第19話
「さてと、そんじゃ新しい栽培リストを確認するか」
大助が栽培メニューを開き、新しく栽培可能になったリストを確認する。そこには新たに3種類の植物が追加されていた。
・ドラゴン草
・毒草
・未来草
(なんかとんでもない名前の草があるな。ワクワクしてきたぜ…)
「ふむ…どの草も強力な感じがするな。とりあえず1つずつ確認していこう」
・ドラゴン草
食べるとドラゴンのような力を使う事ができる。
※効果時間は使用者の練度によって変化する。
※使用者の適正や練度によって効力は増減する。
「…ほう。中々面白そうな草じゃないか」
(しっかしドラゴンねぇ~…ファンタジー的要素の代名詞じゃないか)
「炎とか吹けるようになるのか?いや、仮にそんな事が出来たとしてこの部屋や近所でやったら大騒動になっちまうな」
(要検証対象の草ってところか?そのうち人気のない海にでも行って実験だな)
「んで、次はこれだな」
・毒草(下級)
毒性を持った草。下級なので1/10程度の確率で状態異常を付与する。数多くの種類が存在している。
※アプリで生成される毒草の種類は完全ランダムなので取り扱いには注意してください。まずは消えても問題の無い人間でテストする事を強くオススメします。
「……ん?」
(注釈の文面が妙だな?書いたやつが違う?…いや、そういう演出って可能性もあるか)
「……」
(よせ。これ以上の思考は時間の無駄だ。解けたところで何の意味も無い。打ち切って次に行くぞ)
「ふむ…これはまあ、文字通り毒物の元になる草か」
大助が毒草に関する考察を始める。
(毒物って色々な使い道があるからな。一応栽培だけはしておいて、使い道に関してはクラリア辺りと相談して考えるのがベストってところか)
「それで、次はこいつか…」
・未来草
食べると少しだけ先の未来を見る事ができる草。使用者の脳に莫大な負荷が掛かるので別名「廃人草」とも呼ばれている。
※…これを使うと常人の脳は壊れる可能性がある。
※…普通の人間には正直オススメできない。
「……ふむ」
(おいおい!?なんだよこのめちゃくちゃ面白そうな草はよぉ…)
言葉とは裏腹に内心で狂喜乱舞する大助。無限の可能性を秘めた未知の魔草。これは大助が待ち望んでいたものに他ならないのだ。
「いいね~。可能性に満ち溢れている。いくらでも悪用できそうで素晴らしい」
「未来」それは映画、漫画、ゲームなどでも度々取り上げられるテーマの1つだ。未来を制す者は現実をも制す。
「だが、その手のジャンルには必ずと言っていい程にある問題が付き纏っている」
(未来を知る行為に「デメリット」が設定されている。これがどれくらいヤバいのかが分からん。…だがそれが良い)
「いいねいいね~これだから未知への探求は止められねぇんだよなぁ……」
未来草を使う事によるメリットよりもデメリットについて注視する大助。死のリスク。それすらも大助にとっては最高のスパイスだ。
「もちろんゴーだとも。こんな面白そうな草、栽培するしかねぇよなぁ?」
大助が早速畑に未来草をセットし、栽培をスタートする。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
そして44分が経過。ついに未来草使用の準備が完了する。
「大量生産完了てところだな」
その数13本。その全てを倉庫に移す大助。
「さて、検証実験を始めるとするか」
テーブルの上に無造作に置かれた現金100万をバッグへと仕舞い、大助が外出の準備を始める。
「どうせ実験するならついでに大金を稼いでおくのも悪くない。金は銃弾と同じだ。予備があって困る事はない」
「…よし。行先は宝くじ売り場だ。稼ぎまくってやるぜ…」




