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霧の少女 ~追跡と罠の始まり~ ④


しばらくして「ティルシス・・・。」と、呟いた途端、激しい頭痛を感じたのかそのまま倒れてしまった。


ティルシスと名乗った少女がいきなり倒れてしまい、アルスは慌てる。


アルス「ティ・・、ティルシス! ティルシス!! おい、大丈夫か!? 今すぐ薬草をとってくるからな。」と、言いつつもティルシス一人にするのも危険だ。


そこで謎の声に少し手助けしてくれるように相談する。


こちらから謎の声に話しかけるのは今回が初めてなのでうまく届いているのかさえさっぱりである。


数分待っても謎の声に反応がないので(やっぱり、これは一方的なのかなぁ・・・。)と、思いあきらめかけて立ち上がろうとしたその瞬間、突然意識が飛びそうになる。


そして、頭の中に直接、声が入ってくる。


((ソナタノホウカラ話シカケテクルトハ、随分ト珍シイコトモアルモノダナ。ソレデソナタガ私ヲ呼ンダ理由ハソノ少女ニ何カアッタライケナイカラ見守ッテホシイトイウコトダナ?))と、声が答える。


アルス(そうだ。見守ってくれないか?ティルシス一人を置いて薬草を取りに行くのはあまりに無防備だ。だから、せめて見守るだけでいいからやってくれないか?)と、ダメもとでお願いする。


何やら考え込んでる様子で声はしばらく黙る。


そして、((イイダロウ、見守ルダケナラ周リノ木々ヤ獣ヲ媒体ニスルカラ可能ダ。))と、声は静かに答える。


アルスは一言だけ(ありがとう。)とだけ言って薬草を探しに行った。


30分後、やっと熱さましと頭痛を抑えるために使う薬草を見つける。


アルス(これならいつもポーチに入れてある薬草を加えたら十分足りる。)と、急いでティルシスのもとに戻る。


そして、いつも肩から下げているカバンから茶飲みサイズの薬缶と近くで拾ってきた石を革袋に入れてきた水で土を落としてお湯を沸かし、薬草を煎じる。


((アルス、少女ガ目覚メルゾ))


と、謎の声が知らせる。


アルス「よかった・・。丁度、薬ができたところだ。」と、ティルシスのおでこに触れながら言う。


「ん・・」と、ティルシスが目を薄く開いてアルスのほうを見る。


アルス「やぁ、体調はどう? 熱さましと頭痛薬を作ったんだけど飲むかい?」と、柔らかく優しい口調で言う。


ティルシスはまだ、意識がぼんやりするらしく頷くぐらいしかできなかった。


それからティルシスを近くの木にもたせかけて薬をお椀で飲ませる。


しばらくしてやっと落ち着いた様子だ。


そしてティルシスがゆっくりと話し出す。


ティルシス「私はある国の第2王女だったらしい・・。でも、それ以上は思い出せない。思い出そうとするとさっきみたいに突然、激しい頭痛で意識が飛んでしまう・・。」と、お茶が入ったお椀を両手で持ちながら遠くを見るような表情で言う。


アルス「そうなのか、無理して答えなくていいよ。きっと君についての謎が解けるときがくるさ。」と、冷静に答える。


続けてアルスは「もう遅いし、寝よう。明日はとりあえず、北のほうに行こう。」とだけつぶやくと早くもスゥースゥー寝息を立てながら寝入った。


ティルシスもアルスに続くよう眠るのであった。



ここまで読んでいただき誠にありがとうござます。


不定期なので1週間に1回もしくは2週間に1回という感覚で基本投稿をしております。


次回も読んでいただけると励ましになりますのでよろしくお願いいたします。m(__)m

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