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魔法高等学校に入学したら首席ではなく、次席なんだが  作者: 山田さとる
第二章 銃学科編
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戦闘実習②

神崎は手元の銃デバイスを持って、片手で構えている。この魔法高等学校に入学できる実力があれば、銃の扱いを魔法力でカバーできる。


「俺の魔法力で先生、痛い目みせてあげますよ」


神崎は、見事な奢りをみせて、早見に対して、銃のデバイスを見せる。


「神崎くん。あなたは先生に対しての口の聞き方がなっていないようですね。これが終わったら、反省文を書いてもらいます。あなたから撃っていいですよ」


早見もデバイスを握りしめて、神崎に向ける。


「それじゃあ、先に」


「グラインド」


神崎の銃デバイスから発射された弾丸は、一瞬で相手を仕留めようとする。すると、早見は冷静に銃弾の軌道を読み、自身の銃の弾丸を発射させたように見せた。


「エターナル・サンダー」


銃の弾丸というよりも、一筋の光線が弾丸をも粉砕し、神崎の光取り込まれる。


光に取り込まれた後の神崎は、地面に倒れていた。


「嘘だろ?」


生徒全員から驚愕の声が上がり、焦げ付いた床と壁面をみていた。


「あの先生、その技は魔法力が大きく関係してるのではないでしょうか?」


多くの生徒が沈黙する中、平松が話し出す。


「ちょっとやりすぎちゃいました」


神崎なんて、ピクリとも動いていない。湊は、神崎が死んでいないのだろうか?と思った。


早見は自身の魔法を説明し出す。


魔法力は一点に集中させるだけでも、大きなパワーをうみます。この魔法は魔法特性、電気魔法を魔法銃学に応用にしたものです。レーザー光線みたいな感じだと、アメリカの友人にも言われたことがありますが、レーザーのような膨大な魔法力は私になく、少ない魔法力を一瞬で出すことで、私の電気魔法は戦闘でも使えるようになります。難しい理論はここで話してもわからないでしょうから、気になる人は魔法大学とかで勉強してください。魔法力は一つの才能でしかなく、色々なことを応用して、自分なりの戦闘スタイルを考えてください」


早見は少し楽しみながら話していた。今までの冷めたような表情とは違って、楽しそうな表情が本来の早見の姿なのかもしれない。


「私は神崎くんを保健室まで連れて行くので皆さん、今日の授業は終わりです。気をつけて帰ってくださいね」


早見は神崎を魔法で浮遊させ、足早にさっていってしまった。





湊と桜子と平松は生徒会の仕事を手伝っていた。


「佐伯副会長、早見先生って何者なんですか?」


佐伯は湯呑みでお茶を飲んでいたが、湊を一瞥して、また湯呑みに視線を戻した。


「俺にもわからん。早見先生は今年、赴任したばかりだからな」


「そうですか」


「雑用の二人、ちゃんと口よりも手を動かしなさい。そこの計算間違ってるわよ」


2年の書記、皆川咲に湊は怒られる。女子メンバーからは咲先輩と言われているが、湊に対しては当たりが強い。


「あっ、すいません」


計算機をはたきなおす。皆川咲は湊のことを見ていないように見えて、いつも的確に間違えを指摘してくる。生徒会の事務方は皆川がいないと成り立たない。


「咲先輩、それにしても不思議なんですよ。早見先生。見たことのない、レーザー光線を


こう、ばーーーーーって出すんですよ」


桜子は大きく身振り手振りを使って表現するがいまいち、皆川に伝わっていない。


「桜子さんが言っていることわからないのだけど。結局、平松さんどういうことなの?それに、咲先輩は砕けすぎているにだけど」


皆川先輩少しだけ、自分の名前を呼ばれたことに抵抗があったように見えたが、少し嬉しそうにも見えた。


「咲先輩、桜子は早見先生が授業で見せた銃魔法のレーザー光線のこと言ってるんですよ。私にも、よくわからないですが、物凄い威力なのに、魔法力は最小に抑えているって言うんですよ。矛盾してませんか?」


誰もがあれだけの説明で、早見先生の銃魔法に納得をしていない。でも、目の前で見せられた銃魔法は、紛れもなく本物だった。


「なになに、湊くんたち何話してるの?」


会長が先生たちとの会議から帰ってくる。湊のすぐ横に顔を近づけてくるので、ラベンダーの香りがして、少し、湊はドギマギした。


「会長、湊に色気を使わないでくださいよ」


「藍子会長、スキンシップが近すぎます」


桜子と平松はものすごい剣幕で注意する。


「うーん。三井湊くん、あらため、湊くんは生徒会、私のものですよ」


九条は湊に抱きついて、自分の所有物だと見せつけていた。





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