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Silent genes  作者: テクマ
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仮装大会

「アーノルドに似たスタントマンは魔王だ、と、CIAから返事が来たわ」

「マジっすか、大丈夫なんですか」

「こっちでは魔法も使えないし、それにCIAが犯罪遺伝子を取り除く処置をしたらしい」

「ってことはグリーンカードを持っているということですね、うらやましいです」

「そうなんだ、だが、だがだよ、驚くのはそこでは無い、こっちで犯罪遺伝子を取り除く処置をした、というところだ」

「もしかして、USAはあっちの技術を持っているということですか?これはすごい。というか日本は追い越されていませんか」

「そうだ、だがだよ、ここまではもしかすると純粋にこっちの世界の遺伝子工学の技術を異世界の技術で上書きしただけかもしれない、これならば別にショックを受けないのだが」

「これまでの発現実験は無駄にならずに済むわけですか」

「ということだ、心配せずに受験頑張ってくれ、優秀な後輩が来るのを待っているぞ」


しかしそこから遊んでしまった、センター試験でやらかしてしまってなんとか足切りはまぬがれたものの、絶望的な状態になった。


「まあ来年があるさ、唯さあ、今回は記念ってことでいいじゃん」

「嫌です、理科二類に変更します」

「・・おまえ一類で出していたのか。じゃあ理科二類でいいんじゃない」

「真紀さまが一類に行くと言うから」

「オリハルコンとかアダマンタイト作るとか言っていたから工学部に行きたいんだろ。

難しさはそんな変わらんけど、まあいいか」


だが変更せずに受験した唯は本番の強さを見せてなんとか合格した。


「奇跡だよ、暗記がダメだったからな粘りがないから、そのかわり筆記に強いから後半追い込んだんだ」

「魔法のおかげですよ」

「まあチートだな、しかしここから好きなことを伸ばせばいいよ。で、真紀さまとみゅー姫はどうだった」

「二人とも合格です」

「そうかそうか。これで剣士と魔法使いにヒーラーと賢者がそろったな」

「え?賢者って」

「私だよ唯君」

「え、ああ。でも真紀さまは生産だからドワーフでは」

「そんなこと言ったら剣士は体育大から連れてくることになるだろ、これでいいんだよ、そもそもチート使うんだし」

「私が魔法使いってのもどうでしょうね。理学部で化学者目指せばいいのですか」

「昔の魔法使いは化学者だが現代の魔法使いは遺伝子工学者だからな。農学だろうと薬学だろうと遺伝子はできるからどこでも良かったのだが、せっかく来たんだ鍛えてやるよ」

「あれ、蘭子さんは農学ではないのですか」

「おまえ私を避けるために理科二類を敬遠したのか」

「そういうわけではありませんが、少しのんびりしたかったので」

「まあしばらくはのんびりできるよ、研究室を選ぶ時までは」


  蘭子はため息をついたが、これによってある計画が始動した。


「じゃあ卒業旅行だ、ハリウッドに行きたいかー!」

「・・おお!」

「元気が無いな、何か心配事でもあるのかな、はい、そこの真紀さま」

「手をあげていませんが、ハリウッドにはアーノルドさんがいるのでは、ちょっと心配ですね」

「まあCIAの頼みで会うのだが、心配するな普通の強い人だ、CIAのエージェントも立ち会うよ。会った後は遊んでいいんだ、これで旅費もホテルもただでおこずかいももらえるんだよ」

「やはり。会ってどうするんですか、私達を見て犯罪的な狂暴性を出さないか見るとか、ですか」

「するどいね、その通りだ。もしかしたら隠しているかもしれないだろ。最近さかんに向こうの世界に帰りたがっているようなんだ。表向きは、並行異世界で本当のスターになりたい、とか言っているようだが、みんな疑っているんだよ。もう魔王としての顔が売れているから無理だと思うのだが、人権っていうのもあるからさ」

「まあ、確かに怪しいですね」

「犯罪遺伝子が取り除かれていなかったとしても、こっちにいる間は普通の人だから安心だし。なにしろ向こうの魔王の座から引きずり落とした我々を目の前にして平常心が保てないだろう、ということだよ」

「ではまた足軽グッズを持っていきますか」

「いや今回は、剣は3年前のままだが、魔法使いと賢者はこの木の根っこみたいな棒の先に針をつけたので、ヒーラーはこのゴテゴテした棒に針をいっぱいつけておいた。これを使いなさい」

「FDAの許可がおりるとは思えませんが。それに魔法使いって言ってもおばあさんが持っているやつですよ」

「そうか、じゃあ取り箸みたいなのかな、みじかすぎないか。やはり相手と距離をとれないと危ないからな」

「ほら、このスマホの画像にあるデッカイ宝石のついているやつがいい」

「振り回すのたいへんだろ、しょうがないなその画像送ってくれるかな、3Dプリンターで作ってみるよ」

「じゃあ私の剣もこの画像のレイピアにしてくださいよ」

「ああ、それは3Dプリンターじゃ強度がな。まあ送ってくれるかな、旋盤が使えたら作ってみるよ。みゅー姫は何か注文ある」

「私はこのゴテゴテした棒でいいです、すこし色を塗ってみます」

「これ!これだよ、みんな見習って。物にこだわらないって社会に出てから大事だから」

「わかりました、社会にでたらそうします」


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