過去との決着②
「あの後、平松さんと話した?」
桜子は机に座りながら、港に話しかける。
「まったくだな」
あの後、平松が目を覚ましたが、九条の顔を見ると一目散に医務室を出てしまった。それから、桜子、湊を含めて、平松と話していない。湊の技、一水四見で陽炎を抑えている。一水四見も絶対じゃない。だからこそ、平松が柄を握れば、火の中に囚われてる陽炎が出てきてしまう。
「行ってくる。平松のところに」
「頑張って、湊、応援してる」
桜子はグットラックをしているが、問答無用に連れていく。
「桜子、お前も雑務だ。一緒にこい」
「なんで〜」
平松は自分の席に座っていた。
「平松、ちょっといいか?」
「なに?」
平松はそっけない態度をとりながら、読んでいる本を机に置いた。
「この前のことなんだけど、平松お前は、この前のことを覚えているか」
「それはこの場で話さないといけない話?」
クラスは異様な緊張感で静まりかえっていた。
「湊、流石にこの場じゃ....」
桜子が袖を引っ張り、湊を注意する。
「わかった。また、戦闘場にきてくれ、その時に話を聞かせてくれ」
「わかったわ」
そうに言うと、また平松は本を読み出す。
「とりあえず、放課後だ」
「平松、お前の家のことはお前の刀から聞いた」
戦闘場には、九条、佐伯、三井、向井がいた。
「刀?確かにこの刀は、私の父の形見だわ。その刀が喋ったと?」
平松は半分、冗談だと思いながら、話す。すかさず、九条も話に割り込む。
「あなたの一家は人斬りをしていたの」
「会長、なにもそんな風に言わなくても」
平松は血走った形相になる。桜子は不安そうに見守っている。
「九条会長、今まで我慢していましたがもう我慢できません。流石に今の言葉は、看過できません。撤回して謝ってください」
「いいえ、本当のことです。あなたの刀のせいでありますが、私が調べた限りでは平松家は、依頼者の殺したいほど憎い相手を殺すことを生業としてお金を得ていました。あなたは、幼かったから、知らないかもしれませんが」
「九条藍子、絶対に許さない」
平松は激情に駆られて、ポシェットにある刀のデバイスを取り出してしまった。
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