とれーす
「昨日帰るときに変な人に呼び止められましたよ」
「春先は変質者が多いよな」
「蘭子先生の研究室志望者ですからその通り」
「もしかして、あのあのですねえ、って感じのしゃべり方の?」
「それですよたぶん」
「聞いてるよ、成績いいから志望したら来るよ」
「そうなんですか、研究室の雰囲気聞いてきたから、いい、って答えたから志望するでしょうね」
「まあ来年だね、今年は教授の所にあずかりでどうなるか」
「私達の先輩になるわけですか」
「今でも先輩じゃないか。そうか君たちも志望だなんだね、頑張って准教授にならんと」
「私も来たいですね、楽そうだし」
「楽ではないぞ、まあみゅー姫はヒーラー目指してくれ、医師免許持ってる人材がほしい」
「了解しました」
「男子禁制が早々と破られるな」
「ではステファニーさんも加えてやってくれたまえ」
3年前から今までの論文を読むのだがなかなか終わらない、最近はお菓子をたべながらのんびりになってきた。この前見つけた論文にたいするCIAの調査結果も来ないのでダレてきた。
「勇者氏は食っちゃ寝の生活?」
「そろそろジムでも通おうかと思ってますよ」
「いや、食わずに寝ていてくれ」
「辛いですよ」
「脂肪を落としたほうが針の通りが良さそうだ」
「まあ、イヤとは言いませんよ、やるならやりますよ、でも勝たせて下さいね」
「うむ、打ち終わったら1日5000kcal以上食っていいから。しかも国の金でトレーニングだぞ、オリンピック選手のようだ」
「まいったなナショナルトレーニングセンターですね、がんばります」
「いや、九重部屋かもしれん」
「脂肪でも良いんですね、じゃあ食っちゃ寝で行きますよ」
「バカ者、力士の脂肪は以外と少ないんだぞ筋肉の固まりだ、体脂肪率20%なら160kgまで増やして脂肪を落とせば良いのではと思ったもんだから」
「朝早いの苦手ですよ、それにぶつかり稽古までしたら魔王と戦うまえに病院送りです。脂肪が魔法の発現を送らせるとの論文を探しますよ」
「あると良いねえ、論文」
「合コンとか行かなくていいの?」
「高校の友達のつてで行きましたけど、こっちの男との合コンと引き換えにすると色々と上物の合コンに行けるんですよ。特にみゅー姫の持ち駒が最強すぎて、その生け贄を使うとどんな合コンにでも参加出来てしかも女王のように皆が持ち上げてくれるという」
「それあるな。真紀さまは?」
「真紀さまは一段高い所にお行きになりましたので」
「卒業旅行の時から怪しかったもんなぁ、高校のか?」
「それが先輩らしいですな」
「そうか、幸せになるといいねえ」
「最近隠さなくなったので学内でバカップルぶりが見られるかもしれません」
「おっと、この論文は来てるね。前に唯が見つけてくれた人と同じグループだよ。もうこの人のとこ行って拳銃つきつけてゲロさせたい気分」
「行きますか?」
「いやCIAにまかせたからな、勝手に動けない」
「こっちも怪しいですよ、Scifinderの特許にあった自動刺青彫り器、筋肉組織まで到達しないで着色、つまり調節しだいで到達できるってことですよね」
「インクジェットみたいな感じで彫りまくるのか、しかも3Dスキャンしてからだから正確。2年前に公開されているから3年前には物は出来てるな。WIPOで詳細見てCIAに送るか」
変質者くんが来た。
「ああああの私3回生の堤ともうしまます」
「ああ聞いてるよ、ああんまりうちのバイトを驚かさないでくれたまえ」
「そそそそのようなつもりは有りませんでしたがすすみませんでした」
「うみゅ、それでうちは何をしているか分かっているの?」
「ははい、オカルトの研究う、と言ってももかなり角度の高い所をおやりになっているようでで、研究う結果も非公式きに積み上げているとか」
「うん、これは国家事業で外為法に抵触するから秘密にする義務があるが黙っていられるかね」
「はははい、このような最先端の研究うにさささんか出来るのはひひ非常に光栄に思いますう」
「よしよし、ではこの守秘義務に関する書類にサインをしたら決まりだな、暇なときはうちに来て論文読むバイトでもしてくれ、バイト代は払うから」
変質者はものすごい勢いで帰っていった。
「オカルトなんですね、この研究」
「オカルトと言うと聞こえがわるいが、遺伝子工学でもいいけどそっちが好きな真面目な学生が集まると人生ふみ外すから。ネットで陰謀論とか見て楽しんでるようなのがちょうどいいんだよ。それにオカルトもちゃんとした学問分野だよ、例えるなら漢方薬に使われる植物から有用物質を取り出す感じの仕事、混沌として分からないときは何となく利いてる感じだけど取り出して構造解析して薬理効果証明すると西洋医学の薬になる感じ」
「ところで私達はふみはずしていますか?」
「いやいや、踏み外してないよ、だって陰謀論とか好きだろ、と言うかその現実を知っているからさ。これが好きな人はこれがまっとうな道なんだよ」




