過去との決着①
九条と佐伯は、戦闘場に来ると湊、桜子、平松がフィールド場に倒れている。
「会長!三井と向井は斬られた跡があり、平松は魔法力が枯渇している状態です」
「息はしてるのね?」
「はい、息は三人ともしています」
佐伯が応急処置をしおわる。
「良かった。とりあえず、医務室に運んで」
九条は胸を撫で下ろした。
「ここで何があったのかしら」
フィールド場には焼けた柱があり、魔法障壁が壊れてしまっていたのがわかった。
「うっ、ここは」
湊が先に起きる。するとソファーにいた佐伯がすかさず来た。
「良かった〜。三井〜」
男泣きをしながら、佐伯は湊の手を掴んでいる。すると横には、制服姿のめぐみがいた。
「良かったよ、お兄ちゃん」
めぐみが隣で涙を少し浮かべていた。
「三井、お前が重症だと家に電話したら、このめぐみちゃんが、血相を変えて来・・・・ぐわごは」
「ちょっと、副会長黙るのです?」
めぐみが180cmもある佐伯の口にリンゴを入れて、佐伯はむせていた。
「他の二人は?」
「桜子は傷が深かったが、会長の治癒魔法のおかげで大丈夫だ。まだ安静にしていないといけないがな。平松は・・・」
佐伯はカーテンに隠れたベットを見る。
「平松はどういう状態なんですか?」
「平松は魔法力が枯渇していて戻らない。一体、何があったんだ?」
「私も聞きたいわ。三井くん?」
九条も、隣のベットのカーテンからやってきた。
「会長は、平松家のことは知っていますか?」
九条は驚いた顔をしながらも、頷く。
「私の父が魔法警官だった時に連続殺人事件が起きたわ。事件の捜査は、難航した。ある時、私の父から捜査情報が漏れているのがわかった。その時に疑われたのは父の旧友の平松仁だった。平松仁は私の父の捜査資料を盗んでいた。最後に私の父と平松仁があった時には、悪事を行なっていた人間を平松仁が斬り殺していた時だった。父は説得しようとしたけど、無理だった。平松仁にかけられている先祖からの呪いは深かった。父は悲しみくれながら、平松仁を斬ったわ。そのあと、人を斬った私の父は警察を辞めた。でも、それをさせていたのは平松家の呪いにせいだと聞いているわ」
いつも冷静な顔している九条の顔が苦しそうに歪んだでいた。
「それを知っていて、なぜ会長は教えなかったんですか?」
「平松さんを近く置いておけば、平松家の呪いの原因がわかると思ったの。でも、私の考えが安易だったわ。みんなを危険に晒して、ごめんなさい」
深々と九条は頭を下げた。
「平松の呪いは刀ですよ。会長」
「湊くん、わかったのね」
「平松の人格が刀を抜いた時に変わりました。刀の霊らしく、名は陽炎と言っていました。陽炎は代々、平松家に受け継がれてきて、この世で恨まれている者を斬ってきたと言っていました。俺が、陽炎をギリギリに押さえつけましたけど、まだ、陽炎は死んでいません。陽炎は最後に平松がまた、柄を持った時に復活するとも言っていました。
「陽炎、そいつが・・・ちょっと、私は陽炎のことを調べるわ。佐伯くんここは頼んだわよ」
九条は矢継ぎ早に、医務室を出て行ってしまった。
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