Biannual
Biannualは半年という意味です。深い意味はないです。
それから半年が経った。
プロジェクトは、メインプログラムの構築、アルファ版の作成まで進んだ。
まるでゲームを作っているような感覚だったが、実際作っている物はゲームとさほど変わらないのだろう。
「にのみーん、ここのエラー直してー。知らないエラー出てきたー。」
・・・にのみん呼びも変わっていない。
「これはここの引数が間違ってますね。」
俺は手早くエラーを直し、業務を再開する。
四ヶ月程この調子だ。最近はデバッグ等の業務も増えてきた。
意外なのは、ノアが予想より仕事のできる奴だったことだ。
うちのAIとは違うな。
「あ、お疲れ様です、マスター。」
「ん。お邪魔、してる。」
部屋に帰るとアルルとノアがいた。
アルルは何故かよく俺の部屋にいる。自分の部屋があるのにそっちを使わないのだろうか?といつも思う。
「というかノア。同じ時間に終わったのに何で俺より早く俺の部屋にいるんだ?」
「誠、は・・・遅い。もっと、近道が・・・ある。」
「マジか。俺ここで半年も暮らしてて、部屋への道、遠回りしてるの?」
ちょっとショック・・・。
「マスター、今度道を教えてあげます!」
「アルルは、方向音痴・・だから、教える、前に・・・迷う。」
・・・確かにアルルは方向音痴だが、流石にいつも通っている道ぐらいはわかるだろう・・・たぶん。
その後、俺が廊下を歩いていると
「おう。二ノ宮。ちょっとこっち」
岩谷さんが手招きをして俺を呼んだ。
何かあったのだろうか?と思い、岩谷さんに付いて行く。
近くの部屋に入り、漸く岩谷さんが話を切り出す。
「実はな、新しい奴が来るんだ。」
「別にいいんじゃないですか?そんなに隠すような話ですか?」
「それが、俺らと一緒に働く訳じゃ無さそうなんだ。」
俺らと一緒に働かない?じゃあ何のために?
「うちの社長の息子らしいんだけど、どうやらアルファ版と、もうじき完成するベータ版のテスターになってくれるそうだ。」
今までは俺らでテストしてたから、第三者の視点で見れるのはいいと思う。
「社長の息子か・・・怖い人とか変人じゃないといいんですけどね・・・。」
少し心配な今日この頃であった。




