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Silent genes  作者: テクマ
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仮装大会

ホテルにチェックインした蘭子一行は、ちょっと疲れていたがうかれていた。


「いい気候だねえ、ちょっと肌寒いがいい感じだ」

「自分はまだ飛行機に乗っているようっす」

「じゃ、昼ご飯は、ハンバーガーにポテトってことで。しばらく休んだら出かけますか」

「そして、ハリウッド!直行ですよね」

「そうするか、仕事人としてははやく済ませたいものだ」


スマホをいじりながらみゅー姫が蘭子に質問した。


「ところでmagic_rankoをダウンロードしたんですが、このアイコンをクリックするとして。HがヒールでFが火ですよねWaが水Wiが風ですか」

「そう、押して、後は念じる。強さはボリュームで調節。簡単だよね」

「みゅー姫にヒールかけてもらおうよ、みんな疲れているから」

「おう、任せとけ。ヒーーーーール!」

「ちなみに言わなくてもいいからね」

「無詠唱っすか、これはすげえ。胸を攻撃されても魔法を発動できますね」

「んーーー、なんか徹夜した後にユンケル飲んだみたいになります」

「どんな女子高生だよ」

「家族麻雀とか受験ですね」

「効き目があって良かったよ、ただ内科と外科でとった混合だから、眼科と皮膚科なんかはきかないかもしれなんでよろしく」

「皮膚はまだ大丈夫なんで、5年以内によろしくお願いいたします」

「曲がるのはまだ先だよね」

「いやいや水虫とかあるだろ」

「無いですよ」


ろくに休まないまま昼食をとってアーノルドとの面会にむかった。


「蘭子さん、この武器はどうします」

「まあ仮装行列に行く感じで持っとけばいいんじゃない。そんな変な感じはしないなハリウッドに溶け込んでいるよ。

やあMs加藤、アーノルドさんは来ていますか」

「ええ、もうスタジオに入っています、みなさんのことは知らせていません。スタッフは全員CIAの職員ですから安心してください」

「よし、さっそく行きますか」


全員恐る恐るスタジオに入って行った。だが速攻でアーノルドに見つかった。


「よお、蘭子じゃないか、久しぶりだな。まあ怖がるのもしかたがない、魔王だったのを隠していたから。しかしたいしたことはしていないんだ、腕っぷしが強かったから少しばかりいい思いをしていただけで、人を食ったりはしてないんだぜ。ハハハッ」

「・・へえ、もうだいぶこっちの世界になじんだみたいですね、犯罪遺伝子も取り除いたとか」

「そうなんだ、お前たち持って来たんだろレポータージーン入りの注射器を俺に刺してみろよ」


アーノルドは着ていたシャツをめくって背中を見せた。


「遠慮はいらない、刺してみろよ、プスっと。ハハハハハッ」


  蘭子は展開が早いのでどうしたものかとMs加藤を見ると、どうぞ、と言ったジェスチャーをしたので杖で軽く刺した。アーノルドはすぐこっちを向くと顔を突き出して、どうだ、と言った。


「今すこし赤くなったのは美しい女性を前にしててれたんであって、レポータージーンのせいじゃないぜ」

「それはそうとして、まったく反応しませんね。これはもう犯罪遺伝子が取り除かれていると考えていいのかもしれません。それで・・」

「ハハハッ、お墨付きをいただいたな。これで濡れ衣がはらされたよ」

「・・刺したところを見せてもらえますか」


  アーノルドはシャツをたぐって背中を見せた。蘭子は一目見ると


「ああ、大丈夫ですね。レトロウイルスの抗体を持っていたら刺したところがオレンジ色になっているかな、と思ったのですが。それも無いです」

「ハハハッ、素っ裸になろうか、市販のレトロウイルスをアジュバンドで乳化させて皮下に打った痕跡など無いぞ」

「うん、後の判断はCIAさんに任せます」


蘭子たちはスタジオを離れてディズニーランドにむかった。


「なんというか、用意周到じゃないかな。レトロウイルスのことなんかも」

「淡々と演技をしていた印象があります。これで良かったんですか」

「しかしこれ以上となるとかなり高度なごまかしになるからアーノルドだけでは無理だな」

「例えばなんです」

「クロマチンからDNAをほどけないようにしている、とかかな。古典的なアロステリック阻害もあるだろうけど。闇ルートの通販で入手して小手先でなんとかできるもんじゃない。もしそうだとすると手を貸したのはCIAで敵だと言うことになるけど、私達をだます意味がないもんな。

まあ無いな、無い、後は楽しく遊ぼうぜ」


ディズニーランドではしゃいだ後、ご飯を食べてホテルに帰ったのだが。


「あれ、なんか微妙に違うな、カバンとかの位置が」

「部屋の掃除の人じゃないの」

「それなら明日じゃないかな、メイドさんが入ったら片付けるはずだけど、何も片付けてない。コソ泥かな」

「だとしても何もとられてない」

「ジャパニーズ女子高生が好きなやからじゃあ」

「いや、普通一日履いていた真紀さまの靴下を持っていくはずだよ、これは女子高生好きの変態じゃないな」

「確かに、おこずかい程度しか持っていないもうすぐ女子高生ではなくなる唯とみゅー姫の部屋に空き巣にはいらないよ。蘭子さんは何かとられていませんか」

「私は、大丈夫よ。コソ泥とか気のせいじゃないか」


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