プロローグ
俺、一ノ瀬彼方は死んだ。
18歳という若さで死んだ。
そして今、俺は俗にいう天国と呼ばれるにいるのだろう。
目の前には、金髪の、まるで女神のような人がいる。
日本にあった二次元の女の子みたいなのとちょっと似てる。
「さて、一ノ瀬彼方さん。あなたはこの世界の中心。主人公なのです!」
唐突にそんなことを言われた。
駄目だ。理解できん。
「えっと、もしかして理解できてない?」
そう言われ、俺は頷いた。
「じゃあ、分かりやすく言うとね・・・。この世界はアニメや漫画のような世界で、あなたが主人公なの!」
なるほど、わからん。
「えっと、つまりここは二次元で、俺はその世界の主人公ってこと?」
「うん、まあ大体そんな感じー」
てか、今更だけど威厳もなにも感じれないんですけど・・・。
「ん?アニメや漫画なら読者や作者がいるはずなんだけど。」
我ながら鋭い推理、死ぬちょっと前までミステリー小説を読んでた甲斐があった。
「もちろんこの世界を創った創造者である作者。この世界を観る観測者。そして私やあなたみたいなキャラクターが存在するわ。」
まじか。
「なあ。主人公補正とか欲しいんだけど。」
主人公補正があれば勝ち組になれるはず!逆に無いとか考えられない!
どうかこの作品が俺TUEEE系でありますように!
「それは、作者の気分ね」
・・・後ろで絶望のBGMが流れた。