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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
二章 ブラッド・バケーション

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32/50

第32話

「それがもう凄いんですよ!特にクラリアが見つけた温泉施設なんてもう……」


「ほう…」


 ラビの調査報告を聞いていた大助のテンションがゆっくりと上がっていく。


(いいないいな~俺もそんな面白い世界に行ってみてえよ。なんだよ無限に湧き出る温泉ってよぉ…面白過ぎるだろうが……)


(けど無理なんだよなぁ。お助けモンスターはこっちの世界に来れるけど、俺は向こうの世界には行けないんだよ)


 お助けモンスターは両方の世界を出入り出来るが、大助は放置モードの世界に「直接」介入する事はできない。これはアプリの重要なルールの1つだ。


「他にも巨大な池も見つかりました!…ただその、ちょっと問題も発生しました…」


「問題?」


「クロが歓喜しながら魚を乱獲してるんです。生態系とか大丈夫なんでしょうか?」


「……」


(あのお馬鹿ドラゴン、池の魚を全て確保する気か?)


「…ちょっと待ってくれ」


 大助が更新されたアプリ内部の世界の情報を素早く確認していく。


・無限池


 無限に魚が出現する池。世界レベルや特定の条件を満たす事で出現する魚が変化する。池の中は0時にリセットされるので要注意。


「うおおおおお!!ご馳走がいっぱいだぁああああ!!」


「……」


 池の中で暴れまわるクロの映像をスマートフォンで確認する大助。


(まあ、何度でもリポップするなら獲らないほうが損だな)


「ああっと、その池は24時間周期で内部がリセットされるみたいだ。好きなだけ暴れさせてやれ。その内飽きるだろ」


「分かりました」


「よし。一通り情報は共有する事が出来たな。…なあラビ。暇ならちょっと俺の実験の手伝いを頼めるか?一人だと難しそうな内容なんだよ」


「はい。マスターのお手伝いが出来るのなら何だってやります」


「いや、そこまで気負わなくても大丈夫だからな……」


 大助がラビにも見やすいようにテーブルの上に新しく栽培した草を並べていく。


「…え?…この魔草ってもしかして……ひええええ!?」


「…?」


 その草をキラキラとした目で見ていたラビの顔が段々と青ざめていった。


「てて、転移草に自爆草!?ヤバいですよマスター!?」


「あ~…やっぱこの草本当に危険なのか」


 大助が素手で自爆草に触れる。その姿を真っ青な顔で見守るラビ。


「あわわわわわっ…!?ママママスター…!?乱雑に扱っちゃダメですよ…!?その草爆発しちゃいますよ…!?私達は間違いなくミンチになっちゃいますよ…!?」


「……ふむ」


 ラビは目の前で行われている狂気の実験に気を取られ気づかない。大助の視線が草ではなくラビの表情に向けられていた事を。


(演技じゃなくガチで焦ってるな。この感じだとラビでも爆発すればただじゃ済まないってのは本当か)


 ラビの反応を観察しながらゆっくりと自身のスマートフォンに自爆草を収納する大助。


「死ぬかと思いました…」


「…ふむ。OKだ。この自爆草について知りたい情報は得た。実験成功だな」


「…?マスター。今の出来事から何かを得たんですか?」


「…真実だ。さて、テーブルに置いてある転移草を持って庭まで来てくれ。そこで「転移」の実験をする。危険な実験になると思うが…手伝ってくれるか?」


 基本的に人に頼る事が少ない大助からの「お願い」にラビも内心で覚悟を決め大助の後を追う。


「どこまでもお供します。それが私たちの存在意義です」


「…いや、そこまで気負わなくていいからな…?」

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