新たなる何か
「バックグラウンドをスキャンしたから、ハイどうぞ」
シュボ
「いい火ですね、そのまま続けましょう」
「あの、蘭子さん、この体中に巻いたアルミホイルはなんでしょう」
「いい質問ですね、余計な電波を遮断しつつ内包されている電波を受信するアンテナなんだね」
1時間経過
「はあはあ、ちょっときついですね」
「はいそこしゃべらない」
「・・・」
2時間経過
「ちょっと休憩するか、はい30分休憩、あと1時間だ」
「魔力は回復するのだろうか」
「私の感じだと5分だな、5分で回復するが、まあ気持ちも下がているから30分だ。トイレに行きたい人は今のうちにどうぞ」
・・・・
「ハイスタートするよ」
3時間経過
「ハイお疲れ、皆さまのボランティアに感謝します」
「ボランティアとか言わないで、糖分が足りない」
「しょうがないなじゃあ3人はココスでパンケーキ食べ放題にドリンクバーだな、カンナズキさんはこんど飲みに行こう」
もどってきてお茶をした。
「勇者氏、どう、そっちの平和ぐあいは」
「ええ平和ですね、穏やかで。向上心もあがって発展しているのも感じますよ」
「でさ、勇者氏さあ、彼女出来た?」
「ええ、できました、さすがに勇者ですからかなりもてますよ」
「・・ほう、写真とか持ってる?」
「これですね」
「スマホ!いや、それよりもかなり美人じゃん」
「実は東京だけ電波入るようになったんですよ。ああ、彼女っすか、ハハハッ、それほどでもないっすよ」
「それなりに満ち足りた生活してるんだ、それに比べて私達は」
「唯氏とみゅー姫氏は彼氏いるんですよね」
「わ、私達は、ねえ、みゅー姫氏どうなの」
「彼氏作るとか合理的じゃないから作らないし、でも真紀さま氏は・・」
「ええ、彼氏おるんかい」
「まあここだけの話、今日来れないのは彼氏氏との約束が先に入っていたからだと噂が」
「マジかよ、女の友情なんてこんなもんだわ、ハッ、ですよね蘭子さん氏」
「だね」
「あれもしかして蘭子さん氏は・・」
「環境が悪いんだよ、ほら、朱鷺いるやんニッポニアニッポンだっけ、あんなけ環境整えないと繁殖しないだろ、それなのになんだよ、この劣悪な環境、ホモサピエンスとして繁殖に必要な最低限の要件を満たしてない、これは政治が悪いんだよ、政治がさ」
「問題点を大きくしてごまかしましたね、これは使える、こんど使ってみます」
「お、おう、パテントはとってないから自由に使っていいぞ」
「ちなみに向こう側の日本では朱鷺が繁殖しすぎて田んぼを荒らす害獣です」
「そうなんだ、みんなで向こう側に移住するか。キャハハハハハハハハハッ」
楽しい会話を楽しんだ後、勇者氏をむこう側に送り返して、データ採取は終わった。
2日後
「どうでした、解析の結果は」
「スパイク状の周波数がいくつかあったのだ、そこでその周波数を私で試したのだが魔法が発現しないのだよ、もちろん組み合わせも試したがなぁ」
「やっぱり強度ですかね」
「強度はあるだろうが個人個人に特異的な強度は無いのではと、おそらくそれはボリュームだと思うんだよな。そこで考えたんだ、外に出ていたら他の人にも魔法を発動させるだろ、外に出ているのを測定したからダメなんだ、体内を伝っている状態でないと」
「いやな予感がします、その日は彼氏氏と約束があります」
「いや彼氏氏はいないだろ、でな、確かに腸内細菌は隔離された状態だが内部を伝達した何かに誘導されて魔法を発現した、だから電極を差し込んで測るのはアリだ、だがそんな実験はわたしも嫌だ。そこでだ、ジャジャジャジャア~ン、骨伝導マイク。とりあえずこれで試そうと思う」
「とりあえず、というのが気になりますが、これなら協力してもいいですよ」
「うむ、ありがとう唯氏、報酬としてココスのパンケーキ食べ放題を期待していい、もちろんドリンクバーも」
「やりましょう、科学の発展のために」
またカンナズキ氏のところで測定することになった。だが今度は個々にデータをとることにした。
「24チャンネルあるからこれで個々にとれる。骨伝導マイクを収音に使うと言ったらアキバで、何に使うんだい、ニヤニヤ、とかされたがそんなことはどうでもいい、科学のために捨てる自尊心もあるんだ、はい、でははじめようか」
「いろいろと捨ててますね蘭子さん氏、準備OKです」
「でははじめてくれたまえ、私がスタートを押そう」
シュボ
「慣れたんで楽ですね」
「はい、そこしゃべらない」
「・・・」
3時間経過
「ハイお疲れ、どうだね、1/fの効果はあったかな」
「癒されましたよ、ですが糖分が欠乏しました、ヒールをお願いします」
「ではまた神殿にむかうか」
ココスで癒すことにした。
「勇者氏どう彼女とうまく行ってる」
「いやあ、わかれました。性格が合わないってやつですか」
「へー、すごい癒されるわ」
「え?何かいいましたか」
「ん、いや、パンケーキうめー」
「で、次の彼女の写真見てもらえますか」
「なんやて、超美人さんやん、どこで見つけるの」
「渋谷ですね、モデルさん体型が多いのはそこですよ、こっちではどうですか」
「ああ、確かに無駄にスタイルいい子は多いよね」
結果が気になるふりをしながら存在を消している蘭子さん氏の運命はいかに。