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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
一章 グリーン・ライフ

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第18話

<レベルが上がりました>


「…おお。久々のレベルアップだな」


(今回はいったい何が起こるんだ?)


<新しい植物が栽培可能になりました>


「いいね。素晴らしい」


 さらに多くの植物が育成可能になった事を率直に喜ぶ大助。


(前回のラインナップは中々に豪華だったからな。となると今回も必然的に期待してしまうってやつだ)


<放置モードの機能が追加されました>


「…おお?」


(これは要チェックだな。だがそれよりも気になるのは…)


<ガチャ機能が実装されました>


「……」


 大助が頭を抱え始める。


(絶対にヤバい機能が来ちまったなぁ…)


<チュートリアルを開きますか?>


「むぅう…!?」


 Yesの文字に伸ばしかけた指をなんとか堪える大助。


(だ…ダメだ!今はダメ!回すのは確定してるがそれは後回しだ)


 今のテンションのままガチャの解説など聞こうものなら、間違いなく全財産をぶち込んでしまう。その事を大助は重々理解していた。


(ガチャは後でも検証できる。それよりも今確認したい機能はこっちだ)


 大助がメイン画面から放置モード開く。すると画面から声が聞こえ始めた。


(…誰かの声が聞こえるな。今まではBGMみたいな音しか聞こえなかったんだが、これが追加された機能ってことか?)


 大助が画面に注目する。そこにはテーブルに向かい合い何事かを言い争うラビとクラリアの姿があった。


「だから何度も言ってるじゃないですか。マスターはあなたの物ではないんです。あなたみたいな偽ウサギなんかには絶対に渡しませんよ」


「…ふん。…自分のマスターの顔も知らないような雑魚モブウサギはさっさと消えるべき」


「ふん。そんな雑魚と引き分けたあなたはいったい何なんですか?あまり浅はかな発言はしない方が良いと思いますよ」


「…気を逸らそうとしてるのが見え見え。…おまえは私の質問に対して否定していない。…従者として仕える人の顔も知らないのは本当にどうかと思う」


「うっ…!?し、仕方がないじゃないですか!私だってマスターのお顔を見てみたいですよ!!……ちなみにどんな感じだったんですか?」


「…顔は人間基準で中の上ぐらい。…背が高くてマッチョマン。…でも目はヤバい感じに濁ってた」


「詳しく教えてください」


(ほう。ずいぶんとまあ仲良くなってるみたいだな)


 ラビとクラリアの決闘の結果は両者死亡による引き分けという結果で終わっていた。


(後から知った事だが、お助けモンスターは死亡してもコインを使用すれば蘇生出来る。貯蓄していたコインは吹っ飛んだが、この情報を得られた対価としては十分だ)


「まあ、その結果というかなんというか…こいつらの仲は以外と良好になったみたいだな。これが腹を割って話した結果というやつか」


 大助がそんな事を考えていると、2人のトークは次第にヒートアップしていった。


「…マスターは私を直接育ててくれた。…つまり私はマスターの娘のような存在とも言えるかもしれない」


「それを言ったら私だってそうですよ。私の「名前」はマスターが直接付けてくれたんですよ?とっても良い「名前」だと思いませんか?」


「…ん?…おまえも「名前」を持ってるのか。…なんかムカつく」


「奇遇ですね。私もムカついてますよ。あなたみたいな頭のおかしい植物が「兎」に擬態して「名前」まで付けてもらっただなんて。…あなた、私を舐めてるんですか?ブッ飛ばしますよ?」


「…おまえじゃ私には勝てない。…表に出ろ。…今度こそ丸焼きにして食ってやる」


「ええっと…昨日私と相打ちになった事を忘れたんですか?「決闘」自体は構わないんですけど……」


「ん~…先に栽培作業を終わらせてからにしませんか?このままだとまたマスターに迷惑をかけてしまいますよ?」


「…ん。…仕事が終わってからで構わない」


「分かりました。とりあえず今日の分の仕事だけは終わらせておきましょう」


「…ん」


(真面目なやつらだな~)


 大助が放置モードを終了しポケットへとスマートフォンを仕舞う。


(まあ、なんだかんだで二体共上手くいっているようだな)


 喧嘩するほど何とやら。ラビとクラリアの相性は意外と悪くはなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] みらいそうか……いいですね、お金儲けできますよね?競馬で稼げるね。
[一言] こんなストーリー大好きです。 今後も長らく続いて欲しいと思いました。
[良い点] おぷしょん [一言] ルーレットとかもボロ儲けできそう いいな〜
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