伝子研究室、ではどうですか」
「それだ、それだよステファニーさん」
「てか、そのまんまズバリですよね」
「これで申請しなおしてくるよ」
色々変更しないといけないので正式には来年度からになったがとりあえず名乗ってもいいことになった。
「ひゃー何とかなりそうだ」
「いい人材が来るといいですね」
しかしいちど付いたイメージは消えず、もう1人あずかりがきただけだった。
「いゃーあ、単位がたりなくてあがれないかもなんですよね」
「ホントだ、何やってたの?体育会とかサークル?」
「ホストなんですよ、上野の」
「上野にホストクラブがあるんだ」
「そうなんですよ、あ、大丈夫ですよ金持ちの女性しか相手にしませんから」
「へんな三角関係作らないでくれよ」
「大丈夫ですプロですから」
とはいえ学費と生活費を自分で工面してる苦学生の一種であったが。
「すんませんけどこれから部屋の前にある実験室で寝泊まりさせてもらいますね、家がないので」
「まだ機器は搬入されてないからいいけど今までどうしてたの」
「先輩の家に居候です。でも悪いじゃないですか、彼氏を連れてこれないし」
「その話は詳しく言わなくていいよ」
彼は寝袋を持ってきてひいて寝た。
「たくましいなあ、これは当たりかもしれない」
「今度の先輩はサバイバルに強そうですね」
「人類が滅びても生き残りそうだ」
「ゴキブリですか?」
「うむ、これは嬉しい誤算、どんどん強い手駒が集まるよ」
ある日、CIAとZOOM会議をした蘭子は
「ついに分かったよ、ハワイの大学でアーノルドさんに遺伝子入れたのは予想通りあの教授が主導したみたい、だけどその作業は民俗系の彫物師だ、その彫り師の指には遺伝子が導入されていたのでわかった。おそらく指の傷から入ったんだろう」
「刺青なら深く針は入っていないのでは」
「そうだ思ったほど化け物になってないかもしれない」
「こっちはさらに効率をあげるために、自動刺青彫り器を購入して彫る、彫りまくる」
勇者氏は
「じゃあ俺は龍がいいかな、風神と雷神にしようかな」
「いや色はつかないから安心して」
「えーそうですか、向こうはヤクザ文化が残っているから若者の間で流行っているんですよ」
「なんでそうなるんだ」
「だってヤクザは犯罪抜きの任侠だけなら結構好い人達なんで好かれているんですよ」
「墨いれたかったら後で自分でどうぞ、そんな予算降りないよ」
堤氏も入れることにした、そして
「私達は入れませんから」
「ああ、唯たちはいいよ私も入れない、私達はつけても筋量がそれほど増えないから効率が悪い。CIAからも志願する人達が入れるが女性は入れない」
だがホスト氏も入れることにした。
「マッチョは結構もてるんですよ、それに食費が浮くみたいだから」
「そこね、まだ全体像はわかってないだろうけど。それでステファニーさんも入れたいの?」
「ええ、今のモデルはお尻とか肩まわりに筋肉がついていた方がいいので、部分的に入れたいなと」
「まあいいか、十分予算はあるし」
そこに1人の女性が入ってきた
「話は聞かせてもらった、私もいれます」
アナスタシアだった。
「それなら私達も部分的に入れるか、なんか入れないの逃げているみたいでカッコ悪いし」
結局全員入れることになった。
自動刺青彫り器を納品したので入れることになった。
「さあ、機械もきたし入れるか」
「もしもし、刺青なら資格いらないかもしれませんが注射なら医師が必要では」
「みゅー姫がいるじゃないか」
「私は医師免許持っていませんよ」
「じゃあ医局から呼んでくるか、誰か暇そうなのを」
しかし結構忙しそうで相手にしてもらえない。
「そうだ防衛医大があるじゃないか、勇者氏から防衛研究所を通して頼んでもらえないか」
「そうします、適当に打たれても困りますから」
すぐに医師がきたが
「話は聞きましたがこれでやるんですか」
「ええ、お願いします。CIAやアメリカ陸軍からも見学に来ますからよろしく」
「ちょっとマニュアル読ませてください、それほど難しくなさそうですが。全身麻酔した方がよさそうですね、途中で体を緊張させると位置がずれてしまうかもしれない。針の深さを調節するのに少しコツが必要かな」
「打つのは背中、僧帽筋、胸筋、腹筋。様子を見て大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリング、と外側に向かって」
「首から下に全部ですね」
「分かってらっしゃる」
「1日に1人のペースですね」
さっそく勇者氏から打って行った。
「結構グロいですね」
「思ったよりも痛そうだ、しばらく全身かさぶただな」
「終わると全身包帯か」
だがためらいもなく皆が打ち終えた。
「私らは部分的なのでワクチン注射ぐらいのダメージだね」
アメリカ組は10人打った、向こうの世界の職員30人がアメリカで打つことになり防衛医大の医師をアメリカに連れて行った。




