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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
二章 ドラゴン・バケーション
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第41話

 何はともあれ情報が足りない。ここは素直にチュートリアルを聞くべきだと大助は判断した。画面右上で激しく自己主張する「説明を聞きたいならここを押しなさい!」ボタンを大助はタップする。


「世界レベルが2になったみたいね。おめでとう。ここまで辿り着けた事は称賛に値するわ」


「過ぎた力は身を亡ぼす。欲望のコントロールができる生命体っていうのはとても貴重なのよ。……ぶっちゃけると、大体のプレイヤーは一か月以内に何かしらやらかして死んでるわ」


「さてさて。世界レベルも上がったというわけで、いつまでも声だけというのは味気ないでしょ?そこでこのチュートリアル機能も進化したわ!これからは映像付きでお届けするから喜びなさい!!」


 大助のスマートフォン上で強制的に映像が再生される。そこにはどこか禍々しい雰囲気をしたウサギ耳の少女が鬼の仮面を被りながらアプリの解説をしていた。その綺麗な銀髪の頭部からは耳とは別に捻じれた黒い角が4つ生えている。


(…なんか女神というよりも邪神って感じがするんだが)


「ふふふ。画面の向こうの声が聞こえてくるわ。「ああ、なんて美しい御方なんだ!」という声がね!…あらやだ。褒めたって何を出ないわよ。まあお菓子ぐらいなら上げちゃうかもだけど」


(そんな事1ミリも思ってねえよ…)


 本題から逸れて自画自賛の暴走を始める司会者。その姿に呆れたのか鬼の仮面を被った別の人物達から注意の声がかけられる。


「…バカな事をしてないでとっとと本題を話すべき。…あの人もきっと困ってる」


「その通りだぞ。というかその口調は何なんだ?全然似合ってないと思うんだが」


「ちょ、ちょっと!?これ今収録中なんですけどぉ!?というか私がどれだけ無理してこのキャラを作ってるのかあなた達には分からないんですか!?」


(…なんか喧嘩が始まったな)


 大助が呆れながら画面を見ていると、ようやく話し合いが終わり、機能に関する説明が始まった。


「……え~大変お見苦しい姿をお見せしました。今のは全て忘れてください」


「…では気を取り直して。時間も残り少ないし手早く説明していくからしっかりと傾聴しなさい」


「まずはフリーマーケットモードについて。これはアプリを通じて個人間でアイテムの取引が出来る機能よ。場所も時間も時空も次元も超えて、文字通り全世界のアイテムが流通する凄い機能なのよ」


「手数料も売上金の1%と超お得。それとこの機能に関しては私達運営側はシステムの維持以外一切干渉しないから、各自で自由に取引してちょうだい」


 さらりととんでもない内容の説明が流される。


(完全に闇市じゃねえか。まあワクワクするからいいけどな)


「次にクラウドファンディング機能についてね。これはアイデアはあるけど資金が無いという野心溢れるチャレンジャー達に資金提供ができる機能よ」


「簡単なイメージとしては資金を提供する代わりに試作品を受け取れるという感じかしら?」


「ただし計画が頓挫したり開発に失敗する可能性もあるわけだから、リターンで利益を得る投資みたいな考え方は止めた方がいいわよ」


「やるだけやってダメだった場合はもう仕方がない。その場合は返礼品もないし資金も帰ってこないわ。そういう細かいルールに関してはアプリのヘルプ欄に色々と書いてあるから一度目を通しておくといいかもね」


「その変わりと言ってはなんだけど、失敗した理由をまとめたレポートを提出させるから、何かの参考になるかもしれないわね。失敗は成功のもととも言うでしょ?つまりそういう事なのよ」


「…ただし、それが悪質な詐欺プランだった場合はこちらに連絡してちょうだい。契約に則り、「どんな」手段を使う事になろうとも資金を返金させるから。まあこの私を相手に詐欺ろうなんて考える愚者はそうそう居ないから安心して大丈夫よ」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れさまです。 主人を慮っての配下の暴走?嫌いじゃない。 むしろ俺の配下tueeeでは必須的な。
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